日本美術をひも解く展】
art-21【日本美術をひも解く展】 東京藝術大学大学美術館
藝大美術館で開催されていた【日本美術をひも解く展】に行って参りました。
この展覧会は、皇室に伝えられた品々を収蔵する宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の名品に藝大のコレクションを加えたもの。
三の丸尚蔵館は今まで一回しか行ったことがなく、このコレクションを見られるのはワタクシ的には貴重な機会。これは行かねばと思っていたのだけど、いろいろあって、結局閉幕間際の訪問となった。
序章 美の玉手箱を開けましょう
まずは「菊蒔絵螺鈿棚」がお出迎え。
会場内はかなり暗いのだが、だからこそ、螺鈿が浮かびあがって見えてくる。
法隆寺関係では模型がなかなかよいが(模型好き)、拓本もなかなか貴重である。
1章 文字からはじまる日本の美
正直なところ、書はまったくわからないので、感想は書けない・・・
おお、これはきれいな字だなとか、個性的だなという感想のみである。
2章 人と物語の共演
俵屋宗達「扇面散屏風」。きらびやか。平時物語が描かれているらしい。
高階隆兼「春日権現験記絵」、「蒙古襲来絵詞」は国宝。両方とも細かく描かれてますね。
個人的には気に入った絵巻は
「酒伝童子絵巻」。ちょっとユーモラス。
尾形光琳筆「西行物語絵巻」。物語がすーっと入ってくる感じ。
岩佐又兵衛「をくり(小栗判官絵巻)」。ビビッド。結構強烈だ。
「太平楽置物」。これが彫金とは驚き。
石川光明「古代鷹狩置物」。細かく表現されてるなあ。
3章 生き物わくわく
後期展示のハイライト伊藤若冲「動植綵絵」。
今回は、30幅のうちの10幅がきている。2016年の若冲展で30幅すべてを見ているのだが、圧倒されたというか・・・ちょっとおなかがいっぱいになってしまった。緻密な描写はすごいのだけれど、色彩が鮮やかすぎるというか・・・10幅でもなかなかだ。
若冲といえば鶏だけれど、一番好きなのは「池辺群虫図」。いったい何種類の生物が描かれているのか(60種類以上らしい)。ずっと見ていても飽きない。
そして、高橋由一「鮭」。うーん、やっぱりいいなあ。
谷文晁「虎図」。かわいい虎。
星野蝉水「月に亀図」。ちょっと浦島太郎を連想するのだが、なんかいいなあこれ。
西村五雲「秋茄子」。これいいなあ。かわいらしい狐たち。
高村光雲「鹿置物」。雄鹿のりりしさと雌鹿のやさしさがいい対比。
安藤綠山「柿置物」。びっくりのリアルさ。
沼田一雅「牛と童」。ほのぼの。
4章 風景に心を寄せる
横山大観「飛泉」。遠くから見ると一瞬写真のようにも見えた。墨で描かれたモノクロームの絵なのだが、くっきり描かれていて迫力がある。
五姓田義松「ナイアガラ景図」。西洋画なのだけど、日本画のようでもある。
高橋由一「栗子山隧道」。この絵は初めて見たかも。崩落により今は使われていない米沢と福島の境にあるトンネルの完成図。重厚な絵。
濤川惣助「七宝寰宇無双図額」。無線の七宝。なんかぼやーっとした感じ。
ラストは並河靖之「七宝四季花鳥図花瓶」。なんと細かく美しいのだろう。ため息が出る美しさ。
よい展覧会でした。
(すでに終了しています。)
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