【円山応挙から近代京都画壇へ展】
art-33【円山応挙から近代京都画壇へ展】 東京藝術大学大学美術館
夏休み7日目は上野へ。
まずは遠い方から、芸大美術館に向かった。いやはや暑い・・・
円山応挙から近代京都画壇へ展。
円山派、そして与謝蕪村と応挙に学んだ呉春からの四条派、これらの派から派生した原派、岸派、森派など、そして近代の京都画壇までの流れを紹介する展覧会。ふむふむ、勉強になりますね。
すべては応挙にはじまる。
応挙の「写生図巻」から。
応挙は動物や植物、自然などの写生画で有名となっているが、こうした丁寧な写生が元となっているんですね。観察力とその細かな筆致がスゴい。前期は乙巻の一部の公開だったが、後期のうさぎも見てみたい。
が、この章で圧倒的なのは大乗寺の襖絵である。
大乗寺は別名応挙寺。応挙と門人の絵師たちが13の部屋に165面の画を描いているという。もし見られるのであれば、是非大乗寺に行ってみたいなあ。
今回は再現展示というか、十字に襖絵を展示しており雰囲気を味わうことができる。
まずは、応挙の「松に孔雀図」。墨一色で描かれているのだが、松の葉は緑がかって、孔雀は群青色に見えるのが不思議だ。
呉春の「群山露頂図」も素晴らしい。霧の中から現れた山がとても幻想的だ。
かと思うと同じく呉春の「四季耕作図」は牧歌的で、作風が違う。
最後に上村松園があったが、この派がやがて松園にもつながっていくのかというのが驚きだった。
孔雀、虎、犬、命を描く。
応挙は龍や鳳凰などといった架空の動物より、実際の動物を観察して描こうとした。
ということで応挙の「狗子図」が見たかったのだが残念!これは後期。代わりにと言ってはなんだが、長沢芦雪「薔薇蝶狗子図」がきていて、マグネット購入。かわいい!竹内栖鳳の犬の絵「春暖」の展示もあったけれど、これはちょっとリアルに近づいてるかな~
虎を得意とした岸派では、岸駒の虎もあったけれど、岸竹堂の「猛虎図」がなかなかよい。実際にサーカスの虎を見て描いたそうで、よくありがちな猫じゃなくてちゃんと迫力ある虎の絵となっている。
山、川、滝、自然を写す
応挙が登場するまでは、風景画もやまと絵か南画だったが、応挙の登場で写実的な方向になっていく。
与謝蕪村の展示もあったけれど、やはり南画風で、応挙と並べてみてみると明らかに違う。
応挙の展示の中では「春秋瀑布図」が気に入った。
またもや登場の岸竹堂「大津唐崎図」となるとかなり近代化した風景画と言える。
美人、仙人、物語を紡ぐ
応挙に美人画というイメージはなかったのだけれど、美人画においても新生面を拓いたとのことだ。
「江口君図」はとても気品のある作品で、これが後年の上村松園につながっている・・・のかもしれない。
応挙と呉春の「風雪三顧図」の見比べも興味深い。
前後期でほぼ入れ替わるそうで、これは是非また行かねば!
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