【ルーヴル美術館展】
art-10 【ルーヴル美術館展】 国立新美術館
連休初日。
国立新美術館で開催中のルーヴル美術館展に行ってまいりました。
ルーヴル美術館展はしょっちゅうやってるイメージだけど、今回のテーマは「愛」。
いろいろな愛の絵がきている。
プロローグ 愛の発明
愛と言えば、エロス=キューピッド=アモル。
ということで、ブーシェの「アモルの標的」からスタート。アモルたちが険しい顔つきをしているように見えるのは気のせいだろうか・・・
アダムとエバはよく描かれるテーマだが、愛というテーマに入るのかな?夫婦、家族の愛?
Ⅰ 愛の神のもとに - 古代神話における欲望を描く
Ⅰ-1欲情 - 愛の眼差し
ヴァトー「ニンフとサテュロス」。雅びな宴の画家のヴァトーにもこうした歴史画(神話画)があったんですね。サテュロスがいたずらっぽい笑いを浮かべている。
ルイ=ジャン=フランソワ・ラグルネ「眠るアモルを見つめるプシュケ」。見てはいけないと言われたのに、ランプの火でアモルの姿を見てしまったプシュケ。この後プシュケに降りかかる難題とは・・・やはり神話の知識は必要ですね。
この絵とともにポンパドール夫人の寝室に飾られていたという「ウルカヌスに驚かされるマルスとヴィーナス」。妻ヴィーナスと軍神マルスが抱擁している場面に踏み込んでしまったウルカヌス・・・というのが飾られていた場所を思うと意味深。
Ⅰ-2暴力と魔力
意中の女性を連れ去ろうとする男性・・・パン、ケンタウロスなど。こうした劇的な場面を描くというのは、筋肉の動きとか体の躍動を描くための手段だったのかも。
ミニャールの「パンとシュリンクス」はやや劇画調で、おもしろい。葦に変身しようとしているシュリンクスだけど、葦には見えないような?隅でアモルが(愛の)炎を消そうとしていたりと寓意に満ちた作品。
ドメニキーノ「リナルドとアルミーダ」。魔女アルミーダの魔法にかけられ、濃いに落ちてしまった十字軍の王子リナルド。リナルドのとろんとした表情。いつ魔法はとけるやら・・・
Ⅰ-3死が二人を分かつまで - 恋人たちの結末
ブーシェ「プシュケとアモルの結婚」。めでたしめでたしだけど、ヴィーナスだけは気に入らなくてそっぽを向くという・・・
16世紀後半にヴェネツィアで活躍した画家「アドニスの死」。イノシシに殺された美少年アドニスの死を知って気絶するヴィーナス。ドラマティックな絵だ。
ブラメール「ピュラモスとティスベの遺骸を発見した両親たち」。ロミオとジュリエットの原型となる物語がローマ神話にあったんですね。
Ⅰ-4愛の勝利
アモルの絵のコーナー。
シュウールのアモルの誕生から成長するまでの連作がおもしろい。
Ⅱ キリスト教の神のもとに
Ⅱ-1「ローマの慈愛」からキリスト教の慈愛へ
シャルル・メラン「《ローマの慈愛》、または《キモンとペロ》」。死刑を宣告された獄中の父にひそかに母乳を与える娘・・・というのは有名な古代ローマのお話だけれど、微妙な気持ちになるなあ。
隣にあったのがスパーダ「放蕩息子の帰還」。これも苦手な主題だ・・・
Ⅱ-2孝心・親子愛 - 聖家族にみる模範
これも愛というテーマなんですかねぇ。
サッソフェラート「眠る幼子イエス」。単に美しいなあと思う。母の愛だろうか。
聖家族の絵など、宗教画という範疇でいいのでは・・・
Ⅱ-3犠牲に至る愛 - キリストの犠牲と聖人の殉教
ロッシの「聖アガタの殉教」はまさに切られようとしているところを描かれていてつらい・・・
ヌヴォローネ「聖女の殉教」。この聖女は誰なんだろう?
Ⅱ-4法悦に至る神への愛 - マグダラのマリアの官能的・精神的な愛
マグダラのマリアもよく描かれる主題。改悛の場面を描いた絵なので、それほど官能的な場面じゃないと思うけど・・・
Ⅲ 人間のもとに - 誘惑の時代
Ⅲ-1室内と酒場 - オランダ絵画における愛の悦びと駆け引き
現実世界の人間の愛へと移る。
このパートは風俗画ですね。
スウェールツ「若者と取り持ち女」。はじらうような表情の若者と、百戦錬磨の取り持ち女の取り合わせがおもしろい。
テニールス(子)「内緒話の盗み聞き」。上からカップルの会話を盗み聞きする老婆。気づかないカップル・・・というおかしみ。
ホストラーテン「部屋履き」。一瞬、ハンマースホイのような絵かと思ったのだけど、脱ぎ捨てられた部屋履き、ささったままの鍵など、意味深だ。
Ⅲ-2優雅な牧歌的恋愛 - フランス流の誘惑のゲーム
ランクレ、パテル、フラゴナール・・・ロココですね~
優雅なんだけど、どこか退廃的な雰囲気も漂う。
Ⅲ-3エロティシズム - 《かんぬき》をめぐって
この展覧会の目玉、フラゴナール「かんぬき」。解釈はいろいろとありそうだけど・・・ただならぬ雰囲気。愛ではない気がするんだけど・・・
ブーシェ「褐色の髪のオダリスク」。エロティックですねぇ。顔に比してお尻が大きいような・・・
Ⅲ-4夫婦の幸福の演出
ゲインズバラ「庭園での語らい」。
このカテゴリーの絵なのかな?男性は熱心に話しかけているけれど、女性は違う方を見て、早く行ってくれないかしらと思っているように見えるのだけど。
Ⅲ-5結婚の絆か、愛の絆か?
ボティニエ「イタリアの婚姻契約」。いろいろな人物が交錯して面白い。男性はじっと婚約者を見つめ、女性は目を伏せている。娘の手を握る母親の後ろには、召使いに目がいく父親、そしてその召使いは何かをにらんでいる・・・
Ⅳ 19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇
この部屋は撮影OKでした。
Ⅳ-1アモルとプシュケ
フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」または「アモルの最初のキスを受けるプシュケ」。そっとキスするプシュケと、アモルの存在に気づいていないかのようなプシュケ。初々しい。ハッピーな絵だけれど、この後いろいろな試練が・・・この絵は今回イチオシ。
Ⅳ-2ロマン主義における男性の情熱
トリオゾン「エンデュミオンの眠り」。セレーネーの願い通りゼウスに永遠の眠りにつかされたエンデュミオン。美しいけれど悲しい。
ロード=マリー・デュビュッフ「アポロンとキュパリッソス」。まぶしい!
Ⅳ-3死に至る愛
アリ・シェフェール 「ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊」。夫の弟と恋に落ち、夫に殺されて地獄をさまよう二人。なんとも悲しい絵なのだけど、ダンテたちの目が冷たい・・・
シャセリオーは2作あったけれど、あまり印象に残らず・・・
ラストはドラクロワ「アビドスの花嫁」。やっぱりドラクロワはドラマチックに描くなあ。
是非どうぞ。
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