エルザ・マルポ『念入りに殺された男』
本日の本
book-9 『念入りに殺された男』 エルザ・マルポ著 ハヤカワミステリ
STORY:小説家への夢が破れ、今は家族で民宿を営むアレックス。有名な作家ペリエがお忍びで訪れるが、襲われたアレックスはペリエを殺してしまう・・・
☆☆☆フレンチ・ノワール。
これはなかなかの変化球ですね。
早い段階で主人公アレックスはペリエを殺してしまい、家族を置いてパリへ・・・
というと、スリリングな逃避行が描かれると思いきや、なんと、アレックスは、犯人に仕立て上げられそうな人物を探すのである。
ペリエは、周囲の人たちをモデルとして小説を書き、その結果、その人たちを傷つけ、時に人生をめちゃくちゃにしていまう悪い奴であり、犯人候補が出るわ出るわ・・・
とても今風なのだけど、メールやSNS、ネットで死んでいるのに生きていると見せかけることは意外に容易。
恐い世の中だな~
なかなかにブラックな展開で、アレックスの企みがほころびを見せ始める中、最後は・・・
決して後味がいいわけではないのだけれど、まあ落ち着き処としてはこういうのもありかと。
フランスミステリらしい小説でした。
« デラヴィル・ピノ・ノワール | トップページ | 甲州街道歩き(第9回) 勝沼宿~栗原宿~石和宿~甲府柳町宿1 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 恩田陸『象と耳鳴り』 (2025.02.07)
- エラリー・クイーン『Zの悲劇』 (2025.01.11)
- 乙一『ZOO 1』 (2024.12.07)
- クリスチアナ・ブランド『自宅にて急逝』 (2024.11.30)
- アレックス・マイクリーディーズ『ザ・メイデンズ ギリシャ悲劇の殺人』 (2024.10.27)
コメント