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2023/11/05

【生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ】

art-26 【生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ】 東京国立近代美術館

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近代美術館で開催中の棟方志功展に行って参りました。
棟方志功に大きな影響を与えた三カ所、青森、東京、富山をたどる大規模な回顧展である。

プロローグ:出発地・青森

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八甲田山山麓図からスタート。
ゴッホを目指した志功だが、これはかなりセザンヌ風だ。

第1章:東京の青森人
志功は油彩画家を志し、上京するが、ほどなく木版画をはじめる。
「星座の花嫁」。川上澄生風とあったが、常設展で作品を見たら、本当にそうだった。ちょっと洋風な感じで、まだまだ作風が固まっていない。
「大和し美し」の連作。その後の志功を決定づけたとも言える作品だろうか。絵と文字のコラボレーション。この作品が柳宗悦の目にとまり、民藝運動との関わりができる。

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「華厳譜」がおもしろい。風神雷神、不動明王他、なんかとてもユーモラスだ。

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「東北経鬼門譜」は10メートル近い屏風版画で百二十枚もの版木をつかって制作されているとのこと。なかなかダイナミックなのだが、ちょっとずれが気になる・・・
「善知鳥版画巻」は能の演目を題材としたものだが、黒が印象的だ。

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しかし、なんといってもハイライトは「二菩薩釈迦十大弟子」。これは大好きな作品。いろいろな表情の弟子たち、何回見ても飽きない。
「門舞男女神人頌」は古事記に登場する神々を描く。これもよい。

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「幾利壽當頌耶蘇十二使徒屏風」。60年ぶりの公開とか。縦型の屏風というのがおもしろい。まったく十二使徒に見えないというのもおもしろい。

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「基督の柵」もうーん、これイエス?さすが志功である。

第2章:暮らし・信仰・風土ー富山・福光

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「華厳松」は疎開先、福光の躅飛山光徳寺の襖絵。いやはやダイナミックすぎて、松というのがわからないくらい。

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裏を見てびっくり!!幾何学的なイナズマとちょっとかわいらしい花が描かれている。このギャップ!

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「女人観世音版画柵」は岡本かの子の詩に絵をつけたものだが、雰囲気によくあっていると思う。

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「鐘溪頌」はこれぞ志功という感じ。くねった体と、刺青のような模様。
「運命頌」「歓喜頌」はベートーベンをテーマとしているが、すごいな。

第3章:東京/青森の国際人

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これもお気に入りの「いろはに版画柵」。民藝っぽい。

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「流離抄」。短歌を題材としているが、裏彩色がきれいだ。
「鍵版画柵」は谷崎潤一郎の小説『鍵』の挿絵だが、志功と谷崎は親和性がありますね。

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「弁財天妃の柵」。切手、持ってた!

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青森県庁に飾られていた「花矢の柵」。渋谷駅の岡本太郎的な感じだろうか。公共施設に飾るのにぴったりな気がする。

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知事室に飾られていたという「鷺畷の柵」は地味だけだけれど、全体的に青森を感じるることができる絵なのだろう。

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東海道棟方版画が楽しかった。現代の東海道ですね。
ゴッホになりたかった志功はゴッホの墓を訪れている。そして、ゴッホのひまわり風な花も描いているのだった。

棟方志功のデザイン
本の挿絵、表紙絵をたくさん手がけている他、お店の包み紙なども多く手がけている。
残念!十万石まんじゅうの包装紙はなかった・・・
ショップでは亀井堂本家の瓦煎餅を売っていて、結構買っている人がいましたね。

第4章:生き続けるムナカタ・イメージ
棟方志功のイメージというと、分厚い瓶底丸眼鏡をかけて、顔を版木にぎりぎりまで近づけて一心不乱に彫る姿・・・

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自画像を結構描いていて、版画も味があってよいけれど、油絵の作品がとても雰囲気が出ているなと。

見応えのある展覧会でした。
是非どうぞ。

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