A・A・ミルン 『赤い館の秘密』
本日の本
book-11 『赤い館の秘密』 A・A・ミルン 創元推理文庫
STORY:夏の昼下がり、赤い館で銃声が。死んだのは15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた粗暴な兄ロバート。事務室で話をしていたはずのマークは行方不明。たまたま友人を訪ねてきたギリンガムは素人探偵として事件を調べ始めるが・・・
☆☆☆ミステリの古典。
作者はなんと!くまのプーさんの原作者ミルン。
プーさんは子供のために、このミステリは、ミステリ好きの父親のために書いたという。といっても、ミステリは1作しか書いてないんですね・・・ギリンガムシリーズとか書いてもよかったのに!
ワタクシが読んだのは数年前に出版された新訳版で、とても読みやすい。
ミステリとしてはとても古風で、シンプル。
正直、わりと早い段階で、トリックというか、こういうことじゃないかとわかってしまったのだけど・・・
何人もいた館のゲストは、あっという間に退場してしまい、容疑者が絞られてしまうのがシンプルすぎるというか、なんとなく筋書きが読めてきてしまいますよね。
いやでもこれ、とても読み心地がよいというか、のほほんとして、ユーモアもたっぷりのミステリなのだ。どことなくプーさん的というか・・・
殺人が起こっているのに、のんびり話は進んでいく。
素人探偵ギリンガムとワトソン役のベヴァリーのコンビがなんともほほえましいというか、二人とも好青年なんですね。探偵というのは、だいたい嫌みだったりエキセントリックだったりというのが多いのだけど、二人とも明朗快活、好感がもてるタイプでよろしいし、ちょっとした冒険的要素もあって楽しい。
最近は新しいミステリばかり読んでいたけれど、古典もたまにはよいな~
五十音順読書(ミステリー版)をはじめました。
これが記念すべき1冊目、題名が「あ」からはじまるミステリ。
未読で、できるだけ作家がかぶらないように読んでいこうという企画。ゴールはいつになることやら・・・
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