【ブダペストーヨーロッパとハンガリーの美術400年展】
art-6【ブダペストーヨーロッパとハンガリーの美術400年展】 国立新美術館
日本とハンガリー外交開設150周年記念の展覧会。
国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーから130点あまりが来日。
今回はかなり細かく部屋を区切って展示されていました。
Ⅰ:ルネサンスから18世紀まで
1.ドイツとネーデルランドの絵画
クラーナハからスタート。
「不釣り合いなカップル」2枚。これ、別バージョンを何度か見ているのだけど、風刺画的でおもしろい。
ハインツの「アリストテレスとフィリス」。なんだか、アリストテレスが誘惑に負ける姿が滑稽。
2.イタリア絵画
聖母子
ティッツィアーノの「聖母子と聖パウロ」。優美な作品。なぜここにパウロがいるのかという疑問はあるが・・・
聖書の主題
ジョルジョ・ヴァザーリ「カナの婚礼」。ヴァザーリの作品はあまり見たことがないかも?画面が狭いな。
バロッチの工房「アッシジの聖フランチェスコのいる受胎告知」。受胎告知の場面に猫がいるのは始めてみたかも?
ランゲッティ「監獄でファラオの料理長と給仕長の夢を解釈するヨセフ」。マニエリスムなみに筋肉が・・・
グイド・レーニ「聖ペテロの磔刑」。逆さ磔が痛ましい。
ヴェネツィア共和国の絵画
ヴェロネーゼの「春」と「秋」。秋はワインを連想させる。どうせなら夏と冬も並べて欲しかった・・・
3.黄金時代のオランダ絵画
ヤン・ステーンとかオスターデとか農民を描いた絵がよい。
4.スペイン絵画ー黄金時代からゴヤまで
エル・グレコ!「聖小ヤコブ(男性の頭部の習作)」。習作ということで未完成な感じだが、まぎれもなくグレコだ。
ゴンサレス「王子の肖像」。服装が女子なんだが・・・
ゴヤ「カバリューロ侯ホセ・アントニオの肖像」。言われなければゴヤとはわからなかった。ゴヤも嫌っていた人物ということで、やや悪意が感じられるような?
5.ネーデルラントとイタリアの静物画
静物画は大好き。
なぜレモンがみな剥かれた状態で描かれているのか・・・
6.17-18世紀のヨーロッパの都市と風景
フランソワ・ド・ノメ「架空のゴシック教会の内部」。実際に見て描いたのではなく、架空だそう。すごくリアルなのだけど・・・
ドメニキーニやジュンタトタルディのローマの風景画がよかった。
7.17-18世紀のハンガリー王国の絵画芸術
ハンガリーの画家登場。ハンガリーの画家はほとんど知らないのだが、なかなかいい作品が多いですね。
8.彫刻
メッサーシュミットが2点。いや、いつみても強烈ですね。
ケルン「三美神」。優美なフォルムだ。
Ⅱ:19世紀・20世紀初頭
1.ビーダーマイヤー
日常生活の平穏や心地よさを表現したビーダーマイヤー。
ライター「小さな宝石商」。女の子は小さい頃から宝石が好き。ほほえましい。
ミクローシュ(ハンガリー)「伝書鳩」。むぎゅってされた鳩。女性がやや胸がはだけているのが気になるが。
2.レアリスム―風俗画と肖像画
ムンカーチ・ミハーイ(ハンガリー)「パリの室内(本を読む女性)」。元々は貧しい人々を描いた画家だったそうだが、貴族の女性と結婚してこうした作品を描くように。優雅だな~
ドレ「白いショールをまとった若い女性」。ウエストが細すぎるんですけど!
シニュイ・メルシェ・バール(ハンガリー)「ヒバリ」。物議をかもした作品だったようだ。確かに、ヒバリはごくごく小さく描かれていて、目がいくのは裸の女性。シュールな構図。
ミハーイ「フランツ・リストの肖像」。交友のあったリストを描いているが、威厳のある姿。
3.戸外制作の絵画
クールベ「オートヴィルのヒマラヤスギ」。荒々しいタッチ。
モネ「トゥルーヴィルの防波堤、干潮」。あまりモネらしくない感じ。ペタっとした感じ。
コロー「ヤギと格闘する羊飼い」。なぜヤギと格闘しているのか・・・
カーロイ(ハンガリー)「小川Ⅱ」。印象派っぽい。手前に脱ぎ捨ててある(もしくは帽子かな?)のが気になる。いったい何があったのか。
4.自然主義
イシュトヴァーン(ハンガリー)「孤児」。寂しい・・・孤児のかなしみが伝わってくる。
5.世紀末―神話、寓意、象徴主義
ジュール・ジョゼフ・ルフェーヴル「オンディーヌ」。まるでアングルの「泉」!
ベックリン「村の鍛冶屋を訪れるケンタウロス」。村人が驚いている。いやそりゃ驚くよね。蹄鉄でもうってもらいにきたのか・・・
カーロイ「オルフェウス」。無邪気な感じだが、その後の運命を考えると・・・
チョントヴァーリ・コストカ・ディヴァダル(ハンガリー)「アテネの新月の夜、馬車での散策」。どこかマグリットを思わせるシュールな絵。
6.ポスト印象派
ドニ「母性、または母の喜び」。いいなあドニ。やはり奥さんがモデルだろうか?
ヨージェフ(ハンガリー)「赤ワインを飲む私の父おビアチェク伯父さん」。相当飲んでますね~
ツィッフェル・シャーンドル(ハンガリー)「柵のある風景」。赤い山が強烈だけれど、あくまでも主役は手前の柵らしい・・・
アドルフ(ハンガリー)「ケシの実のケーキ」。手前のケーキが気になるが、ケシの実がかかっているのは奥のパンのような・・・
7.20世紀初頭の美術―表現主義、構成主義、アール・デコ
シャーンドル(ハンガリー)「6人の人物のコンポジション」。これ気に入った!躍動感あり。
ウィッツ・ベーラ(ハンガリー)「闘争」。キュビズムだな~
多彩な作品が楽しめた展覧会でした。
ハンガリーの画家の作品、もっと見てみたいですね。
« 京街道歩き(第2回) 淀宿~枚方宿4 | トップページ | サントリー ザ・プレミアム・モルツ 香るエール 初仕込 2020 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 【特別展はにわ】(2024.11.25)
- 神代植物公園3(2024.11.19)
- 【カナレットとヴェネツィアの輝き展】(2024.11.04)
- 【英一蝶展】(2024.10.14)
- 【田中一村展】(2024.09.23)
« 京街道歩き(第2回) 淀宿~枚方宿4 | トップページ | サントリー ザ・プレミアム・モルツ 香るエール 初仕込 2020 »
コメント