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2020/08/05

【おいしい浮世絵展】

art-15 【おいしい浮世絵展】 森アーツセンターギャラリー

2008051

夏休み4日目は浮世絵・・・食べること、がテーマの展覧会へ。

もちろん、日時指定予約制で、チケット売り場で提示し、券を受け取るシステム。
いつも森アーツは混んでいて見るのが大変なのだが(チケット買うの含め)、さすがにすいていて、快適に鑑賞することができました~
浮世絵は小さいので混んでるとみるの大変なのだけど、日時指定はそういう点はいいですね。

第1章:季節の楽しみと食
季節ごとに行事を楽しみつつ、食を楽しむというのは今も昔も同じ。
春は花見弁当、夏は端午の節句の柏餅・・・今より季節が早かったんですねぇ。
おおっと思ったは歌川国貞の「十二月之内 文月 廿六夜待」。月待ちに関しては、先日街道歩きでちょうど月待塔(二十六夜)を見たところだったので・・・
冬は餅つきもあるけれど、焼き芋も。昔からあったんですね。

歌舞伎に関する浮世絵の展示もあった。
意外とがっつりしたものを席で食べてたのだなと。

第2章:にぎわう江戸の食卓
まずは寿司から。海老やこはだ、卵、まぐろなどまあおなじみのネタが並ぶけれど、盛り方がなんだこりゃ!歌川国芳の「縞揃女辨慶(松の鮨)」では、何段にも寿司が重ねられてる!こういう盛り方したんだろうか?

続いてはうなぎ。国芳の「春の虹蜺」では、うなぎの一カ所だけに串がささっていて、そこを持って焼き鳥みたいに食べてるという・・・こうした食べ方が一般的だったのだろうか?屋台ではそうだったのか?

次は天ぷら。この時代、天ぷらといえば魚で、海老や鱚など。野菜の天ぷらは精進揚げと言われていたとのこと。そして、火事になるといけないので揚げ物は建物の中でできず、屋台で食べるものだったそう。月岡芳年の「風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗」で描かれている天ぷらは衣が厚そう・・・実際も厚かったらしいですね。ワタクシ的には衣の薄いほうがよいです(笑)

歌川広重の魚づくしシリーズ。これは見るのはじめてかも?鯛には山椒と決まっていたのか・・・
江戸時代には東京湾でも漁が盛んだったとみえて、江戸名所図会では佃島の白魚網が描かれていた。

そして、蕎麦。
国芳の「木曽街道六十九次之内 守山 達磨大師」がとってもユーモラス。食べ過ぎだよ(笑)なんで達磨にそば?と思ったけれど、釈迦から数えて28代目にあたることから二八蕎麦とかけているらしい。

豆腐。豆腐百珍については、以前北斎美術館でも見ているのだが、いろいろな食べ方があるようで・・・(この展覧会、随所にレシピも展示されていてちょっと作ってみようかという気になる)
でも一番の定番は田楽なんですね。田楽を作っている絵、結構ありました。

貝、海苔ときて、山くじら。山くじらとは猪などの肉なんですね。当時は肉食はあまりしなかったが、こっそりお店で食べたりしたらしい。広重の「名所江戸百景 びくにはし雪中」に描かれているのはそうしたお店だ。

醤油番付というのがおもしろかった。それまで関西で作られた醤油は高価だったが、江戸時代に銚子や野田で濃口醤油が作られるようになり広まった。ヒゲタとかヤマサのマーク発見!

デザート部門は、果物に白玉。
国芳の「五行之内 西瓜の水性」は女性がスイカの種を一生懸命とっていて、これがまたおいしそう!白玉も食べたくなります・・・国芳の「名酒揃 志ら玉」。

第3章:江戸の名店
国貞&広重の「東都高名會席盡」シリーズが紹介されていた。コマ絵の部分を広重が描いている。
ついつい、広重が描いた部分、料理やさんの門構えや名物料理をじっくり見てしまった。店の名前や料理の名前が役者や役名にひっかけてあるというしゃれたシリーズだ。

第4章:旅と名物
ここも楽しみなコーナー!
東海道を歩いた時のことを思い出し懐かしく思いながら見る。
安倍川餅に、鞠子のとろろ汁おいしかったなあ・・・
よくよく目をこらしてみると広重「東海道五十三次之内 岡部 宇津の山之図」には十団子が小さく描かれている!
今は売られていない二川の柏餅、池鯉鮒のあたりの芋川うどん(きしめんの起源)、食べ損なってしまった桑名の蛤など、残念ながら食べずに終わったものもあるが・・・
水口のかんぴょうは先日、東京の滋賀のアンテナショップで買った食べたし、走井餅も京街道を歩いている際に食べたし!

楽しい浮世絵の展覧会でした。
是非どうぞ。

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