【メスキータ展】
art-32【メスキータ展】 東京ステーションギャラリー
夏休み5日目は東京ステーションギャラリーへ。
メスキータ展である。
メスキータ・・・はじめて聞く名前だったが、教え子にエッシャーがおり、自身はユダヤ人だったことでアウシュビッツに送られ亡くなった・・・という版画家。メスキータの死後、エッシャーをはじめとした教え子たちが作品を隠し守ったという。
第1章 メスキータ紹介
まずは自画像からはじまる。年代はいろいろなので変化はあるのかもしれないけれど、どれが本当のメスキータなんでしょう?(笑)
一番印象的なのは、「メメント・モリ」。なにやら哲学的な自画像だが、これが50代後半の自画像ですって??70歳すぎた自画像かと思いましたね。
息子ヤープも何枚かあったけれど、「マントを着たヤープ」はなんだかかわいらしく(子どもの頃?)、「ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像」は、ちょと劇画チックというか、陰影にとんでいて何とも言えない感じ。自画像の髭にしても息子の髭にしても、なんとまあ線が細かいこと!
第2章 人々
人物画もいろいろだが・・・
たとえば「うつむく女」などは黒の使い方が見事だし、「歌う女」のようなデザイン的な作品もいいなと思ったのだが、裸婦(男)はちょっと苦手かな・・・
横線で構成されていて、なんかちょっと不気味なんである。いや、こういう表現もあるのねってことだろうけれど。
第3章 自然
第2章よりこちらの方が好きな作品が多かった。
動物、植物など自然を描いた版画。
線をこれでもかとひいていて、葉脈など彫り込みすぎな感じもあるけれど、とてもデザイン的なんですね、植物。サボテンとかアーティチョークとかパイナップルとかはとてもこの人の個性にはまっている作品だと思う。
が、やはり動物の方がいいですね(個人的趣味ですけど)。
アムステルダムの動物園に通って描いたそうだけれど、鷺やミミズクなどよく特徴を捉えている。
リアルじゃないけれど、おもしろいのはシロフクロウ。
そして、鹿!なぜこんな風に角を描いたのだろう。まるで三角定規(笑)。顔の形もそうだし、三角でまとめたかったのか・・・
メスキータははじめから白黒のコントラストがはっきりしているシマウマは版画にすべきではないと常日頃言っていたのに、作っていたのでのちにエッシャーがびっくりしたとか。いや、いいですよ、シマウマも!
第4章 空想
この章はまったく雰囲気が違う。
無意識に浮かんでくるものを描いたというのだが、不思議な絵がずらり。ファンタジーというよりは、ちょっとアンソール風の不気味な作品もあるし、戯画風の作品もある。見ているとじわりじわりとくるおもしろさ。
「さまざまな人々」「さまざまな人物」と題された作品群、見ればみるほどおもしろい。人・・・じゃないものを描かれているけれど・・・
ここでもやはり細かいたくさんの線が効いていると思う。
第5章 ウェンディンゲン
第3章の部屋にあった総合芸術雑誌の展示。12巻1号のフクロウがいい。
はじめてまとまってメスキータの作品を見たが、予想以上によかったです。
是非どうぞ。
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