【江戸絵画お絵かき教室展】(後期)
art-8【江戸絵画お絵かき教室展】(後期) 府中市美術館
府中市美術館、春の恒例企画、春の江戸絵画まつりの【江戸絵画お絵かき教室展】(後期)に行って参りました。
作品大幅入れ替えで、後期も楽しめます。前後期通しての作品もあるので、感想は簡単に。
1 四大テーマに挑戦
「唐子遊図屏風」(前期もあり)。でスタート。
(1)動物を描く
長沢蘆雪の雀。
「躑躅群雀図」。雀は淡い感じで描かれ、躑躅との対比がよい。
蘆雪は雀の頭を平らに描いたそうで、「群雀図」は特に平らだ。雀ってこんなに平らじゃないよね?
円山応挙の狗子図は、ホントにかわいい!うるっとした目もかわいいけれど、ぷにっとしたお尻も!
弟子の蘆雪の狗子図は、目がきりっとしていて、ちょっと漫画チックだ。「亀図」はささっと描いているようだけど、顔がいぬみたいだ。
河鍋暁斎「狼図」。切り取り方がおもしろいけれど、狼にしては足が長いような?
(2)人を描く
八田古秀「飲中八仙図」。ぐでんぐでんだったり、ねこけてたり。ユーモラス。
円山応挙「漁夫・樵夫図」。特に漁夫が応挙自身に似てる??
(3)花を描く
牡丹は江戸時代によく描かれた題材ということで牡丹の絵が並んでいた。
一番気になったのは壮紫石「蝦蟇仙人・牡丹図」。左右の牡丹は正統派の画なのだけれど、蝦蟇仙人はおかしみのある絵。
2 画材・技法・表具
谷文晁「金碧山水図」。色がすごいですね。青がとてもビビッド。「天台垂瀑図」。こちらは色ではなくて描き方が特徴的。
好きなのは浦上玉堂「清渓釣舟図」。牧歌的だ。
「葦原図屏風」。いやもう金、金、金でまぶしい。
菅井梅関「蛸図」。これはおもしろい。
鈴木其一「猫図」。かわいい!
鈴木守一「紅葉図」。葉っぱがそれぞれ違う色で描かれ、せみの抜け殻も。たらし込みの技法。鈴木其一の子なんですね。
与謝蕪村「胡瓜図」。ちょっと太すぎるきゅうり!
3 江戸時代の画家はどうやって学んだのか?
(1)中国に学ぶ
伝徽宗「狗子図」。徽宗が絵を??犬の毛がとても細かく描かれている。
めずらしや猿の森狙仙「双狗図」は中国の絵が手本なんですね。
(2)雪舟に学ぶ
司馬江漢「駿州矢部富士図」。司馬江漢のこういう絵はあまり見ないですね。富士山はちょっと不思議な形だ。
(3)応挙に学ぶ
応挙の2枚の「鯉図」。さすが、うまい。本当に動いているよう。
岸駒「鯉図」。うーん、反転しているけれどそっくりですね。リスペクト作品。
長沢蘆雪はちょっとひねりを入れてきているし、やはりちょっと漫画チックだったりする。
(4)粉本に学ぶ、粉本を作る
灯籠や常夜燈のスケッチは、前期もあったかな?
(5)オランダ本に学ぶ
ヤン・ヨンストン「動物図鑑」を参考に描いた司馬江漢の「ライオン図」。やっぱりこれはライオンではないよね・・・
4 江戸絵画はヒントの宝庫
(1)国芳に劇画を学ぶ
(2)空を描く
(3)全部を描かない
(4)少ない色でカラフルに見せる
(5)塗り残して表す
(6)ぽつねんと描く
(7)見たままを描かなくてよい
(8)お手本はいらない
国芳の劇画調。迫力なんだけれど、たくさん見るとおなかいっぱいになりそうだ。
「東都御伯川岸之図」のような絵の方が好きかも・・・
お隣の司馬江漢の「七里ヶ浜図」は空が美しい絵。なんとなくブーダンを連想した。
前期は蘆雪「象背戯童図」の構図がおもしろいと思ったが、同じく蘆雪「富士見西行図」がまたおもしろい。西行がありえないくらいに首を曲げて上を見上げていて、富士山がすごーい上の方に描かれているという・・・
月岡雪鼎「里芋図」のはみで方もおもしろい。
住吉弘定「百鬼夜行図巻」。少ない色でカラフルに見せるというカテゴリーだったけれど、確かに数色しか使っておらず、濃淡でカラフルに見えるわけだけど、それより妖怪が楽しい!
蘆雪「鶏親子図」は塗り残しが効果的なのでしょう。
「狗児図扇面」は、ラッコだね、確かに。
池大雅「河豚図」。なぜ皮だけ描いたんだろう?
最近、毎年見るような気がする家光の「兎図」は、何度見ても変な絵だ。なぜその角度で描いたのか?兎の顔がおっさんだし(笑)。
今年も楽しい展覧会でした。
来年も行こう。
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