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2022/05/04

【スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち展】

art-9【スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち展】 東京都美術館

2205041

都美術館で開催が始まったスコットランド国立美術館展に行ってまいりました。
上野駅に降り立つと、人、人、人でびっくりしましたが、美術館は(混んではいたけれど)思ったほどではありませんでした。

プロローグ ー スコットランド国立美術館
美術館やエディンバラ城を描いた作品からスタート。
エディンバラを訪れた際、この美術館にも行ったのが、夕方だったので駆け足になってしまったのが残念である・・・

1 ルネサンス
習作が並ぶ。うーん、多少水増し感が・・・
しかし、さすがラファエロの「魚の聖母」のための習作はいいですね。優美だ。
ダ・ヴィンチの師ヴェロッキオ(帰属)の「幼児キリストを礼拝する聖母」もいい。背景が廃墟のようでちょっとおもしろい。
ヴェロネーゼ「守護聖人聖アントニウスと跪く寄進者」は堂々たる作品だ。
ボルドーネ「化粧するヴェネツィア女性たち」。真ん中に描かれている女性はマグダラのマリアでしょうね。
エル・グレコ「祝福するキリスト」。この色遣い、グレコですね。

2 バロック
エルスハイマー「聖ステパノの石打ち」。非常に緻密で小さな絵。こうした画風だったので遅筆で、また若くして亡くなったため、現存する作品は40ほどという。
ベラスケス「卵を料理する老婆」。
この展覧会で一番気に入った作品。18,9歳の時の作品だそうだが、すごい技量だな~この質感!ホントにリアルだ。
ヤン・ステーン「村の結婚式」。この人の作品としては陽気さが足りないような?
レンブラント「ベッドの中の女性」。旧約聖書のトビト記に出てくるトビトの子トビアの妻が描かれているというが・・・なんかもっと企みがありそうな女性に見える。これもまた奥さんがモデルなのかな?
ルーベンス「頭部習作(聖アンブロジウス」。コントラストがさすがだ。

3 グランド・ツアーの時代
ロココの作品が続く。
この中で気に入ったのがブーシェ「田園の情景」の3枚。優雅。若干退廃感もあるけれど・・・
レノルズ「ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち」。三美神になぞらえて描かれる伯爵家の三姉妹。これぞ貴族という感じ。ただおもしろみはあまりないかな・・・髪がすごいけど。
モーランドの「勤勉さのもたらす快適さ」「惰性のもたらす惨めさ」。対となる作品だが、画家は大酒飲みで借金を抱え、刑務所にも入ったり、最後はアル中でなくなるという、後者だったようだ。

4 19世紀の開拓者たち
スコットランドの画家の作品が並んでいた。
一番気に入ったのはグラント「アン・エミリー・ソフィア・グラント("デイジー"・グラント)、ウィリアム・マーカム夫人(1836-1880)」。画家の次女を描いた作品だというが、なかなか上品な出来である。
詩人で画家のウィリアム・ブレイクの作品「石板に十戒を記す神」。ブレイクらしく不思議な絵。ルドン的だけど、もっと難しいような・・・
マーティン「マクベス」。劇的な画。
コンスタブル「テダムの谷」とターナー「トンブリッジ・ソマー・ヒル」が並ぶ。ワタクシはコンスタブルの方が好きなのだけど、これはターナーの方が気に入った。きちんと描かれたフツーの?ターナーだ。
ダイス「悲しみの人」。これはどう見てもイエスだよね?
ランドシーア「荒野の地代集金日」。これはよくわからない・・・左の方に描かれているのが集金人なんだろうか?しかし、みな伏せてるし、向こうを望遠鏡で見てるし・・・
ミレイ「「古来比類なき甘美な瞳」」。子供をモデルにした作品が多いミレイ。この子をモデルとした作品は何点かあるらしい。
コロー2点。暗さと明るさを重ねて、まさにコロー。
モリゾ「庭にいる女性と子ども」。ささっと描いた感じ。
ブーダン「トゥールヴィルの浜辺」。小さな作品だけれど、やはり空の画家だなあ。
モネ「エプト川沿いのポプラ並木」。水面に映る木々と空、雲を描きたかったんだろうなあ。
ヴィヤール2点。もちろん?室内の情景画なのだけど、二人のお針子を描いた絵は、一人がどこにいるのかわからず・・・
ドガ「踊り子たちの一団」。先週も緑の絵を見たところだが、これも緑が特徴的だ。
ゴーガン「三人のタヒチ人」。ゴーガンはそれほど好きな画家というわけではないのだが、これはちょっと好き。

エピローグ
アメリカの風景画家チャーチの作品「アメリカ側から見たナイアガラの滝」。アメリカで成功をおさめたスコットランド出身の実業家が寄贈した絵とのこと。大迫力の滝の絵だった。

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結構好きな作品もあった展覧会。
是非どうぞ。

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