【ロンドン・ナショナル・ギャラリー展】
art-12【ロンドン・ナショナル・ギャラリー展】 国立西洋美術館
4ヶ月ぶりの美術館。
3月の連休に府中市美術館に行って以来。
多くの美術館が日時指定予約制をとっており、こちらもそう。
発売日の発売時間にスタンバイしたものの、なかなかつながらず・・・ようやく1時間後購入することができた。
入場時間ほぼぴったりに美術館に到着。
まずは入り口で消毒、体温測定。
少しずつ人を入れるシステム。
会場に入ってみると、思ったより人が多いなあと。
いや、もちろん普段に比べたら少ないのだけど・・・
ロンドン・ナショナルギャラリーはイギリス旅行の際行ったのだけれど、午後いっぱい見ても最後は駆け足に。
今回は61点がきているが、いずれも日本初公開。
Ⅰ イタリア・ルネサンス絵画の収集
ティントレットからスタート。イタリアではずいぶんたくさんのティントレットを見たなあ。
「天の川の起源」天の川ってそういう神話だったんだっけ?ダイナミックな構図。
ウッチェロ「ゲオルギウスと竜」ややマンガチックな絵。冷静な姫がなんか不思議。
クリヴェッリ「聖エミディウスを伴う受胎告知」こんなおもしろい受胎告知の絵ははじめて!なんかですね、余計なこと描きすぎというか(笑)。天使の横の聖人は何?天使が迷惑そうだし、鳩が入ってくる窓が小さすぎ、鳩が空にたくさんいすぎ、なせか孔雀がいる、向かいからのぞいているのは誰?などなど。突っ込みどころが満載。
ボッティチェッリ「聖ゼノビウス伝より初期の四場面」かなり後期の作品で、やはり若い頃の作風の方が好きだなあ。
ティツィアーノ「ノリ・メ・タンゲレ」キリストとマグダラのマリアの有名な我に触れるなの場面を描いているが、不思議な情景になっている・・・
Ⅱ オランダ絵画の黄金時代
レンブラント「34歳の自画像」レンブラントは自画像がありすぎ・・・ですべてを自分が描いたんだろうかと思ってしまうが、これはだいぶ若いですね。このポーズで威厳を示そうとしてるのだろうか。
ヤン=ステーン「農民一家の食事(食前の祈り)」いろいろ描く画家だけど農民を描いた風俗画が一番好き。
フェルメール「ヴァージナルの前に座る若い女性」よくある窓から差し込む光を描いたものでなくやや暗めの印象だが、ヴァージナルの模様とかドレスとかよく描きこまれている。これ、現地で見てるのだけれどあまり印象に残っていなかったという・・・
ヘーダ「ロブスターのある静物」リアルな静物画いいなあ。
Ⅲ ヴァン・ダイクとイギリス肖像画
イギリスは肖像画好き・・・
ワタクシは肖像画というと、その人を知らないとどうもな・・・と思ったりして、ついつい背景に描かれているものに注目したり、ドレスや装飾品に目がいったり・・・
ヴァン・ダイク「レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー」エリザベスの結婚を記念して描かれたとのことだが、クピドが花束を渡している!神話との融合。
レイノルズ「レディ・コーバーンとその息子」子供たちのかわいさといったら!後のインコに目がいってしまうけれど。
Ⅳ グランド・ツアー
なんといってもカナレットでしょう!
「ヴェネツィア:大運河のレガッタ」ヴェネツィアの運河が目に浮かぶよう。いいなあ。
ヴェルネ「ローマのテヴェレ川での競技」ちょっと似た雰囲気の絵。向こうにサンタンジェロ城が見えるのがポイント!
グアルディ「ヴェネツィア:サン・マルコ広場」これも懐かしい風景。
パニーニ「人物のいるローマの廃墟」ワタクシ廃墟画も好きなのです。
Ⅴ スペイン絵画の発見
ゴヤ「ウェリントン侯爵」この侯爵はスペイン独立戦争でナポレオン軍をやっつけたイギリス人将校だそう。なんか王族の絵に通ずるものがありますね。
エル・グレコ「神殿から商人を追い払うキリスト」遠くから見てもこれはエル・グレコ!とわかる色遣い。
ベラスケス「マルタとマリアの家のキリスト」題名を見てから絵を見るとえ?と思う。キリストは窓枠の向こうに小さく描かれていて、手前には台所で料理する光景が描かれているから。風俗画なんですね。
ムリーリョは2作品きていたけれど、いずれもなんて子供がかわいいんでしょう!
Ⅵ 風景画とピクチャレスク
プッサン「泉で足を洗う男がいる風景」優美な風景画。
ターナー「ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」ターナーらしい光。題材が神話からとられていることもあって神秘的な作品だ。
ロイスダール、ゲインズバラ、コンスタブル、いずれも好きな風景画家だなあ。
Ⅶ イギリスにおけるフランス近代美術受容
アングル「アンジェリカを救うルッジェーロ」てっきりアンドロメダを救うペルセウスなんだと思ったら別物だった!イタリアの詩人アリオストの『狂乱のオルランド』に書かれたそっくりなお話なんですね。これアングルなのか!女性の描き方は確かにそうかも。
ファンタン=ラトゥール「ばらの籠」こぼれんばかりのバラの花。きれいだな~
ルノワール「劇場にて」初めてのお出かけという副題がついているが、そのとおり、少女の楽しげな様子がいきいきと描かれている。
ドガ「バレエの踊り子」この構図好き。
モネ「睡蓮の池」かなりしっかり描きこまれた睡蓮と太鼓橋。緑がこれでもかと使われている。
ゴーガン「花瓶の花」非常に日本画的だなと。
セザンヌ「プロヴァンスの丘」もう、これキュビズムですね。
ゴッホ「ひまわり」花瓶に生けられたひまわり7作品のうちの4枚目。サイン入りは2枚だそう。ゴーギャンを迎える前に描かれていて、明るさに満ちた(病んでいない)ひまわり。こんな時代もあったんだなと。
決して派手な展覧会ではないけれど、素敵な展覧会でした。
やっぱり美術鑑賞はいいな~
今日のおみやげはチケットフォルダーとマグネット。
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