エラリー・クイーン『Zの悲劇』
本日の本

book-1 『Zの悲劇』 エラリー・クイーン著 創元推理文庫
STORY:政界のボスとして君臨する上院議員が刺殺された。脅迫の手紙が見つかり、1人の元囚人が浮かび上がるが・・・
☆☆☆ドルリー・レーン悲劇4部作の3作目。
『Xの悲劇』と『Yの悲劇』は昔読んだのだが、これは読んでいなかった。
『Yの悲劇』は読んだとき衝撃、すごい傑作!と思ったがこれはどうか。
読み始めると、ドルリー・レーンもサム警視(今は私立探偵)をちょっと年取って(Yから10年が経っているらしい)、サム警視の娘が登場している。
という違いもあってか、なんかちょっと雰囲気が違うんですね。
正直、ちょっと退屈・・・というか読みづらく・・・しかし、犯人として捕らえられ死刑宣告した男を救うため、レーンたちが奔走するあたりからおもしろくなってきた。
もう執行されるというすんでのところで、ストップさせるところはとてもスリリング。
そして、レーンが当事者を集めて、消去法で容疑者を消していき、残ったあなたが犯人だと指摘するところはなかなかに盛り上がる。
この指摘の中で、ああなるほどと思うことになるのだけど、大どんでん返しがあるわけでなく、地味な推理の積み重ねで事件は解決する。でも、ドルリー・レーンは元俳優だけあって、犯人指摘に至るまでの話術はなかなかにドラマチック。
こうなったら、最後の事件も読むかなあ。
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