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2024/10/14

【英一蝶展】

art-20【英一蝶展】 サントリー美術館

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サントリー美術館で開催されている英一蝶展に行って参りました。
英一蝶の作品は、トーハクに行った際に、最後の方で見るのだけれど、まとめて見るのは初めてである。

第1章 多賀朝湖時代
狩野安信に入門した一蝶は次第に独自の絵画を描くようになっていく。とはいえ、基礎はしっかりとしていて、なんでも描けるんですね。
「雑画帖」はバラエティに富んだいろいろな絵。龍、寒山拾得などおなじみの主題もあったり、花鳥画あり、風景画あり。オーソドックスなものあり、ユーモラスなものあり。どれもいいのだけど、やっぱり猫が一番かなあ。
「投扇図」おもしろい。鳥居の間にうまい具合に入った扇を見て、のけぞりながらびっくりする男!
「四条河原納涼図」の杯を必死に上にあげてこぼれないように、川をのぞき込んでいる男性。いや、杯置けばいいじゃん笑
「立美人図」は、見返り美人ですね。菱川師宣の影響ありあり。
「大原女図」は薪を頭にのせて京都に売りにいく行商の女性を描いているが、新米さんなのか、薪を持ち上げる姿勢、危ない!腰痛める!
大原女は「人物雑画巻」にも描かれていて、こちらは、薪の上にのっちゃって枝を折ろうとしているという・・・
「奈良木辻之図」は奈良の遊郭を描いているが、鹿が入っていこうとしているのは奈良ならではですね。
「雨宿り図」は一蝶が好きな題材。
「吉野・龍田図屛風」はなんと細かく描かれていること!ずっと見ていても飽きない。

第2章 島一蝶時代
40代後半で三宅島へ流罪となった一蝶。江戸の知人たちから注文をうけての制作と、三宅島や近隣の島民のために制作されたものとがある。
「吉原風俗図巻」は実に華やかで鮮やかな作品。島で描いたとは!吉原を懐かしみながら描いたのだろうか。
御蔵島(三宅島の南に位置する)の稲根神社に奉納した絵馬には神馬が描かれているが、尾やたてがみなど、細い筆で毛を一本一本描いていて細かい。
鍾馗図や七福神なども島の人たちのために描いたもののようだ。

第3章 英一蝶時代
将軍の代替わりによる大恩赦により江戸に戻った一蝶は、この後英一蝶と名乗ることになる。このとき58歳。風俗画からは離れると浅間、仏画、花鳥画、風景画、故事人物画などにも取り組むようになる。

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「舞楽図・唐獅子図屏風」。表が舞楽、裏が唐獅子で、表のみ撮影可となっていた。
舞楽図は、いろいろな舞が描かれていて、北斎漫画的である。どういう舞?というのもあったりするが、皆楽しそうだ。裏の唐獅子はなかなかの迫力。
「大井川富士山図」はトーハクの「富士山図」を連想したけれど、あれは薩埵峠でした・・・
「花鳥図」。ヤツガシラと尾長。構図がおもしろい。
「釈迦十六善神図」。意外とカラフルな仏画。
「高雄・鞍馬図」。高雄・神護寺のかわらけ投げと鞍馬のもっこおろしが描かれる。もっこおろしってどんなものだろう?厳美渓の空飛ぶだんごを連想したのだけど・・・
風俗画から離れる宣言をした一蝶だが、描かなかったわけではなく、今回、前後して描かれた「雨宿り図」2点の展示があった。メトロポリタン美術館とトーハクのものである。メトロポリタンの方が先に描かれたらしい。老若男女、身分、職業もいろいろな人物が描かれていて、馬も犬もいる。見ていて楽しい。メトロポリタンの方は水辺なども描かれていて、少し違ってるんですね。この見比べも楽しい。

是非どうぞ。

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