書籍・雑誌

2020/02/06

坂木司他『坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー』

本日の本

book-2 『坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー』  坂木司他著  光文社文庫

STORY:「和菓子」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか?坂木司が今いちばん読みたい作家に執筆を依頼した短編集。

☆☆☆ミステリーからSFまで様々なお話で構成される短編集。

坂木さんの和菓子のアンシリーズは大好きなシリーズ。
その坂木さんが組んだ短編集なので期待大!

1つめはすでに読んだ和菓子のアンのお話なのでとばすとして・・・

日常の謎、怪談、SF。
いろんなお話が詰まった短編集だった。
読んだことのある作家さんは半数以下で、こういうアンソロジーは知らなかった作家さんの小説が読めるというところもいいですね。

好きなお話は・・・

北村薫「しりとり」。
北村さんらしいお話で、ほっこりとした気持ちになりますね。
昔はよく読んでいた北村薫さんのミステリ。また読もうかなと。

畠中恵「甘き織り姫」
時代小説ではなく、現代の日常の謎ミステリ。
登場人物が変すぎるのだが、こういう謎かけおもしろい。

近藤史恵「迷宮の松露」
自分探しの旅の先に気づいたことは・・・
これが一番和菓子が効果的に使われていたように思う。

いやでもどれもやっぱり和菓子が食べたくなりますね。 

 

2020/02/01

アーナルデュル・インドリダソン『声』

本日の本

book-1 『声』 アーナルデュル・インドリダソン著 創元推理文庫

STORY:クリスマス目前。ホテルの地下で、元ドアマンの男がめった刺しにされて殺された。捜査官エーレンデュルはやがて男の悲しい過去を知る。

☆☆☆☆エーレンデュルシリーズ第3弾。

アイスランドのミステリ。作者の名前がどうしても覚えられない(苦笑)。

1作目、2作目も大変な力作だった。
そして、いずれも辛く暗いお話で読むのがしんどかった。

この3作目も同じ。
これでもかと辛いお話が続く。

メインのお話では、殺された男の過去の栄光と転落、家族との悲しい関係が描かれ、もし家族の過度な期待がなかったら、もし家族があたたかく彼に接していたら・・・こんなことにはならなかっただろうと悲しくなる。

エーレンデュル刑事と娘との関係は1作目から語られてきて、徐々に明るい兆しはあるものの、エーレンデュルの子どもの頃のつらい体験が語られ、今後どうなるのか・・・

部下のエリンボルク刑事が担当する、父親による息子の虐待事件もつらく・・・

というわけで、最後までしんどいのだが、いやでもこれまた読ませるミステリだった。ミステリという形をとった家族の物語だったといってもよいだろう。

 

2019/12/03

D・M・ディヴァイン『そして医師も死す』

本日の本

 

book-14 『そして医師も死す』 D・M・ディヴァイン著 創元推理文庫

STORY:医師アランの診療所の共同経営者が不慮の事故で亡くなった。殺人ではないかと告げられ、死の真相を探ろうとするが・・・

☆☆☆著者の長編第2作。

ディヴァインは一時マイブームでいろいろと読んだが、まだ未読のものがいくつかある。

突如、古い感じの本格ミステリが読みたくなり、手にとった。

事故と思われていた男の死が殺人らしいと聞いて、独自に調査を開始する主人公だが、次第に不利な状況に追い込まれ・・・
地方の狭い人間関係の中で、あっという間に噂がたって、絶体絶命に・・・・

はじめのうちはちょっとイライラする展開。
少し間延びしてるかな~

しかし、最後になってこの死がそういうことだったのだということわかって、急展開。
こういうオチは、何度も読んだことがあるのだけれど、すっかり瞞されましたね。

犯人は、勝手にコイツ怪しいと思っていて、実際そうだったわけだけど(笑)、なるほど、だからこの人が犯人ということか!と納得。
やっぱり、うまいな、ディヴァイン。

1962年の作品で、ちょっと古めかしいつくりのミステリだけれど、時々こういうの読みたくなりますね。

まだ未読の作品があるから読もう。

 

2019/10/12

ジョーダン・ハーパー『拳銃使いの娘』

book-13 『拳銃使いの娘』 ジョーダン・ハーパー著 ハヤカワポケットミステリ

STORY:11歳のポリーの元に突如現れた刑務所帰りの父親。獄中でギャング団を敵に回し、自分のみならず妻子にも処刑命令が出たため、逃亡することに・・・

☆☆☆エドガー賞受賞作。
著者のデビュー作。著者はテレビドラマの脚本家出身。

ということもあってか、映像化されそうな小説だった。
読んで「レオン」を連想したけれど、実際著者は「レオン」や「ペーパームーン」そして子連れ狼に影響を受けているという。

なかなかにハードな小説で、映画化するとすごそう・・・
映画化も進んでいるそうだけれど、イメージ的にタランティーノが撮りそうな感じである。

残虐な場面も多そうだし、血もかなり飛びそうだけれど、一方では父と娘のドラマであり、娘の成長ドラマでもある。

ページ数が少ないこともあって一気に読めるけれど、最後まで緊張しっぱなしだった。
これはこれで悪くないのだけど、次読むミステリーはコージー系がいいかなあ・・・

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2019/09/19

坂木司『アンと青春』

本日の本

 

book-12 『アンと青春』  坂木司著  光文社文庫

STORY:アンちゃんこと杏子がデパ地下の和菓子屋みつ屋で働きはじめて8ヶ月。個性的な面々に囲まれながら、成長していくアンちゃんはいろいろな謎解きに挑むことに。

☆☆☆「和菓子のアン」の続編。
前作がとてもおもしろく、ちょうど続編が発売されたので読んでみた。

容姿に自信がなく、学歴もなく、食べるのが大好きということから和菓子屋さんで働きはじめたアンだがが、和菓子について知りたい、学びたいという気持ちは人一倍強く、そのおかげでずいぶんと成長してるんですね、2冊目では。

ひたむきだし、ホントにやさしい子なので、ついつい応援したくなっちゃいます。

今回も様々な謎がアンを待っているのだけれど、切れ者の店長、乙女男子の立花さん、立花さんの師匠、元ヤンの桜井さんの助けを借りつつ、謎解きしていく。これがやっぱりおもしろい。
周りの人たちのキャラがよいのだけど、今回は新しいキャラとして洋菓子男子の柏木さんが登場!

柏木さんと立花さんにはさまれたアン。
これは次は恋の話へと発展か??
次作が楽しみ。是非書いてほしいなあ。

またまたおいしい和菓子が食べたくなったのでありました。

 

2019/09/04

シー・J・ボックス『沈黙の森』 

本日の本

book-10 『沈黙の森』 シー・J・ボックス著 講談社文庫

STORY:ワイオミング州の猟区管理官ジョー・ピケットは、ある日裏庭で男の死体を発見する。それはかつてピケットの銃を奪おうとした密猟者だった。さらにキャンプ場で死体が発見されて・・・

☆☆☆☆猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ第一弾。

アメリカでは2001年、日本では2004年に刊行されたミステリである。
気にはなっていたけれど、読む機会を逸してしまい、今回ひょんなことで読むことになった。

猟区管理官ってなーに?というのが読み始めてすぐ疑問に思ったことだが、密猟者を取り締まり、野生動物を保護・監視するヒトらしい。
当然、舞台は大自然の中・・・ということで、なんとなく映画のシーンを連想しつつ読み進めた。

わりと早い段階で、事件の大筋は読めてしまい、最後の展開は思った通りにはなるのだけど、なんといっても主人公がいいんですね。

なんとも不器用な男で、一見すると頼りなげなのだけど、家族を守るため、正義を貫くために一生懸命になる姿がカッコいいのだ。
まじめすぎて融通が利かず、それ故不利な立場に追い込まれたりするのだが、決して妥協せず自分を貫くピケット。ほれぼれするな~

ミステリーというよりは、ピケット一家の家族の絆を読む小説として、大いに楽しんだ。

2冊目以降も是非とも読もう。

2019/08/02

アリ・ブランドン『書店猫ハムレットの挨拶』

本日の本

 

book-9 『書店猫ハムレットの挨拶』 アリ・ブランドン著 創元推理文庫

STORY:オンラインショップや珈琲コーナーが軌道に乗ってきたダーラの書店。リース刑事の婚約者コニーのドレス選びにつきあったり大忙しのダーラは、近所でまた死体を発見してしまう。
☆☆☆コージーミステリ第5弾にして最終巻。

今回はごくごく近所で事件が発生。
しかもあの人物が殺されてしまうとは!まさかの展開。
これはとてもショックだった。

コージーミステリとか、ごくごく狭い範囲で展開するミステリは、どうしても、えーどうしてこんな人まで??ってことが多いのだけれど、なんか残念な展開で・・・

今回は、なじみの面々にも、知らなかったことがわかったり、あらたな発展があったりと、そういった意味では楽しく読んだし、ミステリ的にも、いつもみたいに急に犯人が現れるってこともなく、○。

が、各面々のエピソードがとっちらかったままというか、このあとどうなるんだ?というところで終わってしまい、なんかもやもや感が・・・

これで最終巻なんてホント残念。
未訳の1巻目も出してくれないかな~

2019/07/12

アリ・ブランドン『書店猫ハムレットのうたた寝』

本日の本



book-8 『書店猫ハムレットのうたた寝』 アリ・ブランドン著 創元推理文庫


STORY:ニューヨークの書店経営者のダーラは地域のお祭りを計画、成功をおさめたと思いきや、珈琲店の店主の妻が死体で発見され、さらには・・・
☆☆☆コージーミステリ第4弾。


久々にこのシリーズを読んだ。
前作ではニューヨークを離れたいわば番外編だったので、書店の面々や個性的なご近所さん、そしていい感じになっていたリース刑事が出てこなくて、おもしろかったけれどちょい寂しかった・・・


今回はいつもの書店が舞台で、いつものとおりのメンバーが総出演。やっぱりこうこなくっちゃ!


が、ダーラの周りには事件が今回も発生。相次いで死体を発見してしまう。
いつものとおり、天才猫?ハムレットが本を落としてヒントを出してくれるのだけれど、人間様の方はやっぱり気づかない。鈍いな(笑)


まったく推理の方は進行しないうちに事件は勝手に?解決。
唐突に犯人登場なのだった。


という具合にミステリ的にはまあご愛敬なのだけど、やっぱりハムレットがいいキャラ、楽しいシリーズである。


気になるのは、いい感じになっていたリース刑事が突然婚約者を伴って現れたこと・・・てっきりめでたしめでたしになるのかと思いきや・・・気になるなあ。


しかし、このシリーズもあと次作で完結だそうで・・・
もう?
残念だな。

2019/06/13

エリー・アレグザンダー『ビール職人の醸造と推理』

本日の本


 


book-7 『ビール職人の醸造と推理』 エリー・アレグザンダー著 創元推理文庫


STORY:ビールで有名なアメリカ北西部レブンワースのブルワリーを夫とその両親と切り盛りするスローンは、ある日、夫の浮気現場を目撃、夫を家から追い出し、新しく開業するブルワリーの働くことになった。開店翌日に死体を発見してしまったスローンだが・・・


☆☆☆ビール!ビール!ビール!


クラフトビールのビール職人が主人公と聞いて読むこと決定!
レブンワースは実在の町で、実際ビールで有名だそう。


と聞くだけでワクワクするが、出てくるビールがおいしそうなこと!
読んでると飲みたくなるなあ。
それに、主人公はお料理上手。ということで、ブルワリーのお料理をいろいろと考え出すのだけれど、いやはやおいしそうな本なのだ。


ミステリ的には、ビール職人が鮮やかな推理を披露する・・・ということはなくて、なんとなく事件が解決してしまうという(笑)。しかも、犯人はなんとなくわかっちゃうんですね。


でも・・・
ビールやお料理もそうなのだけど、人物や人間関係、何より家族関係で読ませる。
夫はしょうもないバカだけれど、その両親や夫の弟はやさしいし、息子はいい子。
新しいブルワリーのオーナーは魅力的で、今後どうなるのか気になったりする。


ラストも、物語が広がってきそうで、続編はそのあたりの謎が解明されるのかな?楽しみだ。

2019/05/31

坂木司『和菓子のアン』

本日の本


 


book-6 『和菓子のアン』  坂木司著  光文社文庫


STORY:高校卒業後進路が決まらない梅本杏子(アンちゃん)はデパ地下の和菓子店みつ屋で働き始める。個性的な店長や同僚に鍛えられながら和菓子の奥深い世界にはまりつつ、謎をといていく。


☆☆☆☆前々から読みたかった本をようやく読んだ。


和菓子屋さんが舞台のミステリなんてはじめて。
これが予想以上におもしろくて・・・


和菓子に関する蘊蓄がいっぱい、こんなに奥深い世界だったとは!
光琳菊なんて和菓子があったとはなあ・・・


主人公アンちゃんのキャラもいいんだけど、店長や同僚の乙女系男子立花さん、立花さんの師匠もキャラも立ちすぎなほど。


普段和菓子やさんに行くことはあまりないけれど、これを読んで行きたくなったなあ。しかも上生菓子を買いたくなりました。


読後感が非常によいミステリでありました。


 

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