【デ・キリコ展】
art-8【デ・キリコ展】 東京都美術館
連休前半、デ・キリコ展に行ってきました。
10年ぶりの回顧展とのこと。
10年前、汐留ミュージアムでのキリコ展も行っていました
・・・
1 自画像・肖像
予想に反して?自画像・肖像画からスタート。
キリコはたくさん自画像を描いているという。レンブラントみたい?
展示されていた自画像は、え?これがキリコの作品?と思ったりするけれど(フツーにうまい)、闘牛士になってみたり、鎧をまとってみたり。なかなか強烈な自画像だ。
弟がキリコにそっくりなのにちょっと笑う。弟の肖像の後ろにさりげなくケンタウロスが・・・
2 形而上絵画
キリコといえばの絵が並ぶ。
フィレンツェに移り住んだキリコは広場が急にはじめて見る景色のように思え、これが形而上絵画誕生のきっかけとなった。
「バラ色の塔のあるイタリア広場」がもっともキリコ的かな。
黄色い地面、長く伸びた影、柱廊のある建物・・・
「イタリア広場(詩人の記念碑)」の手前にあるのは、楽器の一部?
形而上的室内のコーナーでは、いろんなモチーフの組み合わせでじっくり見れば見るほど楽しいのだが、ビスケットが特に目をひきますね(ショップで同じ形のビスケット売ってました)。
キリコといえば、マヌカン(マネキン)の絵も特徴的。ミューズだったり、神話の登場人物だったり、時には自画像にも。顔のパーツがないので、ちょっと不気味な感じもする。
「南の歌」はふんわりした色彩でルノワール的だ。
彫刻の展示もあったが、これがまさに形而上作品。立体作品もいいかも。
3 1920年代の展開
新たな主題。
「緑の雨戸のある家」のような室内風景の絵は、外にあるべき家や木や岩が室内にある。
一方、「谷間の家具」などは、室内にあるべき家具が外にあるという・・・
なんかこうざわざわする作品群だ。
4 伝統的な絵画への回帰:「秩序への回帰」から「ネオ・バロック」へ
キリコはルネサンス、そしてバロック作品に傾倒、そうした作品を描くようになる。
ティツィアーノだったり、ルーベンスだったり。リスペクト作品を描いているけれど、どこか不思議な感じもあり、やはりキリコだなと(一瞬、デルボーっぽい感じも)。
5 新形而上絵画
やがて、キリコは形而上絵画へと回帰。
といっても若い頃とは違って、不安感、寂寥感が薄くなり、少し明るさとコミカルさが出たような気がする。色調が明るくなったのもあるのかも?
「オデュッセウスの帰還」、これ好き。昔の形而上絵画が壁にかかり、おなじみの家具もあり・・・
キリコの初期から晩年までの画風の変遷がよくわかる展覧会。是非どうぞ。
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