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2021/11/27

【ゴッホ展】

art-21【ゴッホ展】 東京都美術館

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先日、都美術館でゴッホ展をみてきました。
事前予約制のチケットとるの大変で(特に土日祝日は競争がはげしい)、ようやく祝日の午後4時のチケットを予約。
4時半の回もあったみたいだけど、4時でも見終わったのが閉館間際だったから、4時半だと結構駆け足になっちゃいそうです・・・

今回の展覧会の作品のほとんどはクレラー=ミュラー美術館からきたもの。
ヘレーネ・クレラー=ミュラーはゴッホがまだあまり評価されていない時代から蒐集した、世界最大の個人収集家で、90点以上の油彩と180点ほどの素描版画を入手している。

アムステルダムのファン・ゴッホ美術館は行ったが、クレラー=ミュラーはまだ行ったことがなく、とてもうれしい展覧会である。


1 芸術に魅せられて:ヘレーネ・クレラー=ミュラー、収集家、クレラー=ミュラー美術館の創立者
ヘレーネと、美術収集のアドバイザーだった美術評論家ブレマーの肖像画。ヘレーネ、意志の強そうな女性に見える。

2 ヘレーネの愛した芸術家たち:写実主義からキュビスムまで
ヘレーネが収集したのはゴッホだけではないんですね。
ゴッホ意外もすばらしいコレクションだ。
ハブリエル「それは遠くからやってきた」。ヘレーネがはじめて蒐集した作品。ハーグ派。牧歌的な風景なんだけれど、汽車がが向こうからやってきていて近代的な要素もある。
ファンタン=ラトゥール「静物(プリムローズ、洋梨、ザクロ)」。いいなあ、ラトゥール。
ルノワール「カフェにて」。女性がやっぱりルノワールだ。
スーラ「ポール =アン= ベッサンの日曜日」。点描だけれどそれとわからないくらいに細かい。
シニャック「ポルトリューの灯台、作品183」。シニャックの方が点が大きくて派手に見える。
トーロップもあったし、ヘレーネは点描画が好きだったのかな?
ルドン「キュクロプス」。ちょっと不気味。恐くはないけれど。
もっと不気味なのはアンソールの「キャベツのある静物」。一見普通の静物画かと思いきや、よくよく見ると恐い・・・
モンドリアン「グリッドのあるコンポジション5:菱形、色彩のコンポジション」。こんな淡い色のモンドリアンもあるんですねぇ。

3 ファン・ゴッホを収集する
3-1 素描家ファン・ゴッホ、オランダ時代
今までゴッホの素描画はあまり見たことがなかったが、これがなかなかよかった。
「風車」、「刈り込んだ柳のある道」、「砂地の木の根」など、風景画はきっちりデッサンしていて、精密。
人物画は意外とリアル。しわまでくっきり描かれている。
農民の姿を描いた作品群は、ミレーの影響がうかがえる。
あの「ジャガイモを食べる人々」のリトグラフもあった。


3-2 画家ファン・ゴッホ、オランダ時代
「麦わら帽子のある静物」。はじめての油彩画。オーソドックスな静物画。
「森のはずれ」。ヘレーネが購入した最初のゴッホ作品。いわゆるゴッホ的な絵でないので、これでゴッホに魅了されたのは不思議。
「女の顔」「白い帽子を被った女の顔」。見たら忘れられない顔の女性たち。こういう顔を好んで描いたらしい・・・ジャガイモを食べる人々の中にもいる顔だ。
「鳥の巣」。中に卵も雛もいない、ただの巣を描いているのがおもしろい。

3-3 画家ファン・ゴッホ、フランス時代
3-3-1 パリ
「草地」。印象派的な作品。
「レストランの内部」。点描画のよう。この色合いいいなあ。
「石膏像のある静物」。この色もいい。この時代は明るい作品が多い。

特別出品 ファン・ゴッホ美術館のファン・ゴッホ家コレクション:オランダにあるもう一つの素晴らしいコレクション
ファン・ゴッホ美術館からの出品。
「サント=マリー=ド=ラ=メールの海景」。荒々しいタッチで波が描かれる。
「黄色い家(通り)」。アルルのあの家。これが描かれた時は、ゴッホは希望に満ちていたのだよなあ・・・と思うとのどかな田舎の風景とは思えなくなるものだ。


3-3-2 アルル
ここからはああゴッホねという絵が続く。
「夕暮れの刈り込まれた柳」。なかなかに強烈な色。
「糸杉に囲まれた果樹園」。アーモンドの花の絵にテイストが似ている。
「レモンの籠と瓶」。なんかレモンがレモンに見えないような・・・
「種まく人」。青と黄色のコントラストが強烈。

3-3-3 サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ
この時代の絵は結構好きだったりする。
「サン=レミの療養院の庭」。療養院の庭を描いた絵はどれも好きで、これもいいなあ。この頃、少し心穏やかだったのではないだろうか。
「麦束のある月の出の風景」。このうねり!
「夕暮れの松の木」。浮世絵の影響を受けたと思われる構図だそうだ。
「善きサマリア人(ドラクロワによる)」。ドラクロワの絵がこんなになるのかという・・・
「夜のプロヴァンスの田舎道」。ポスターにもなっていて、マグネット購入。杉も空も道も家もうねっている。強烈な印象。これこそゴッホという感じ。

いやーいいコレクションでした。

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