【永遠の都ローマ展】
art-28 【永遠の都ローマ展】 東京都美術館
東京都美術館で開催されている永遠の都ローマ展に行って参りました。
当初は2021年に開催予定だったのが、コロナで中止。ようやく開催された展覧会。
カピトリーノ美術館の所蔵品を中心とした展覧会である。
この広場までは行ったのだけど、中には入らなかったのが残念に思っていたので、うれしい。
この美術館は、1734年にローマ教皇クレメンス12世により一般公開の始まった美術館で、一般公開された最古の美術館の一つ。
1:ローマ建国神話の創造
「カピトリーノの牝狼(複製)」からスタート。ローマ建国といえばこれですね。ローマの創建者、双子のロムルスとレムスは、テヴェレ川に捨てられたが、牝狼により乳を与えられ育てられるという伝承である。硬貨にもあり、エッチングもあり、このエピソード満載。
「イリアスの石板」いやー細かいですね。拡大して見たかったな。
「ティベリウス・クラウディウス・ファウェンティヌスの祭壇、通称カザーリ家の祭壇(複製)」
ヴィーナスとマルスの密通、パリスの審判、トロイア戦争の戦闘場面、ヘクトルの遺体を見せしめにする勝者アキレス、ヘクトル葬列、双子ロムルスとレムスの誕生物語が4面に描かれる。ギリシャ神話が中心で、これまた細かい。
2:古代ローマ帝国の栄光
古代ローマの皇帝などの彫刻など。
ちょっとショックだったのは、カエサル。こんな人だったのかな、ホントは。猿みたい・・・
アウグストゥス帝やトラヤヌス帝は賢帝という雰囲気だけれど、カラカラ帝(これは前にも見たことがあるかな)は凶暴そうな面構え。
女性の像は髪型がおもしろくて、特に「女性の胸像」は頭が蜂の巣みたいという・・・
「老女像」は今まで巫女や泣き女、またトロイア王の妻と言われてきたのが、今では単なる老婆だとされているらしい。顔のしわや体の垂れ下がり具合、薄くなってしまった体といった表現がすごくリアルだ。
リアルといえば、女性像は髪がリアルで、後れ毛なんかまで再現されている。
そして、コンスタンティヌス帝の頭、手、足の大きいこと!大迫力である。権威を示したんだろうか。
顔を見ての素直な感想は、スタローンみたいということだったのだけど笑
今回の目玉、「カピトリーノのヴィーナス」。優美ですねぇ。ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツイ美術館)と並ぶ古代ヴィーナスなのだそう。
3:美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想
この広場はミケランジェロの設計だったとか。
ということでトスカーナの画家による「ミケランジェロ・ブオナローティの肖像画」もきていた。カピトリーノ美術館所蔵だったんですね。偏屈な人という雰囲気がよく出ていると思う。
モザイクが2点。いずれも目がぎょろっとしていることに注目してしまう。
「河神」神が持っているものはなんだろう?と思ったら、どうやらヘラクレスにおられた角で果物や財宝を無尽蔵に生み出すものらしい。
4:絵画館コレクション
おや、カラヴァッジョ?かなと思ったら、派の作品だったのが「メロンを持つ若者」。光の描写がカラヴァッジョですね。どうでもいいけれど、持ってるがメロンには見えない・・・
ティントレット「キリストの鞭打ち」ティントレットってドラマチックですねえ。
グイド・レーニ「ルクレティア」悲しげな表情、はかなげ。
ダルピーノ「狩人としての女神ディアナ」凜とした表情の女神。犬が気になる・・・
コルトーナ「教皇ウルバヌス8世の肖像」バルベリーニ宮殿の、教皇の栄光を称えた天井画、見てみたいなあ。
5:芸術の都ローマへの憧れ─空想と現実のあわい
トラヤヌス帝記念柱に関する展示。30メートルもあるはしらで、大きいなあとみるだけだったけれど、彫刻、結構細かいんですね。ピラネージのエッチング、じっくり見ていたら時間がかかりました・・・
石膏複製2つは唯一撮影可能。
コルヴィ「ロムルスとレムスの発見(ピーテル・パウル・ルーベンスに基づく)」この主題、この展覧会で多かったですね。寓意に満ちた作品。
カピトリーノ美術館所蔵の彫刻アモルとプシュケに基づく、マイセンの陶器がかわいい!
ローマの歴史が楽しめる展覧会。是非どうぞ。
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