【鏑木清方展】
art-11【鏑木清方展】 東京国立近代美術館
連休最終日は近代美術館へ。
没後50年鏑木清方展である。
年代順ではなく、生活の絵、物語の絵、小さな絵とわけての展示。
第1章 生活をえがく
清方=美人画というイメージだけれど、意外と風俗画も描いているんですね。今回の展覧会では、庶民の生活を描いた絵が多数出展されていて、これらがなかなかよかった。
また季節のうつろいもよく描かれており、「初冬の雨」「温泉の秋」「雪つむ宵」など、季節がさりげなくわかる描き方なのである。
「露の干ぬ間」の露が美しいなあ。
清方は風景画も描いたようで、大磯の風景の絵などがあったけれど、風景画に関して言えば、もやっとした描き方で、人物の描き方と違うなと。
「明治風俗十二ヶ月」がとてもよかった。12ヶ月、それぞれの季節ごとに人々の生活が描かれている。
「鰯」も庶民の生活がいきいきと描かれる。
「墨田河舟遊」は裕福そうな武家の一行が描かれていると思えば、すいか売り、猿回し?投網をうつ舟など、いろいろな階層が描かれる。
清方は美人画だけじゃない!
とはいえ、もちろん美人画も素晴らしい。
「浜町河岸」「築地明石町」「新富町」の三部作はほれぼれとする。特に「築地明石町」のモダンさ!りんとした美しさ。
「讃春」は昭和天皇御即位記念に三菱財閥の岩崎家より献上された
ものというが、左隻、右隻が違っていておもしろい。右は双葉のセーラー服の女学生、左は水上生活者の母子。どちらも春の光景ではあるが題材のチョイスがおもしろいと思う。
第2章 物語をえがく
幽霊にぞくっとした後は、樋口一葉関連。
清方は一葉作品が大好きだったとかで、今回もその関連が2枚。
「たけくらべの美登利」はたけくれべの最後の場面、そして「一葉」は一葉を描いたもの。針仕事をする姿なのだが、凜とした姿で、一葉、確かにこんなイメージですね。
歌舞伎の関する作品も多数。
情感豊かに描かれた作品が多い。
第3章 小さくえがく
小品もまたよいですね。
「夏の生活」「金沢絵日記」は家族で避暑のため訪れた金沢での生活を描いた作品集でほのぼの感あり。
大佛次郎が創刊した雑誌「苦楽」の表紙絵もいいですね。こういう表紙だったら、ジャケ買いしちゃいそう!
残念ながら東京での展覧会は8日で終了です。
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