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2023/05/08

【ブルターニュの光と風展】

art-13【ブルターニュの光と風展】SOMMPO美術館

前日に続いてブルターニュをテーマとした展覧会へ。
SOMPO美術館のブルターニュの光と風展である。
同時期にブルターニュの展覧会が開催されているのはまったくの偶然だそうだが、まとめて見られるのはありがたいし、より理解が深まってよいですね。

西洋美術館の展覧会がほぼ国内にある作品で構成されていたのに対し、こちらはブルターニュの西端にあるカンペール美術館のコレクションで構成される。

第1章:ブルターニュの風景 ― 豊饒な海と大地
サロンで活躍した画家たちの絵の紹介。異国情緒と郷愁に誘われて多くの画家がブルターニュを旅行した。
知らない画家ばかりだったが、とても充実している。

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テオドール・ギュダン「ベル=イル沿岸の暴風雨」。荒々しい海の上に神々しい光が。神秘的。

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ギュ「さらば!」。ポスターにもなっている絵。はじめ、抱きかかえられているのは女性かと思ったのだが男性で、船の転覆で息絶えた息子を父親が抱えている絵なのだそう。この後、息子は海へと帰っていくのだろうか。

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デイロール「鯖漁」。お仕事絵ということになろうが、こういう絵好きだな。

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ギユ「コンカルノーの鰯加⼯場で働く娘たち」。加工場で働く若い女性たちに鰯を差し出す若者。色調も明るく若さが感じられる絵。このあたりも木靴履いてたんですね。

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ヴェルニエ「コンカルノーのブルターニュの引き馬」。ゴツゴツした岩と波以上に黒い雲が印象的。

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ランシェ「干潮のドゥアルヌネ湾」。おもしろい岩。空が美しい。

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セジェ「プルケルムール渓谷、アレー山地」。このあたり花崗岩が広がってるんですね(ブラタモリ的興味)。

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ヴィラール「ブルターニュの室内風景」。ブルターニュを描いた絵で、農家の内部を描いた風俗画は珍しいそう。

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ルルー「ブルターニュの婚礼」。風俗画を描いた画家とのこと。結婚式の楽しさが伝わってくる。

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フィシェ「ブルターニュの理髪師」。当時理髪師はあまりいなくて、農夫が日曜やお祭りの日に腕をふるったとのこと。ひげそりより後ろでシードルを飲む人が気になる・・・

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レヴィ=デュルメール「パンマールの聖母」。イコン的ではあるけれど、なんかこう顔はめみたいに見えてしまう。不思議な絵だ。

第2章:ブルターニュに集う芸術家たち ― 印象派からナビ派へ
この賞は前日見た展覧会とかぶるかな。でも、いい作品がいろいろある。
ブーダン。前日もそうだったが、いわゆるブーダンと聞いて想像するような絵ではない。

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「ノルマンディーの風景」は美しい田園風景。こういうのもいいなあ。

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びっくりしたのは、モネ「ルエルの眺め」がこの作品と同じところを描いたのではないかと思うくらいそっくりなこと(ちょっと木が違う?)。印象派になる前のモネだ。

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ゴーギャン(この展覧会ではゴーガンでなくゴーギャン)「ブルターニュの子供」。アルル後の作品かな。鮮やかな色調と黒い輪郭線へとなっていく途中という感じだ。

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ベルナール「水瓶を持つブルターニュの女性」「りんごの採り入れ」。挿絵のような感じもあって好き。ジンコグラフって普通のリトグラフとちょっと味わいが違いますね。
セリュジェも何点か。赤が特徴的。

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「水瓶を持つブルターニュの若い女性」。ポスター的。浮世絵の影響とか。
気に入った作品は「青い背景のりんご」。どちらかというとセザンヌに近い?カラフルだけど。

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「さようなら、ゴーギャン」。ゴーギャンは意気揚々とタヒチへ、セリュジェは落ち込んでいるように見える・・・

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モレ「ポン=タヴァンの風景」。のんびりした風景。

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「ブルターニュの風景」はピンクの道がきれい。

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ドニが2点。「小舟の中のブルターニュ女性」はのちの親子像につながる絵だ。

第3章:新たな眼差し ― 多様な表現の探求
印象派以降の絵。

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リュス「岩の多い海岸」。色が鮮やか。この色の配列はいいなあ。

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マルタン「ブルターニュの海」。モネにも近いが、大きな点描か。

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ビュイゴドー「藁ぶき屋根の家のある風景」。いいなあこの色合い。

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ジュールダン「嵐の後」の色彩もなかなかだけど、ビュイゴドーの方が好き。

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スレヴィンスキーの静物画2点。黒い輪郭線がアクセント。
前日覚えたばかりのバンド・ノワールの画家たちの作品もある。

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コッテ「嵐から逃げる漁師たち」「海」。バンド・ノワールの中では一番くらい色調。テーマがテーマだからか、寒々しい感じだ。
シモンの方が明るい絵を描きますね。

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「じゃがいもの収穫」は働く人々の力強さが感じられる。

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ドーシェはやはり!松の木の絵だった。「ラニュロンの松の木」。リヴィエールの作品に関心があったとのことだが、たしかに!版画作品でこういう感じのあった・・・
レオナールの「ビグダンの祭り」「ブルターニュの市場」は俯瞰図的に描かれているけれど、女性たちの描き方が独特。

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ブレ「コンカルノーの港」2点は、厚塗りで力強く港で働く人々が描かれ、エネルギギッシュな絵となっている。

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同じくブレの「ブルターニュの少女」「ブルターニュの女性」はトレイスム(格子状技法)というめずらしい技法で描かれている。おもしろいけれど、描くのは結構大変だったそうで、すぐにこの技法はやめてしまったとか・・・

2つのブルターニュの展覧会、堪能しました。
こちらも是非どうぞ。

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