【日本の中のマネ展】
art-23【日本の中のマネ展】 練馬区立美術館
マネが日本でどのように受容されていったか、日本にどれくらいマネの作品があるか、マネを現代のアーティストがどう考えるか・・・
というマネづくしの展覧会に行って参りました。
最終日だったので、少々混んでいましたね。
第1章 クールベと印象派のはざまで
まずは、マネに影響を与えた画家、同時代の画家、マネが影響を与えた画家たちの作品。
マネが日本で初めて紹介されたときは印象派とされていたそうだけれど・・・マネって印象派展には一度も出品はしていないのだ。
クールベ、セザンヌ、ピサロ、シスレー、モネ、ルノワール、ドガ。この中ではシスレーとモネが好き。クールベも迫力があって素晴らしい。
すべて日本にある作品だけれど、カサットの絵は見るのがはじめてかも?
第2章 日本所在のマネ作品
日本にあるマネの油彩、パステル画はたった17点だそうだ。そんなに少ないのか・・・
その中の10点の展示があった(あとは、版画多数)。
「スペインの舞踏家」、「サラマンカの学生たち」、「杖をもつ男」は、スペインの影響が大きい作品。ベラスケスの影響ですね。
版画作品にもそうした作品が多く、結構見応えあり。今まで版画はあまり見たことがなかったかも?
肖像画の「イザベル・ルモニエ嬢の肖像」。わりとラフな感じ。
「散歩(ガンピー夫人)」は、印象がベルト・モリゾ。どうやらモデルはモリゾの親戚とか。
一番、今回気に入ったのは「白菊の図」。ジャポニズムの影響大の扇絵。
版画作品では、エドガー・アラン・ポーの「大鴉」の挿絵がよい。雰囲気にあってるなと。
第3章 日本におけるマネ受容
マネの影響を受けた日本の画家たちの作品の展示。
石井柏亭「草上の小憩」。これはヌードじゃないけれど、草上の昼食だ!描き方は印象派だけど。
村山槐多の「日曜の遊び」。一瞬、これはセザンヌの影響かと思ったけれど、奥の人たちは草上の昼食だ。
でも安井曾太郎「水浴裸婦」は、セザンヌとルノワールっぽいなあ。
熊岡美彦「裸体」はオランピアの影響・・・というけれど、向き違うしなあ。
むしろ片岡銀蔵「融和」の方がオランピアだと思う。ゴーギャンぽくもある。
小磯良平「斉唱」は人物の描き方がマネっぽい。
第4章 現代のマネ解釈 - 森村泰昌と福田美蘭
しかし、最終章で全部もって行かれた感じ。
森村泰昌は、「笛を吹く少年」、「フォリー=ベルジェールのバー」、「オランピア」のパロディ。なりきりぶりがすごいなといつも思う。ついつい笑ってしまう。
が、今回一番すごかったのは福田美蘭だ。
「帽子を被った男性から見た草上の二人」。その視点から描くとこうなるのか~と。描き方もまるでマネだ。
新作も8点あった。
草上の昼食で「一富士二鷹三茄子」を無理矢理見つけてみたり・・・
マネがやったように絵を切断してみたり・・・
「ミュージアムショップのマネ」は、都内の美術館でマネのグッズを集めたけれど、あまりなくて、隅に寄せて描いたら余白が大きいという・・・なんか悲しい絵だ。
そして「LEGO Flower Bouquet」。マネの「花瓶の苔バラ」をモチーフにしているのだが、マネがサロンに出品することにこだわったことも真似て日展に出品したという・・・結局落選して、最後にまた展示されたわけですが。
いやー、おもしろい。
おもしろい視点の展覧会でした。
(すでに展覧会は終了しています。)
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