【江戸の天気展】
art-16【江戸の天気展】(後期) 太田記念美術館
前期は実際に美術館に行った展覧会だが、後期はちょっと時間がとれそうにないのでオンラインで見ることに。料金は同じ。お金を払えば無期限で見られるのがよいですね。
雨
広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」。広重で雨といえばこれと、東海道五十三次の庄野だろうか。広重の強い雨の表現はこれなんだなあ。
「東都名所 日本橋之白雨」。白雨とはにわか雨。足早に歩く人々が描かれる。富士山がぼやけて見える。
歌川国貞「 夕立景」。稲妻?が部屋の中にもくもくと入ってきているのがおもしろい。蚊帳の中の女性は雷嫌い?
溪斎英泉「原ノ駅」。そういえば英泉には東海道の宿場と女性を描くシリーズがあったっけ。着物をしぼる様子から今まで強い雨が降っていたのだなあと。
小林清親「柳原夜雨」。夜と雨、清親作品の最強アイテム!
大倉耕濤「大洪水之図」。明治に入ると江戸時代には題材とされなかった(してはいけなかった)災害を取り上げるようになったそうだ。写真のかわりかな?
晴れ
歌川貞秀「汐干狩の図」。晴れというカテゴリーでよいのか??潮干狩りって一大レジャーだったんですね。
溪斎英泉「木曽街道続ノ壱 日本橋雪之曙」。中山道の一枚目はこれか!朝日が大きい。
歌川広重「名所江戸百景 神田紺屋町」。日が昇る時の空の赤と、染め物のコントラストがよい。
歌川国貞「浮世十六むさし すゝきせんたくしても親にくハせる子」。主題より、背景に描かれる十六むさしというボードゲームが気になる・・・
溪斎英泉「木曽街道 倉賀野宿烏川之図」。中山道、早くここまで歩きたいなあ。
雪
葛飾北斎「冨嶽三十六景 礫川雪ノ旦」。雪の白と、空のベロ藍のコントラストが美しい。
歌川広重「東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪」。しんしんと降る雪が美しいのだけど、実際は蒲原は雪が降らないのよね・・・
葛飾北斎『富嶽百景』2編 雪の旦の不二。雪で作った富士山!ちょっと高すぎるけど。犬が楽しそうだ。
歌川豊国「雪見八景 ばんしやう」。室内の女性を描いているが、お膳の上に雪の兎が置かれていて外は雪なのだなあと。
歌川広景「江戸名所道戯尽 廿二 御蔵前の雪」。こちらは雪で作っただるま。魚を盗もうとしている犬がポイント!
夜の空
歌川国芳「四季遊観納凉乃ほたる」。ほたるはどこ?と思ったら、空にいた。白い線で動きが示されている。
歌川広景「江戸名所道戯尽 三十六 浅艸駒形堂」。星が大きい。餅つきが楽しそうだ。
夜明けと夕暮れ
歌川広重「名所江戸百景 日本橋江戸ばし」。これも昇るお日様の赤と空・川の青の対比。
歌川広重「冨士三十六景之内 両国夕陽の不二」。こちらは日が沈む頃。シルエットの富士山がいいなあ。
小林清親「川口善光寺雨晴」。この夕空は美しい。金色に光る雲と赤く写る川面。
さまざまな気象現象
歌川国芳「東都名所 するがたひ」。七色じゃないけれど虹なんですね。
河鍋暁斎「東海道名所之内 桑名蜃気楼」。桑名は蜃気楼の名所だったとか。当時は伝説上の生き物である蜃(しん・・・大ハマグリや龍とされていたらしい)が気を吐くさまと思われていたんですね。
歌川広重「国尽張交図会 駿河/伊豆/甲斐」。富士山に笠雲。笠雲が海側へ抜けると晴れて、山側へ抜けると雨になる・・・そうだ。
天気と装い
歌川広重「木曽海道六拾九次之内 五拾八 垂井」。蓑って雨を防げるのかな?
さまざまな雲と空
めずらしや亜欧堂田善の「大日本金龍山之図」。銅版画、細かい。
歌川国芳「東都名所 大森」。大森といえば海苔!収穫の様子が描かれる。雲が鳥に見えるなあ。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 甲州三嶌越」。木の大きさを測る人たちにしか目がいってなかったけれど、富士山のまわりの雲の表現がおもしろかったんですね。
歌川広重「江戸名所 霞かせき」。大和絵みたいなすやり霞の手法がとられていて、不思議な味わい。
小林清親「薩た之冨士」。これまたおもしろい雲。広重より下から描いている感じ?
物語のなかの天気
歌川広重「東海道五拾三次之内 大磯 虎ヶ雨」。今まで気にしてなかったけれど、曾我兄弟の兄の恋人虎御前の涙ということか!
他の見逃して展覧会もオンラインで見てみようかな。
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