【鉄道と美術の150年展】
art-3【鉄道と美術の150年展】 東京ステーションギャラリー
東京ステーションギャラリーで開催されている鉄道と美術の150年展に行ってまいりました。
ステーションギャラリーらしい展覧会ですね。
鉄道が描かれた絵を展示する展覧会かなと思っていたのだが、いろいろな切り口から構成されたおもしろい展覧会でした。
鉄道開業からはじまり現代まで。
広重や芳年などのカラフルな浮世絵の中で、ぱっと目を引くのは勝海舟の墨絵。単純な線で描かれた蒸気車だけれど、意外とうまいですね。絵も描いたのか!
小林清親は数点。光線画いいですね。「高輪牛町朧月景」も「新橋ステンション」も好きな作品。富士十二景ははじめて見たかも?「駿州さった峠下トンネル」。昔はあの下を鉄道が通ってたんでしょうかね。
川口月村「岩手県鉄道沿線名勝図巻」。日本初の私鉄会社が1891年に上野・青森間を開通させた。沿線の風景45枚からなる図巻のようで、これ全部見てみたいなあ。
都路華香「汽車図巻」。なんと100人以上も描かれているのだが、一等車の乗客と三等車の乗客の違いなどリアル。
赤松麟作「夜汽車」。これまたいろいろな人物が描かれる。みかんの皮まで!
川上涼花「鉄路」。大塚の陸橋からの鉄路だが、印象派のよう。
長谷川利行が数点。「田端変電所」も「汽車車庫」も荒々しいタッチだ。
松本竣介もあった。「駅の裏」。暗い絵でらしい感じ。
鈴木亜夫「ターンテーブル」。人力で動かしてたんですかね。こういう鉄道画もありだなあ。
榎倉省吾「転轍機」も似たテイスト。こういう絵好きかも。
不染鉄「山海図絵(伊豆の追憶)」。この俯瞰図はすごいなあ。不染鉄展に行きそびれたのが悔やまれる。
佐藤哲三「赤帽平山氏」。ゴッホかセザンヌかといったところ。赤帽さももういないですね。
岩佐保夫「踏切を守る母子」。こんなキツい仕事もかつてはあったのですね。
伊藤研之「家」。すれすれのところを通る電車。都電らしいけれど、リスボンか江ノ電のようだ。
木村荘八「新宿駅」。昭和10年当時らしいが、どこなんだろう。
戦後。
伊藤善「東京駅(爆撃後)」。空襲で建物がなくなった様子と通勤客。復興はまだといった感じ。
山下清「弥生軒の弁当掛け紙」。この掛け紙だったら買うな~
長野重一の写真は通勤地獄の中央線など。おそろしや・・・
富山治夫の写真も。
大野源二郎「別れのホーム」は集団就職の写真。
山本作兵衛「舟頭と陸蒸気(コロタイプ複製)」。昨年この人の展覧会を見て感心したのだった。うまへたなんだけれど、訴えかけるものがある。
中村宏「ブーツと汽車」。シュールレアリスム的。
香月康男「煙」、「バイカル」。シベリアシリーズ。抽象画のよう。とても重い絵だ。
稗田一穂「雨晴海岸」。拉致事件の現場となった場所なんだそうだ。そういう意図で描いた絵ではないと思われるが。
立石大河亞「香春岳対サント・ビクトワール山」。なんかにぎやかしい作品だが、サント・ビクトワールってこんな山だっけ?
とても気に入ったのが、柳幸典「トーキョー・ダイアグラム H'6」。地下鉄の路線が線であらわされているのだけど、平成6年当時だから、現在もまた描いてほしいな。
鉄道の歴史、風俗、戦争などいろいろな視点で集められて美術の数々。とても充実しています。
明日で終了ですが、是非どうぞ。
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