【動物の絵展】(後期)
art-20【動物の絵展】(後期) 府中市美術館
府中市美術館の【動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり展】の後期展示に行って参りました。半券を持っていると後期は半額で入れます。
駐車場に入るのにも少々時間がかかったが、見終わって出てきたら入場制限をしていました・・・
大盛況。
後期展示のみは72点なので、感想は簡単に。
第1章 動物の命と心
涅槃図からスタート。鎌倉時代の涅槃図より室町時代の涅槃図の方が動物の数が増えている。
狩野永泰「放生図」。放生というのはインドの風習かと思っていたけれど、日本でもあるんですね。
小川芋銭「イモリ」。イモリというよりヤモリに見えるのだが・・・
気に入ったのは、松本泰時「蛙図」。禅画のような少ない筆数で描いた蛙がユーモラスだ。
西洋画のコーナーへ。
ゴーギャンの版画は前期も出ていたけれど、後期と入れ替わっていたんですね。
ゴーギャンより、ゴーギャンの影響を受けたと言われるゼーヴェルト「牧人」がよい。
伊藤若冲「河豚と蛙の相撲図」。これも好き。お互いにつるんとしていて相撲が取りづらそう!
第2章 いろいろな動物、いろいろな絵画
前期も出ていたジューヴの黒豹の絵、やっぱりいいなあ。豹って確かに、木の上でぐたーってしてることが多いかも。
ヤン・ヨンストンの版画を原画とする作品2点。
石川孟高「犀図」。うーん、犀というより、金属で出来たロボットみたいだ。司馬江漢のライオンもかなり変。
その点、上田公長、窪田雪鷹、谷文晁の2頭のヒトコブラクダを描いたものは結構リアルかも?オランダ船にのってやってきたラクダは全国をまわったのだそう。そういえば、中山道を歩いているときにラクダがきたという話を聞いたっけ。
応挙の「百兎図」。淡い色彩で描かれる兎たち、いろいろな格好をしている。子犬の絵に通じるものがあるかな。
はじめてみた北斎の「河豚と大根図」。河豚が意外とリアル。大根は毒消しとしてよく一緒に食べられたらしいのだけど、効くんですかね?
第3章 動物から広がるイメージ
筑陽「寿星図」。寿老人と一緒にいる鹿の目!まつげが全方向に向いていてしかも見開きすぎ?な目だ。
原在照「三猿図」はおもしろい。目と口を手で、耳を足で隠していて、1匹で三猿をあらわしているという・・・庚申の絵なんですね。
そして、鹿の競演!モローの一角獣に続いて「春日鹿曼荼羅図」と春日大社にある「鹿図屏風」。前者はよくよく見ると、下に奈良の鹿が見える。後者は、前面金箔で、今はだいぶ色が落ちてしまっているけれど、往時はさぞかしきらびやかだっただろうなあ。
第4章 愛おしいもの
歌川国芳「七婦久人・寿老人」。これシリーズものだと思うが、寿老人ではなくて、猫に袋をかぶせてその間に手紙を読む女性がポイント。猫は袋とか箱とか好きだよね。
長沢蘆雪「獅子の子落とし図」。なかなか厳しい絵なのだが、母獅子の目がなんともいえない。
伊年印「虎図」。丸すぎる虎!
夏目漱石「柿烏図」。やっぱり漱石は絵がうまくないよね・・・
そして家光!家光の絵、いつみても笑ってしまう。
木菟はまあまあだけれど、「鳳凰図」。いや鳳凰には見えないよ・・・しかも真ん中から描き始めて、しっぽつけたら妙に右に寄ってしまったんだろうか。いやでも楽しいね。
家綱の作品も一つあったけれど、テイストは家光そっくり!
最後は子犬のコーナー。とにかくかわいい!
仙厓の「双狗図」は何度か見たことがあるけれど、きゃんきゃんってホントに鳴く声が聞こえそう。
若冲のは、犬たちより箒とちりとりの方に目がいってしまう。
でもやっぱり、応挙と蘆雪だなあ。
子犬たちが固まっている様子がなんともいえない。
後期の作品では、応挙なら「雪中狗子図」、蘆雪なら「菊花子犬図」が好き。
前後期、とても充実した展覧会でした。
是非どうぞ。
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