【#映える風景を探して 古代ローマから世紀末パリまで展】
art-10【#映える風景を探して 古代ローマから世紀末パリまで展】 町田市立国際版画美術館
久々に町田の版画美術館へ。
美術展に行くのも3月以来か・・・
ゴールデンウィークにたくさん行こうと思っていた展覧会があったのだが、結局行きそびれてしまった。
やっぱり行きたいと思ったらすぐに行っておかないとなあ・・・
映える風景・・・
ばえる、かと思ったら、この場合はえるなんですね。
16~19世紀の風景画の歴史・・・ローマやエジプトの古代遺跡から近代パリまでいろいろな風景画が楽しめる展覧会でした。
1. 版に刻まれる風景|版画が伝える土地のようす
ブリューゲル原画のエングレーヴィングからスタート。ブリューゲルの世界感そのままですね。実に細かい。エングレーヴィング(鋭い彫刻刀で彫る手法)は細かく描くのに適してるのだなと。
ルーベンス原画の作品もまた細かく鋭い線で、ルーベンスの描く絵よりエッジが効いている感じ。「野良の帰り」などいいですね。
レンブラントは自ら作成しているが、光とか空気の表し方が素晴らしい。
グランドツアーで人気が出たイタリアの風景画家カナレット。好きな風景画家だが、版画もとてもよいな~
ピラネージの「コロッセオ」をはじめとした作品はとても細密!
廃墟の画家ユベール・ロベールの版画は、おや?廃墟じゃないですね。
2. 研ぎ澄まされる風景|「絵になる景色」のつくりかた
クロード・ロラン。油彩画の展示もあったのだが、うーん、版画より油彩画の方がいいな~
ターナーもたくさんあった。
水彩画の作品「コニストンの荒地」。パッと見、これターナー?と思ったけれど、空の表現はまさにターナー。
ターナーはあまり得意な画家ではないのだが(特に後年の作品)、版画はなかなかよいじゃないですか!
ターナーらしさはもちろんあるのだけれど、あまりぼんやりしてないのがいいのかも?
同じイギリスの風景画家ではコンスタブルの方が好きなのだけど・・・コンスタブルは原画のみ担当・・・版画はターナーの方が好きだ。
ミレーの「耕す人」は、写実的。
ドービニーは、絵を描くための船ボタン号を題材とした版画集の展示。ちょっと楽しくなるような作品。
ドーミエはやっぱり風刺画だ。
3. 本のなかの風景|世界旅行と時間旅行
ナポレオンのエジプト遠征後にまとめられたエジプト誌。全23巻もあったのか!スフィンクスやピラミッド、神殿。とてもエキゾチックだ。
この頃刊行された、有名な挿絵本が「古きフランスのピトレスクでロマンティックな旅」。フランス各地にある古代遺跡や中世建築を記録しようとしたものである。こういう試みはいいですね。寺院の版画が素晴らしい。
気に入ったのが、ボイズの多色リトグラフ。ノートルダム、ルーアン、シャルトルなど。きれいだなあ。
4. 楽しむための風景|世紀末の版画、写真、視覚装置
ステレオスコープで見る絵や眼鏡絵。
遠近法もすごいデフォルメされていて、わかるんだけども、実際見てみたかったな。
腐蝕銅版画協会の作品群。
この中で気に入ったのが、マネやドガに版画を教えたブラックモンの「小鴨」。構図が浮世絵的ですね。
ピサロの銅版画もあったのだが・・・
油絵におけるきらびやかな色彩は版画では当然ながら再現されておらず・・・これは油彩の方がいいな。
ホイッスラーの構図も浮世絵的で、これは風情があるなあ。
常設展は町田の版画家門坂流の作品。
これもなかなかよかったです。
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