ミケール・カッツ・クレフェルト『凍てつく街角』
本日の本
book-12 『凍てつく街角』 ミケール・カッツ・クレフェルト ハヤカワミステリ
STORY:妻を殺されて以来酒浸りの生活を送り、求職中のコペンハーゲン警察捜査官ラウン。友人に2年前から行方不明になっている女性を探してほしいと頼まれ、しぶしぶ引き受けるが・・・
☆☆☆デンマーク産ミステリ。
北欧ミステリブームはまだまだ続いてるんでしょうかね。
ワタクシも北欧ミステリは大好きでよく読むのだけれど、何しろ暗い・・・
このミステリーもしかり。
物語は、3つのパートに分かれる。
現在:酒浸りのラウンが絶望の中、友人の頼みを断り切れず、人捜しをするパート。
2年前:恋人に売られ、転落していくマーシャのパート。
30年前:父親の剥製作りに魅了され、次第にのめり込んでいく少年のパート。
現在のパートでは、自暴自棄になり、絶望から立ち直れない主人公ラウンが、気が進まないながら、人探しをするのだが、次第に勘を取り戻し、危険な目にあいながらも真相に迫っていく。
2年前のパートは、本当に悲惨で、読んでいてつらい・・・マフィアの手に落ちた移民女性がどうなるか。実際にあることなんでしょうね。悪い方へと転がりおちていくマーシャ。救いがなさすぎる・・・
そして、30年前のパートでは、剥製作りに魅せられた少年が次第に常軌を逸していく様子が描かれる。 不気味。
この3つのパートが少しずつ交錯し、一気に収束していく醍醐味。
後半は一気読みだった。
最後は希望がみえ、ちょっとホッとする。
ラウンと友人たちの友情もうれしく、次作も楽しみだ。
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