アレン・エスケンス『償いの雪が降る』
本日の本
book-10 『償いの雪が降る』 アレン・エスケンス著 創元推理文庫
STORY:大学の授業で年長者の伝記を書くことになったジョーは、三十数年前の少女暴行殺人事件の犯人として服役していたが末期がんのため仮釈放され、最後の時を介護施設で過ごすカールを紹介される。話を聞くうち、えん罪だと確信したジョーは真相を探ろうとするが・・・
☆☆☆☆バリー賞などを受賞した著者のデビュー作。
苦学して大学に入ったジョーは、身近に年長者がいなかったため、紹介されて殺人犯カールのインタビューをすることになるのだが、あたりさわりなく伝記を書こうとしたところ、思いがけず、カールの人生にどっぷりつかることになる。
カールのつらい過去と対峙するうちに、ジョーは封印していた自分のつらい過去を思い出す。
カールの事件を掘り起こす一方、家族のトラブルに悩まされ・・・
アル中で男にだらしない母親、自閉症の弟・・・
絶望的な環境から脱するべく、大学に入ったジョーだが、断ち切ることができず、もがく毎日。
しかし、カールとの関わりがジョーを変えていく。
ジョーとカールの癒やしの物語で、最後には大感動が待っているのだ。
ミステリー的には、わりと早い段階で犯人の推測がつくのだけれど、それも気にならない。
ジョーがあまりに無謀すぎるのでハラハラするけれど、なんか応援したくなってしまうのですね。
大学を卒業したジョーの続編も翻訳されているので、是非読まねば。
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