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2020/02/22

【奇蹟の芸術都市バルセロナ展】

art-7【奇蹟の芸術都市バルセロナ展】 東京ステーションギャラリー

2002221

カタルーニャの州都バルセロナは芸術都市。
バルセロナにスポットをあてた展覧会に行って参りました。
カタルーニャ美術館からきた作品が多かったのだが、バルセロナを旅行した際訪ねたものの最終日だったので滞在時間が短く、ゆっくり見られなかったのが残念だった。

1章 都市の拡張とバルセロナ万博
近代化が進み万国博覧会が開催された頃の芸術。
アルナウの「バルセロナ」というブロンズ像からスタート。バルセロナの象徴としての女性像。力強い感じ。
万博が開催され活気あふれる様子がみてとれるが、一方「織工の娘」は、過酷な労働を連想させる。

2章 コスモポリスの光と影
富を得たブルジョワは競って立派な邸宅を建てた。ガウディのカーサ・バトリョーをはじめとした斬新な建築な数々。
椅子やテーブルなどもなかなか斬新。が、使い勝手がいいかどうかは・・・
寄せ木象嵌が素敵だったし、アクセサリーもいいなあ。
ルマー・リベラ「夜会のあとで」のように優雅な絵もある一方、ウピス「アナーキストの集会」など、影の部分を描いた絵もあった。

3章 パリへの憧憬とムダルニズマ
パリで描いた画家たちの作品。
ウトリリョ「シュザンヌ・ヴァラドン」。ユトリロの母の肖像画。意志が強そうに描かれている。この人はユトリロを認知した画家なんですね。
サンティアゴ・ルシニョルの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットでのミケル・ウトリリョ」。ふーん、この人がそうなのか・・・
同じくルシニョル「夢想」。グレコ風とのことだが、色味がかな?
「青い中庭」も青が基調で、ルシニョルが好きな色なのかも。

4章 「四匹の猫」
ルシニョル、ウトリリョら4人の芸術家たちが、パリのシャ・ノワールからヒントを得て「四匹の猫」というカフェを開いた。
ラモン・カザス「影絵芝居のポスター」はまるでロートレック!
カザス「貞奴の肖像」「川上音二郎の肖像」。1902年にバルセロナ公演を行った際に描いたらしい。
ピカソも若い頃通ったとのことで何点か。
「エル・グレコ風の肖像」「エル・グレコ風に描かれた5人の男」。確かにこれはグレコ!!こんな絵も描いていたのは知らなかった。

5章 ノウサンティズマー地中海へのまなざし
地中海文明への回帰を特徴とするノウサンティズマがムダルニズマにかわって出てくる。
トレース=ガルシア「村の女たち」。ドニっぽい感じ。いいかも。
気に入ったのは、ガルガーリョ「ピカソの頭部」。これはパッと見てピカソだとわかる。おもしろい。
シャビエ・ヌゲース、リカル・クレスポのグラスが4個。なんか素朴でいいですね。

6章 前衛美術の勃興、そして内戦へ
この章が一番知っている画家が多かった。
まずはミロ。「花と蝶」。ミロを言われないとわからないですね。色味は地味だし、ペタッとした絵。「赤い扇」はなかなか強烈。
ダリ「ヴィーナスと水兵(サルバット=パパサイットへのオマージュ)」。後年の特徴は見られない。どちらかというとキュビズムっぽいかな。
ル・コルビュジェ「無題(バルセロナ)」。コルビュジェ展でもたくさん見たのだが、絵画はキュビズム・・・いやピュリズムなのがおもしろい。
ピカソ「フランコの夢と嘘Ⅱ」。フランコ政権への痛烈な批判。ミロの「スペインを救え」も同様だ。

こうした切り口の展覧会もいいですね。
是非どうぞ。

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