【上村松園・松篁・淳之 三代展】
art-6【上村松園・松篁・淳之 三代展】 東京富士美術館
2020年2月末から開催され、コロナ感染拡大によりわずか2日間で会期が終わってしまった展覧会を再度開催すると聞いて行って参りました。
点数も結構あったので、見応えありました。
Ⅰ上村松園
建設期~模索期~大成期プラス下絵・画稿等から構成される。
若くして数々の賞を受賞し、世に認められた松園だが、妬まれ嫌がらせなども受け、一時精神的に落ち込んだ時期もあったという。
その頃の作品なのか、「花がたみ」はちょっと恐い絵だ。凶女の顔が・・・能面十寸髪を顔の参考にしたのだそう。
下絵だけ展示のあった「焔」も恐い絵だ。
その他は、優美で美しい美人画ばかり。「楊貴妃」などはちょっとなまめかしいけれど。
好きな作品は、「長夜」、「鼓の音」、「志んし」など。
どれもまた、着物の柄や色が素敵なんですね。それもまた綿密に計算されているのかな。
Ⅱ上村松篁
松篁は花鳥画を描いている。
特に一時は鳥を1000羽以上飼っていたとのことで、観察力はすごい。
「春園鳥語」などはいろいろな鳥が描かれていてにぎやかだ。
鶴を描いた「月明」など、とても神秘的で美しい。
鳥ではないが、「羊と遊ぶ」かわいい。ほのぼのとする絵だ。
Ⅲ上村敦之
敦之もまた花鳥画である。
父が飼っていた鳥の世話をして細かく観察していたという。
「雁金」は地を灰色として、月がぼんやりと照らす中を雁金が飛んでいる姿を描いて美しい。
灰色の背景の絵としては「晨」もあるが、ぼんやり描かれた足から水の中の鳥ということがわかる。静かな作品。
かと思うと、ピンクっぽい赤が基調の「秋映」や、他にもカラフルな作品もあり、結構幅があるなあと。
とても充実した展覧会でした。
是非どうぞ。
なお、常設展示と山本作兵衛展も見ました。
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