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2023/03/27

【江戸絵画お絵かき教室展】

art-8【江戸絵画お絵かき教室展】 府中市美術館

2303271

府中市美術館、春の恒例企画、春の江戸絵画まつり。
なんともう20回目になるそう。

今回は江戸絵画お絵かき教室という展覧会。
描くということ着目した展覧会というのはめずらしいかも?

1 四大テーマに挑戦
オープニングは長沢蘆雪「唐子遊図屏風」。みんな楽しそうだ。筆で顔に落書きされちゃった子供も。
(1)動物を描く
長沢蘆雪は動物画を多く描いているが、中でも雀はよく描いたそう。
ささっと描いたように見えるけれど、表情豊かだ。
そして円山応挙の狗子図いろいろ。丸っこいフォルムと、うるうる目、愛らしい動作。かわいいな~
酒井抱祝の「群狗喜嬉図」はなんか現代的だなと思ったら、大正期の作品なんですね。
さっと描きの森周峰、森狙仙の「鹿図」も味わいがあるけれど、蓑虫山人の「月下群雁図」がおもしろい。スプーンみたいな雁!
ポスターにあった猫の絵は見たことないかもと思ったけれど、鍬形蕙斎の「鳥獣略画式」の中にあったんですね。北斎も参考にしたという教則本で楽しい。

(2)人を描く
長沢蘆雪「布袋図」。布袋と書いていなかったらわからないほど、らしくない布袋さん。
伊藤若冲「寒山拾得図」。妙にかわいらしい寒山拾得だ

(3)景色を描く
淵上旭江「真景図帖」。青緑山水画で色が結構強烈。
曽我蕭白「叡山図」。やっぱり奇抜。
司馬江漢「相州江之島児淵図」。洋風画っぽくない作品も当然あるわけですね。描かれた人物は中国風。富士山の手前に烏帽子岩が見えるのがうれしい。

2 画材・技法・表具
今回はこういう説明があって勉強になりますね。
墨でもいろいろあるんだなあと。
ワタクシ、若冲だと墨一色の画の方が好きだったりする。
「松鶴図」、「叭々鳥図」(これは表具の紹介のところにあり)。
若冲(とその弟子たち)の技法、筋目描き、なるほど、こういう技法かとよくわかったのが「花鳥魚図押絵貼屛風」だ。
魚、鳥の羽、太鼓まで。
裏彩色ははじめて知った。絹だと裏側からも色を塗ることができて、片側だけでは表せない色が出せるということらしい。

3 江戸時代の画家はどうやって学んだのか?
(1)中国に学ぶ
土佐光起「鶉図」。羽が細かいですね。すごい!

(2)雪舟に学ぶ
雪舟等楊「倣夏珪山水図」はながらく行方不明になっていた作品らしい。やっぱり輪郭線がくっきりですね。
確かに江戸絵画でも見る描き方だ。

(3)応挙に学ぶ
応挙の「楚蓮香図」に並んで展示されているのは同じ題材で描かれた長沢蘆雪と円山応震(応挙の孫)の作品。うーん、やっぱり応挙の画が一番繊細な気がする・・・

(4)粉本に学ぶ、粉本を作る
長谷川一派の粉本の展示。
こういうの見るのもスケッチブックっぽくて楽しい。

(5)オランダ本に学ぶ
ヤン・ラウケン「人間の職業」を参考に司馬江漢が描いたのが「皮工図」「泥炭堀図」。これ、他にもシリーズであるのかな?是非見てみたい。

4 江戸絵画はヒントの宝庫
応挙のかわいい虎のあとは・・・

(1)国芳に劇画を学ぶ
(2)空を描く
(3)全部を描かない
(4)少ない色でカラフルに見せる
(5)塗り残して表す
(6)ぽつねんと描く
(7)見たままを描かなくてよい
(8)お手本はいらない

国芳といえば猫だけどそれだけじゃない。
劇画タッチの画は大迫力。
国芳にも東都名所シリーズがあったのか。

長沢蘆雪「象背戯童図」。構図のおもしろさ。まさか、こんなに象の背中が長いわけはないよね。童も小さすぎるし。
浮田一「蛙に落花図」もおもしろい。蛙が2匹ちょこんと描かれていて、余白が多すぎると思ったのだけど、よくよく見ると、花びらが描かれているんですね。

最後に与謝蕪村「田楽茶屋図屏風」。自由でのびのびとした絵で、ゆるいのがよい。

楽しい展覧会でした。
後期も行こう。

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