【マティス 自由なフォルム展】
art-6 【マティス 自由なフォルム展】 国立新美術館
昨年、東京都美術館でマティス展をみた。また、栃木県立美術館の、芸術家たちの南仏展でもマティスがあった。
そして、今回またマティスと聞いてどうしようかなと思ったが、切り紙絵中心、それもあのニース市マティス美術館のコレクションがが中心と聞いて行くことに。
1 色彩の道
もちろん、切り紙絵だけでなく、初期作品もある。
マティスもはじめはフツーにうまい絵、でもちょっとおもしろみはないかなあ(後年の絵を知っていると)。
師がモローだけに「ダフィッツゾーン・デ・ヘームの「食卓」に基づく静物」など光の描き方が似ている絵も。
セザンヌの影響の大きい静物画も。
「日傘を持つ婦人」は明るい色彩の点描画。シニャックっぽい。
このあたりからフォービズムへと向かっていく。「マティス夫人の肖像」は大胆な色分けと陰影。
木彫の「ダンス」。これが後のダンスにつながっていくのだろうか?
2 アトリエ
マティスはニースに滞在したのをきっかけに、この街でアトリエを転々とする。
「ニースの嵐」。ニースにしては珍しい荒天というけれど、ピンク色の空で明るさもある。
「赤い小箱のあるオダリスク」。オダリスクシリーズはまさにマティスですね。
一瞬何が描いてあるかわからなかった「ロカイユ様式の肘掛け椅子」。確かによく見ると椅子だ。ヴェネツィアの肘掛け椅子の展示もあって、これ同じ椅子なのかな?足の色が違うような??
彫刻もたくさん。
「蛇女」。確かに蛇っぽい・・・
連作がおもしろい。「ジャネット」はだんだん単純化していくようだが、「アンリエット」は複雑化というか、くっきりしていっているようだ。「貝殻のあるヴィーナス」はむむう、ヴィーナスには見えないような・・・
リトグラフは作風はいろいろだけれど、切り紙絵に見えるものもあったり。
3 舞台装置から大型装飾へ
1920年にパリのオペラ座で公開された舞台「ナイチンゲールの歌」の舞台装置と衣装デザインを手がけたマティス。なかなか前衛的だ(音楽も現代的)。
アメリカのバーンズ財団で描いた装飾壁画はなんと13メートルを超える大作。描いている様子の写真があったけれど、足場とか組んで描いた方が楽なのでは??背伸びをして長い筆で描いている。その表現おもしろさはあるのかもしれない。
「パペーテ ― タヒチ」と「森の中のニンフ(木々の緑」はタピスリーの原画。タヒチ、お得意の窓からの風景で、タピスリー用なので単純だけれどとても装飾的。
4 自由なフォルム
ここからは撮影可。
「ジャズ」シリーズからスタート。これはしばしば見るので割愛。
「ブルー・ヌード IV」。マグネットを購入。デザイン的。青が美しい。青が効いている作品としては他に、「葦の中の浴女」、「波」。
単純化された黒い線画としては「大きな顔、仮面」、「大きなアクロバット」、「木(プラタナス)」。
陶の習作は、アクセサリーとしてこのデザインのものが売っていたが、ちょっと欲しいかも!
「クレオールの踊り子」は一瞬植物かと?
「日本の仮面」はどこが?と思ってしまった・・・
「花と果実」。アメリカのコレクターの依頼で中庭の装飾のために制作した構想図(切り紙絵)。いいなあ。きっとお庭がぱっと明るくなったことだろう。
三枚の「顔」は読売新聞社所蔵。この単純な線もよい。
5 ヴァンスのロザリオ礼拝堂
ヴァンスのロザリオ礼拝堂にまつわる作品や資料の展示。
ステンドグラスの習作。青と黄色のコントラストがいいですね。やはり海藻なのか・・・
「星形のある風景の聖母子」。イエスがちょっと・・・
祭服のデザインの数々。白と黒が基本と思うけれど、カラフルなものはどういう機会に着るものやら・・・普通にデザインとしてよいのだが。これまた海藻。
そして、原寸大の礼拝堂の再現。これだけでもすごいのだけど、もっとすごいのは、一日の光の移り変わりまで再現されていること。朝、昼、夕方、夜とこういう風に見えるんだなあと。マティスはお昼の光が好きだったとのことだが、どの時間帯も美しいなあと思いました。
また違った切り口のマティス展。
こちらも是非どうぞ。
« ヤッホーブルーイング 僕ビール君ビール ジョーカーくん | トップページ | 新宿:お好みダイニング 八寸八卓 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 【特別展はにわ】(2024.11.25)
- 神代植物公園3(2024.11.19)
- 【カナレットとヴェネツィアの輝き展】(2024.11.04)
- 【英一蝶展】(2024.10.14)
- 【田中一村展】(2024.09.23)
コメント