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2023/03/25

【エゴン・シーレ展】

art-7【エゴン・シーレ展】 東京都美術館

2303251

東京都美術館で開催されているエゴン・シーレ展に行って参りました。
世界有数のシーレコレクションをもつ、ウィーンのレオポルド美術館の作品を中心とした展覧会。
ウィーンに旅行に行った際、訪れているのだが、シーレの他、クリムト、ココシュカなど相当な点数があり、とても充実していた。

第1章 エゴン・シーレ ウィーンが生んだ若き天才 
10代のシーレの作品からスタート。
はじめは、やはりというべきか正統派の作品で、うまい。
なんと16歳でウィーン芸術アカデミーに合格しているのである。

第2章 ウィーン1900 グスタフ・クリムトとリングシュトラーセ
クリムト数点。え?これがクリムトと思うフツーの絵もあったりする。
カール・モルの木版画が3点あったがこれがなかなかよろしい。浮世絵版画の影響?石畳など細かい摺りだ。

第3章 ウィーン分離派の結成
分離派展のポスターが並ぶ。凝ったデザインでどれもおしゃれ。
ここでシーレが2点。
「装飾的な背景の前に置かれた様式化された花」。遠くから見たら何が描かれているかわからなかったのだが・・・これはクリムトの影響が明らかですね。背景が金と銀。
「菊」は和風だ。

第4章 クリムトとウィーンの風景画
カール・モルの風景画2点。この人、ノーチェックだったけれど、なかなかよいなあ。
クリムトの風景画は「シェーンブルン庭園風景」。ウィーンの風景を描いたクリムト唯一の絵。池の映り込みの表現など、モネの絵を連想させる。
エッガー=リンツの「昼食(スープ、ヴァージョンⅡ)」にも注目。同じテーマでたくさん描いているそうなのだが、農民の厳しい暮らしが垣間見える。

第5章 コロマン・モーザー 万能の芸術家
モーザーといえば、市松模様の椅子のイメージなのだが、今回はなんといっても「キンセンカ」。なんと鮮やかな!
これ好き。
「山脈」(このシンプルさがいいね)、「雲の習作」などは、ホドラーっぽい。

第6章 リヒャルト・ゲルストル 表現主義の先駆者
今回初めて知ったのは、ゲルストルが、シェーベルクの妻と恋に落ちたものの、結局ふられて、25歳で自殺してしまったということ。
ということを知って、「半裸の自画像」を見ると痛々しいというか・・・キリストになぞらえているんでしょうかね。

第7章 エゴン・シーレ アイデンティティーの探求 
ここからはシーレが続く。「抒情詩人(自画像)」。なかなかに強烈。
「自分を見つめる人II(死と男)」。後ろは死に神?ぞっとする絵。
「ほおずきの実のある自画像」。ちょっと生意気そうで、挑発的にも見える。でも顔色悪くも見える・・・ほおずきとの対比が印象的だ。
「背を向けて立つ裸体の男」。ゴツゴツとした体がすごい。

第8章 エゴン・シーレ 女性像
「悲しみの女」は恋人のワリーを描いているけれど、ホントに悲しそう。その後シーレから捨てられることになることを思うとさらに悲しい。
「母と子」。子供のびっくり目!何が見えているのだろう。

第9章 エゴン・シーレ 風景画
風景画が意外によかった。このコーナーのみ撮影可能。

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「吹き荒れる風の中の秋の木(冬の木)」は寒々しい絵。題名を見なかったら何が描かれているか一瞬わからない。

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「ドナウ河畔の街シュタインII」。平面的。

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「モルダウ河畔のクルマウ(小さな街IV)」。これいいですね。幾何学的な風景画。

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シーレのデッサン力がいかんなく発揮されているのが「荷造り部屋」だ。

第10章 オスカー・ココシュカ “野生の王” 
続いてココシュカのコーナー。
それまでそれほどココシュカが好きなわけではなかったのだけれど、レオポルド美術館でたくさんみてちょっと好きになったのだった。
今回は少しだけなのが残念。
ポスターはよかったですが。

第11章 エゴン・シーレと新芸術集団の仲間たち
このコーナーはちょっと印象が薄いですね。
シーレの「アルトゥール・レスラーの肖像」はゴツゴツした感じが印象的。

第12章 ウィーンのサロン文化とパトロン
シーレにはパトロンがたくさんいたようで・・・この時代に評価されていたというのはすごいですね。
「カール・グリュンヴァルトの肖像」。兵役時の上官でのちのパトロン。力強さがあって好き。背景に溶け込みそう・・・

第13章 エゴン・シーレ 裸体 
これこそイメージするシーレ!
なんてねじれてるんだろう・・・モデルさんも大変だっただろうな。
シーレってスキャンダラスなイメージもあって、こういう絵ばかりかしらと思うとそうでもないんですけれど・・・
エロティックではあるけれど、どちらかというと、これはいったいどうねじれてるんだろうと考えてしまう。

第14章 エゴン・シーレ 新たな表現、早すぎる死
「縞模様のドレスを着て座るエーディト・シーレ」。妻を描いた作品だけれど、妻だからかなのか、おとなしめに描かれている。
それに対して「横たわる女」は奔放!こちらの方がシーレのイメージだ。
ここにきてクリムトのスケッチがあったが、クリムトがおとなしく見えてしまう・・・
「第49回ウィーン分離派展」はシーレが作成したポスターだが、亡くなったクリムトの席があいているなど、終わりを感じさせる・・・実際、この年にシーレも亡くなってしまうわけだが。
ラストはシーレ「しゃがむ二人の女」。未完成だそうだが、一瞬ゴーギャンを連想。意外ともうねじれはない。なんとなく作風が転換していきそうな絵だったが、このあとも生きていたらどんなになったのだろう。

シーレは必ずしも得意な画家じゃないのだけれど、やっぱり見てよかったなあ。

是非どうぞ。

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