山手線一周(第4回) 渋谷駅~新宿駅2
(1より続き)
裏道を通って太田記念美術館へ。
art-32 【深掘り! 浮世絵の見方展】
第1章 深掘り!グレート・ウェーブ
グレートウェーブといえば、北斎の富嶽三十六景・神奈川沖浪裏ということで、その前後の波を描いた絵の数々。神奈川沖浪裏は、波が怪獣の手みたいで生きてるみたい。
これ以前の歌川豊春「浮絵熊野捕鯨突之図」すでに北斎の波が形作られようとしている。
北斎後の歌川国芳「高祖御一代略図 佐州流刑角田波題目」。これは北斎の影響をもろ受けてますね。
北斎はその後諸国瀧廻りというシリーズも描いていて、これまた水の表現がおもしろい。
北斎はベロ藍を効果的に使ったが、さらにそのよさを引き出したのが広重。きれいだよね。
第2章 深掘り!浮世絵版画の作り方
浮世絵は絵師が描き、彫り師が彫って、摺師が摺るという行程をたどる。
完成してしまえば、画稿や版下絵は残らないのが普通だけれど、中には残っている場合もある。
歌川国貞・二代歌川国網「池辺納凉図(版下絵)」なぜか摺られることなく終わったたために残っている版下絵。今見てみるとこれはこれでよい。
第3章 深掘り!浮世絵の「線」
2階に上がると線がフューチャーされた作品が。
毛割という髪の毛の生え際部分が超細かい。
歌川国貞(三代豊国)「東海道五十三次之内 白須賀 猫塚」なんと1ミリの中に3本も毛が描かれている。細かすぎる!!
喜多川歌麿「五人美人愛敬競 兵庫屋花妻」にしても、美しいなあ。
喜多川歌麿「蚊帳の男女」蚊帳の線が効果的に描かれている。
歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」効果という意味ではこれはあまりにも有名。他にも雨の絵はいくつかあったけれど、それぞれ表現が違って、雨の強さだったり、弱さが表現される。
第4章 深掘り!摺りの違い
摺りでずいぶんと違うものですね。一般的にははじめの摺りの方が細やかなような気がするけれど・・・
歌川広重「名所江戸百景 亀戸天神境内」はじめの摺りでは空の色を間違えて池の色にしてしまっていて後に修正されている。
歌川広重「木曽海道六捨九次之内 四捨 須原」中山道を歩いてきたので懐かしく見たけれど、だいぶ違いますね。
有名なところでは歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」後摺りでは、人やらなんやらが増えているけれど、はじめの摺りの方が朝なんですね。
第5章 深掘り!浮世絵の「端」
普段こういうところはあまり注目しないですね。
見当が残っているというのもあるけれど、ちょっとおもしろかったのは切った場合にとなりの線が残っていることがあるということ。
それとは関係なく、歌川広重「近江八景 堅田落雁 石山秋月 三井晚鐘 矢橋㷌帆」は好きな作品。
それとへーと思ったのは、例えば三枚続の浮世絵なんかでは、摺師が違う場合があるということ。力の入れ方が違ったりするもんなんですね。ぱっと見た感じわからないけれど・・・
歌川広重「東都本郷月之光景」では裏を見ることができ、確かに違うなあと思った次第。
第6章 深掘り!浮世絵の文字
絵師のサインやはんこ、版元のはんこなどは見ているけれど、時には彫師のサインなんかもあったりするんですね。それに比べて摺師のはあまりなさそう。
第7章 深掘り!江戸の暮らし
江戸時代の庶民の暮らしを描いた浮世絵は楽しい。
歌川国貞の「今様見立士農工商 商人」西洋絵画にもあるけれど、絵の中の絵。版元の店先を描いたものだそう。その中に描かれている歌川広重「名所江戸百景 玉川堤の花」は序盤にありました。
歌川国安「両国花火の図」歌川国郷「両国大相撲繁栄之図」歌川豊国「三座歌舞妓つづき絵」はいずれも庶民の娯楽だなと思うけれど、人がぎゅうぎゅうすぎるのが気になりました笑
おもしろい視点の展覧会でしたね。
(3へ続く)
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