【Beautiful Japan 吉田初三郎の世界展】
art-10 【Beautiful Japan 吉田初三郎の世界展】 府中市美術館
ノーマークだった展覧会だったのだが、たまたまテレビでこの展覧会のことを見て、これはおもしろそう!と思い出かけてみた。
今まで吉田初三郎という画家は知らなかったけれど、大正から昭和にかけて鳥瞰図で、鉄道案内や観光案内を描いた人。
鹿子木孟郎の弟子だそう。
1章 初三郎の時代
初期作品「京阪電車御案内」は、これを見た皇太子(昭和天皇)が、わかりやすい、持ち帰り友人に見せたいと言ったという。京阪電車も街道歩きの時乗ったなあなど思いつつ見る。
「関東大震災全地域鳥瞰図絵」、被害地域に火、煙・・・とちょっと怖い。
ともかく、鳥瞰図、細かくて、時に見えないくらいなのだが(虫眼鏡ほしい)、屏風絵「犬山之春 蘇川之秋」なんてのもあった。山水画だけど、確かにこれにもっと細かく描き込めば鳥瞰図になりそうだ。
旅行案内の図は楽しい。特に行ったことがある場所だとなおいっそう。
2章 魅力に迫る
「箱根山鳥瞰図」。おなじみの観光地が並ぶ。旧東海道も見える。
「京都市洛北名所図絵」他、京都の図は洛外図屏風を思い出す。ついつい細かいところまで見てしまう。おお!ちゃんと清水の舞台も描かれている。こういう探す楽しみもありますね。
「富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図」は、これを見てこの展覧会にこようと思った絵。実際にこんな地理じゃないだけど、この詰め込み方が面白いのだ。
「京王電車名所図絵」もなじみの場所が多くて楽しいし、筑波山、是非行ってみたいなあとか。やはりこういう絵は宣伝効果抜群!
タキイ種苗が注文したという「全国野菜主産地之図」という変わり種も。もうちょっと全国の野菜がたくさん描かれていたらもっと楽しいのだけど。
富士山は絶対といっていいほど描かれてるんですね。ここからは決して見えないという図でも・・・
3章 制作に迫る
肉筆画と印刷の違いなど、制作過程も鑑賞。
豊橋市、桑名、渋温泉など行った場所がやはり興味深いけれど、なんといっても、「神奈川県鳥瞰図」ですね。じっくり見てしまいました。
木曽も歩いてきたのでじっくりと。
びっくりするほどの細かさ、デフォルメ・・・
なんと楽しいのでしょう。
思った以上に楽しめた展覧会でした。
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