甲州街道歩き(第12回) 教来石宿~蔦木宿~青柳駅4
(3より続き)
塚平の一里塚。
北塚が残っており、榎である(47里目)。
道祖神と重修一里塚碑がある。これは昭和12年に諏訪中学校の教師と生徒が一里塚を補修したことを示したものだそうだ。
このあたりは950メートル。ずいぶんと上がってきた。
このあと道は突き当たる。中部電力発電所の土地なので通れず迂回、原の茶屋地区に出て進むと富士見公園があった。
明治44年、アララギ派の伊藤左千夫がこの風景に感激、公園を監修。
そして、富士見の地名は、下諏訪方面からの旅人が、この地に来て初めて富士を見ることに由来しているそうだが、富士山は見えなかったなあ。
園内にはいろいろな句碑がある。
芭蕉句碑。「眼にかゝる ときや殊更 五月不二」。
伊藤左千夫歌碑。
斎藤茂吉歌碑「高原に足を留めてまもらんか飛騨の境の雲潜む山」
など。
この公園は965メートルで、この日の一番高い場所だった。
少々休憩。
ふと見ると、スキーをしている人が見える。これは人口雪なんでしょうね。
富士見パノラマリゾートだが、4月3日で営業終了している。
原の茶屋公民館前に明治天皇駐驛之處碑。明治13年の巡幸の際、ここで休息した。
明治天皇御膳水碑。
旅館桔梗屋跡。
島木赤彦が、ここに下宿していた友人の富士見小学校校長を訪れたことをきっかけに伊藤左千夫、竹久夢二、斎藤茂吉、田山花袋などの多くの歌人、文人が訪れるようになり、ここ桔梗屋は、サロン的な役割を果たしたのだそうだ。
向かいにある金比羅常夜燈は文化8年(1811)。
下に歌碑のある灯籠。
百番供養塔、庚申塔、新しい双体道祖神など。
道は下っていく。
カゴメの工場を右に見て進む。
奉納念仏供養塔があり、「左甲州道」と刻まれている。
三崎三方功神。竈の守護神だそうだ。
石仏石塔群。
大量の馬頭観音群の後に、真那以址碑、一億百万遍供養塔など。
いや~ホントたくさんの馬頭観音を見たなあ。
欠けちゃった庚申塔、嘉永6年(1853)の筆塚碑、千庚申塔など。千って??
ヘアピン状に道を下り国道に合流。
枡形になっているのだが、御射山神戸村(みさやまこうど)は間の宿だったんですね。
小沢平吉先生生誕之地碑。
明治の政治家で、鉄道大臣在任中、それまで左書きだった駅名標を右書きに改め「国粋大臣」と呼ばれた人物。
冠木門のある立派な旧家があった。
神戸八幡社。
社殿とケヤキ。
社殿は宝暦12年(1762)建立、ケヤキは樹高30メートル、幹囲7.7メートル、樹齢400年。富士見町にある14本の大ケヤキのうち4本が境内にあるのだそう。
御柱(練習用)が置いてあった。今年はその年なんですね。
北の枡形跡を通り、馬頭観音のところ(だいぶ風化してしまっているが)で旧道へと入る。
道はまた上がっていく。
奉拝百番供養塔、馬頭観音、道祖神などの石仏石塔群。
意外に新しい馬頭観音も多い。
やがて一里塚が見えてきた。御射山神戸の一里塚である(48里目)。なかなか立派だ。
西塚(手前)はケヤキで樹齢400年、東塚は榎だったが明治30年に枯れてしまい、あらたにケヤキが植えられた。
八ヶ岳もだいぶ見え方が変わってきた。
青柳ゆるぎ石なるものがあった。触ると揺れたのだそう。
ゆるぎ石はJR中央線を越えた御狩野集落にもあって、夫婦石ともいわれ、毎日米一粒分づつ歩み寄るといわれているそう。江戸時代、甲州街道を行き来する旅人は、この石を金沢宿出入り口の目安とした・・・のだそうだ。もうすぐ金沢宿!
馬頭観音、道祖神、庚申塔などをいくつか見て街道歩き終了。
青柳駅へと向かう。
駅はうだつをモチーフにして作られているというが、なかなかにモダンだ。
17時34分の普通列車に乗り、富士見で乗り換え、18時1分のあずさに乗って立川着19時42分。
地元に戻って、ラーメンサラダ、鮭とオクラの塩麹あえ、つくね、かにシューマイ、ビール。
帰宅は9時半前だった。
約39900歩。
おみやげの信州限定じゃがですよ!とくるみ饅頭。
次回で甲州街道完歩予定です。
(完)
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