【フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線】
art-15 【フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線】 SOMPO美術館
夏休み8日目。
SOMPO美術館で開催中のロートレック展に行って参りました。
ロートレック展というと、三菱一号館などで何度も行っているけれど、フィロス・コレクションというのははじめてなので行ってみようと。
フィロス・コレクションは、ギリシャ人コレクターフィロス夫妻が20年以上蒐集しているロートレック作品のコレクションで300点以上にのぼるそうだが、素描を中心とした紙作品が多いそう。
ロートレックの素描をまとめてみるのは、はじめてで楽しみにしていた。
第1章:素描
ロートレックというとポスターのイメージなのだけど、実はロートレックは毎日のように素描を描いていたという。
さっと描いた感じのものもあるし、しっかり描きこまれたのもある。
こうした積み重ねから、大胆な線で描かれるポスターになっていったのだなあと思う。
馬関係の絵が多いのは、師が動物画家だったのもあるし、伯爵家に生まれて馬が身近にいたということもありそうだ。
躍動感にあふれる素描もある一方、人物画などはじっくりと観察した描いたのかなと。ポスターなどでも、悪意があるんじゃないかと思うほどデフォルメがされていたりするが、その片鱗が見えている。
第2章:ロートレックの世界ーカフェ・コンセール、ダンスホール、キャバレ…
ロートレックの世界・・・ロートレックといえばの題材が並ぶ。
歌手、コメディアンや女優の素描もなかなかよい。
ポスターでもおなじみの、ジャヌ・アヴリル、イヴェット・ギルベール、メアリー・ハミルトン、そしてブリュアン。
ギルベールなどは、特徴を誇張しすぎて本人からひんしゅくを買ったとか・・・おもしろいけどなあ。まあでも写真と見比べてみると、本人たちから怒られたのではと思う。
ブリュアンはすごく魅力的に描かれていると思うけど。
第3章:出版ー書籍のための挿絵、雑誌、歌曲集
こういう関係は、レスタンプの表紙くらいしか見たことがなかったけれど、挿絵もロートレックには親和性がありますね。
雑誌に描かれたサラ・ベルナールの絵があったが、うーん、ちょっと違う?というか、ミュシャの方が圧倒的に美しく描いているような・・・
第4章:ポスター
この章が、これぞロートレック!である。
なんといってもロートレックのポスターは生き生きとしていて、明るく楽しい。わくわく感があるというか。
文字を載せる前の刷りなど、貴重なものも。
やっぱり、ブリュアンのポスターが好きかなあ。
異色なのは、「ナポレオン」。伝記『ナポレオン・ボナパルトの生涯』のためのポスターコンペに出したものとのことで、実にオーソドックス。
第5章:私的生活と晩年
手紙、展覧会への招待状(コミカルな感じ)や、メニューカードなど。メニューカードが楽しい。ロートレックって美食家で自分でも料理を作ったとか・・・
晩年、リトグラフだけでなくドライポイントも作成するようになる。
若くして亡くなったのが残念だ。
ロートレック展はたくさん見てきたという方にも楽しめる展覧会だと思う。
是非どうぞ。
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