【画家が見たこども展】
art-19 【画家が見たこども展】 三菱一号館美術館
夏休み7日目は三菱一号館美術館へ。
行きそびれてしまった・・・と思ったら、会期が大幅に延長になったため、ラッキーなことに行けることになった。
【開館10周年記念 画家が見たこども展―ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン】とあるように、ナビ派の画家を中心としたこどもを描いた展覧会である。
プロローグ 「子ども」の誕生
スタートはモーリス・ブーテ・ド・モンヴェル「ブレのベルナールとロジェ」。なんとも不思議な絵。画家が二人の息子を描いているのだが、無表情かつカメラ目線という。
続いてカリエール2枚。あまり得意な画家ではないのだが・・・
「病める子ども」は幼くしてなくなった自身の子ども描いており、もの悲しい。
ゴッホ「マルセル・ルーランの肖像」。ゴッホがよく描いていた郵便配達人ルーランの娘を描いているのだが(一瞬男の子かと)、目くりくりで、ぷーっとしていてなかなかにインパクトあり。
1 路上の光景、散策する人々
ボナール「乳母たちの散歩、辻馬車の列」。屏風のように仕立ててあり、余白のとり方といい、日本的。輪転がしをする子どもたちが楽しそう!
版画集「パリ生活の小景より」などもやはり構図が日本の浮世絵的かな。
ヴュイヤール「赤いスカーフの子ども」。この構図も大胆。父親は肩から下、しかも左半身のみ。子どものスカーフの色がぱーんと目に入ってくる。
「乗り合い馬車」おそろいの服を着た姉妹?が並んで馬車から外を眺める姿がかわいい。
ヴァロットン版画は撮影可。
毒の多いヴァロットン、子どもの絵でもやはりシニカル。
いろいろな子どもの表情が楽しめるのは「可愛い天使たち」。キョンシーやら助清やら(笑)
「突風」の犬がかわいい。
2 都市の公園と家族の庭
大好きなドニ。「赤いエプロンドレスを着た子ども」。これかわいい~大きな点描でドレスや花が描かれている。ドニって点描で描いたりしてたんだっけ?ドレスが透けてる??
「雄鶏と少女」雄鶏の目つきが攻撃的だ。
マイヨールが何点か。彫刻家だとばかり思っていたけれど、若い頃は絵も描いていたんですね。人物、背景ともに穏やかなゴーギャンといったところ。
ヴュイヤール「公園にて、麦わら帽子」もよく見る光景。母親の表情がよく描かれている。ヴュイヤールもなかなかいいですね~
意外なのがヴォロットン「リュクサンブール公園」。版画と違って暖かみのある作風。
ミュラー「ピクニック」。色の置き方のせいなのか、なんか寒々しい絵で、楽しそうに見えないのだが・・・
3 家族の情景
ボナールが描いた子どもは甥っ子たちだったのですね。
「歌う子どもたち(シャルルとジャン・テラス)」お兄ちゃんがすごい巻き毛だな(笑)。暖かみのある作品。
今回一番気に入ったのが「子どもたちの昼食」猫がじーっと子どもたちを見ていてほほえましい。光の使い方もよい。マグネット購入。
リトグラフ「家族の情景」はちょっとデフォルメされていて滑稽。
そして、ドニ。やっぱりいいな~
子だくさんだったドニ、たくさん子ども(と奥さん)の絵を描いているのだが、どれも優しい。
子どもを抱いた奥さんの絵などは聖母子像のようだったりするが、「サクランボを持つノエル」の子どもの顔、いい表情なのだ。
好きなのは「子ども部屋」。ノエルの赤い洋服がビビッド。
またまたヴァロットンあり。「エトルタの四人の海水浴客」。新たな一面を見た感じ。
4 挿画と物語、写真
ナビ派の画家たちは、たくさん写真を撮っていたそうで、さすが!絵みたいな写真を撮るのだなと感心。
ボナールの学習本の挿絵がおもしろいけれど、子ども向けかなあ?
エピローグ 永遠の子ども時代
最後はボナールでしめくくり。
最晩年の絵が2枚。「雄牛と子ども」と「サーカスの馬」。いずれも幻想的で、シャガールのような雰囲気。
「イザベル・ルコント・ドゥ・ヌイ嬢」これ、気に入りました。
こういった視点の展覧会もいいですね。
是非どうぞ。
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