【スペインのイメージ展
art-18【スペインのイメージ展】 国立西洋美術館
「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」展に言ってきました。
スペインに関わる版画制作の史的展開というおもしろい企画。
0.
ドレの「シエスタ、スペインの思い出」からスタート。
エキゾチックな絵。
1.黄金世紀への照射:ドン・キホーテとベラスケス
1-i. 『ドン・キホーテ』
スペインの文学といったらドン・キホーテ。
滑稽なお話のような風刺小説のようなで、絵としてもいろいろと描かれている。
ドーミエの作品。シルエットがまさにドン・キホーテとサンチョ・パンサ。
リスカーノの作品だとちょっと勇ましい感じ。
ダリはやっぱりクセありますね(撮影不可)。
1-ii. ベラスケス
ベラスケスの作品に基づいてゴヤやマネが制作した作品などの紹介。
同じ題材をゴヤとマネが描いた作品も並んでいたけれど、ゴヤの方が細かいかな。
フェリペ4世も!(マネ)犬がちょっと怖い・・・
同じくマネのマルゲリータ王女は似てない気がする。
2.スペインの「発見」
2-i. 旅行者の見たスペイン
スペインは遠い国だったが、やがてスペインへの旅行が盛んとなり、興味が一気に盛り上がったようだ。
ただ、はじめはよくわからないので、こんなイメージとか・・
風景画はなかなかよい。
これもエキゾチックな風景だったんでしょうかね。
2-ii. 人物タイプ
マハがまず注目される。ひだ飾りのついたスカートをはいた女性である。
ゴヤの作品。
続いてジプシーも注目される。
マネの作品。
舞踏も。フラメンコは確かにスペインのイメージとしてある。
クールベ「もの思うジプシー女」クールベのこうした題材はめずらしいかも?
ロートレックのポスターはどれもエキゾチック。
うってかわってソローリャの「水飲み壺」は明るい光が差し込むほっとする絵だ。
2-iii. ゴヤの影響:ドラクロワ、マネ
ゴヤの「ロス・カプリーチョス」が何点もある。これ、全点見てみたいなあ。皮肉っぽいもの、怖いもの、風刺・・・当時見た人たちはびっくりしたことでしょうね。
ドラクロワのリスペクト作品もあり、ん?マネはベルト・モリゾを描いたもの?隣にベルト・モリゾの作品もあった。なんで?と思ったけれど、ゴヤ風の女性像ってことみたい・・・
ゴヤの「戦争の惨禍」シリーズ、重々しいシリーズなのだが、並べての展示はマネの戦争を描いた作品だった。
3.闘牛、生と死の祭典
ゴヤとピカソなど。
ゴヤは若干残酷性もあり。
ピカソはいかにもなピカソ作品もあったけれど(ミノタウロスはよく描いているし)、シンプルな筆遣いの作品群が気に入った。
4.19世紀カタルーニャにおける革新
4-i. フォルトゥーニ
カタルーニャ生まれの画家。ゴッホからも高く評価されたそう。
非常に表現が細かい。
4-ii. バルセロナからパリへ:世紀末の光と影
パリへと旅発った芸術家たち。
四匹の猫という芸術カフェにつどったという。
カザスの描いたロゴがおしゃれ!
カザスが手がけたポスター。ロートレックの影響を受けている。
ピカソが何点か。
「貧しき食事」いいですねぇ。
「リュイス・アレマニの肖像」。はじめて見たけれど、青の時代でこれもいいなあ。
5.ゴヤを超えて:スペイン20世紀美術の水脈を探る
5-i. 「エスパーニャ・ネグラ」(黒きスペイン)
ゴヤを源流とする流れだが、この言葉ははじめて聞いた。これがなかなかよかった。
まずはゴヤ。風刺がきいている。
これこそネグラと言える作品かな。ゾラーナの「宗教行列」
一番気に入ったのは同じくゾラーナの「アスファルト作業員」。力強い。
5-ii. 叫びと抵抗:20世紀スペインにおける政治と美術
ゴヤの「戦争の惨禍」シリーズ。悲惨な場面を包み隠さず描いている。黒い絵に通ずるものがある。
ピカソの「フランコの夢と嘘」風刺が効いていておもしろいけれど、これはフランコには嫌われただろうなあ。
ミロもそうだけれど、骨のある画家たちである。
6.日本とスペイン:20 世紀スペイン版画の受容
この章は撮影不可。
20世紀の版画が並んでいて、名前を知らない画家も多かったけれど、ジョアン・エルナンデス・ピジュアンの作品がスタイリッシュでよかったと思う。
是非どうぞ。
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