【メトロポリタン美術館展】
art-8【メトロポリタン美術館展】 国立新美術館
国立新美術館で開催中の【メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年】に行って参りました。
メトロポリタン美術館は現在照明設備の改修工事が行われており、今回素晴らしい絵画の数々が来日。点数は少なめだったけれど、とても充実した展覧会でした。
Ⅰ 信仰とルネサンス
フラ・アンジェリコ「キリストの磔刑」
この人の絵はザ・宗教画なのだけど、意外と色鮮やかだし、奥行きが感じられる。
カルロ・クリヴェッリ「聖母子」
めずらしくイエスがカメラ目線ではない聖母子像。背景に描かれている果物やへちま??が気になる。
ラファエロ「ゲッセマネの祈り」
あまりラファエロっぽくないなと思ったら若い頃の作品とのこと。
ピエロ・ディ・コジモ「狩りの場面」
異様な絵。画家は変人だったらしい(お湯がもったいないから卵をまとめて50個ゆでてご飯にしていたとか??)。ちょっと納得。
フィリッポ・リッピ「玉座の聖母子と二人の天使」
マリアの表情が暗いなあ。
クラーナハ(父)「パリスの審判」
いいな、クラーナハ。三美神がまさにクラーナハの裸婦!
エル・グレコ「羊飼いの礼拝」
光の表現がいいですね。
ティツィアーノ「ヴィーナスとアドニス」
これは人体表現が(ややムリがあるけど)さすが。
Ⅱ 絶対主義と啓蒙主義の時代
ルーベンス「聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者聖ヨハネ」
ドラマチックな構成。このルーベンスは好き。
ピーテル・クラース「髑髏と羽根ペンのある静物」
メメント・モリだろうか。
ムリーリョ「聖母子」
穏やかな聖母子像。ムリーリョの絵は癒やされる。
カラッチ「猫をからかう二人の子ども」
猫の怒った顔!そりゃザリガニ?を近づけられたら嫌だよね。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「女占い師」
ラ・トゥールというと夜の絵とともに風俗画もあり、「いかさま師」の系統ですね、この絵。金持ちのボンボンを瞞す悪い奴ら。冷たさを感じる絵である。
カラヴァッジョ「音楽家たち」
登場人物が中性的。自分がモデルなのかな?
プッサン「足の不自由な男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ」
これはまるで、ラファエロの「アテネの学堂」ですね。
フェルメール「信仰の寓意」
フェルメールの寓意画はめずらしい。晩年の作のようで。フェルメールらしくない感じもするが、床や、置かれた物などはそうかなと思う。
レンブラント「フローラ」
妻サスキアをモデルにした作品の方が好きかな。
ブーシェ、フラゴナール、ヴァトーはロココ趣味全開。優雅。
ル・ブランと同時代の女性画家、ヴィレールは、新発見。
「マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)」
外にいる人物たちは何者??不思議な構図だ。
Ⅲ 革命と人々のための芸術
ターナー「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」
ターナーがまだそんなにモヤモヤしていない頃の作品でなかなかよいですね。ヴェネツィアの絵は結構好きなの多いかも。
クールベ「漁船」。
これは打ち上げられて朽ちかけてる?題材の選び方がさすがだ。波の荒さはクールベならではのタッチ。
クールベ「水浴する若い女性」
リアリズムを追求したクールベらしく、女性をまったく美化していないという・・・注文者は満足したんだろうか。
ジェローム「ピュグマリオンとガラテア」
なんとも不可思議な、そして艶めかしいギリシャ神話を描いた作品。奥に描かれた叫んでる仮面?顔が気になる・・・
ドーミエ「三等客車」
オランダ時代のゴッホっぽい感じ。風刺画家だとばかり思っていたけれど、こういう作品もあるんですね。庶民の力強さを感じる絵。
マネ「剣を持つ少年」
ゴヤとベラスケスの影響をうけたマネだが、これはよりベラスケスに近いかも?
ルノワール2点はいかにもな作品。
ドガ「踊り子たち、ピンクと緑」
これはすごい色彩。緑が強すぎる・・・なんでもこの頃目を悪くしていたようだだが、自分に見えやすい濃い色で描くんだろうか。
モネ「睡蓮」
これも晩年の作品なので、色がすごいことに・・・
「木馬に乗るジャン・モネ」の方がいいなあ。
ゴッホ「花咲く果樹園」
アルルに移ったばかりの頃に描かれた絵だそうで、まだまだうねりも少なく、色彩も穏やか。
ゴーギャン「タヒチの風景」
タヒチに行ってからの作品だが、ポン=タヴァン派的。
セザンヌ「ガルダンヌ」
キュビズムのはしりだな~塗り残しが結構あってこれで完成でよいのだろうか?
セザンヌ「リンゴと洋ナシのある静物」
わりと整ったセザンヌ。りんごは腐っていないし、左右均等に配置されている。が、やはりテーブルや壁がゆがんでいてさすが!
これだけのよい作品が見られるメトロポリタン美術館展は最初にして最後かも??
是非どうぞ。
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