横山秀夫『ノースライト』
本日の本
book-2 『ノースライト』 横山秀夫著 新潮文庫
STORY:青瀬が設計した信濃追分の家。施主一家は一脚の古い椅子を残して消えてしまった。青瀬は行方を追うが・・・
☆☆☆初横山秀夫である。
なんとなく食わず嫌いで読んでいなかったが、中山道歩きで高崎の達磨寺に寄り、ブルーノ・タウトの家を久々に見て、ブルーノ・タウトが登場するこの本を読んでみようと思ったのだ。
確かにミステリーではある。
主人公に是非建てて欲しいと言われて建てた家の施主が忽然と姿を消してしまい、行方を追う話と、主人公が所属する小さな建築事務所が参加することになったコンペの行方・・・
主人公の生い立ちや、離婚した妻や子との関係などを絡ませながら物語が進行していく。
そういうことだったのかという結末。悲しい物語がいくつも重なった末の結末。
謎は解きあかされるわけだけど、どちらかというと、主人公や主人公を囲む人々の再生の物語として読んだ。
ブルーノ・タウトの椅子も重要な役割を果たしていて、もうちょっとタウトのことが知りたいなあと思ったのだった。
さすがうまいなあ。ちょっと技巧的かなとは思ったけれど。
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