書籍・雑誌

2026/02/07

エイドリアン・マッキンティ『ポリス・アット・ステーション』 

本日の本

book-1 『ポリス・アット・ステーション』 エイドリアン・マッキンティ著 ハヤカワ・ミステリ文庫

STORY:麻薬密売人が射殺され、単純な事件かと思われたが、捜査にあたったショーン・ダフィ警部補が命を狙われる。事件は北アイルランドの深い闇へとつながっていく・・・

☆☆☆シリーズ第6弾。

本当は1作目から読むべきなのだが、五十音順読書の一環で、「ぽ」はこれだなと思い読んだ。

が、やはりというべきか、そもそもの背景がわからず、最初は全然読み進められず・・・途中で放棄しようかと思ったくらい・・・
でも半分を超えたところで俄然おもしろくなり、あとは一気に。
なんかあまり主人公が好きになれないなと思っていたけれど、最後は好きになったし、意外にさわやかな読後感。部下たちとのチームワークもじわりとくる。

しかし、北アイルランドの闇、難しい問題だなあと。

つくづく一作目から読まなかったのが悔やまれます・・・

 

【中古】ポリス・アット・ザ・ステーション (ハヤカワ・ミステリ文庫 HMマ 16-8) エイドリアン マッキンティ; 武藤 陽生

2025/12/27

ミステリー文学資料館編『ペン先の殺意』 

book-14 『ペン先の殺意』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

☆☆☆アンソロジー。

純文学出身の作家たちのミステリーアンソロジー。
谷崎潤一郎、芥川龍之介から村上春樹まで。
個性はいろいろだけれど、気に入ったのは、松本清張、曽野綾子、遠藤周作、井上ひさし。

清張はワタクシ的にはミステリー作家なのだけど・・・
何とも言えない余韻のある作品。
曽野綾子は、オチがよい。
遠藤周作はさすがキリスト教を絡めてきている。人間の欲は怖いなあという物語。
井上ひさしは、書簡で展開していくところがおもしろい。

谷崎、芥川の作品はなんともいえない暗さがあるけれど、倉橋由美子は淡々とした語り口にぞっとしたのだった。

純文学とミステリー、そんなに境目はないのかも?

 

 

2025/11/30

貫井徳郎『プリズム』 

本日の本

book-13 『プリズム』 貫井徳郎著 創元推理文庫

STORY:小学校の女性教師が自宅で死体となって発見される。同僚が容疑者として浮かび上がり、事件解決と思われたが・・・

☆☆☆日本版毒入りチョコレート事件?

女性教師が死体となって発見された事件が、教え子、同僚、元恋人、不倫相手の4人の視点から語られる。
語り手によって語られる事件の推理はもちろん異なるのだが、被害者についても見る人によりまったく違った人物となる。

読み進めるうちに、この推理が当たり?と思ったりするが、確証はなく・・・という話が繰り返され、でも核心に迫るということはなく、ストーリーは終了?

え?結局真相は?犯人は??
もやもやしたまま終わってしまった・・・

この過程はとてもおもしろかった。
こういうミステリーもあるだろうとは思うけれど、やっぱりすっきりしたかったというのが本音・・・それは作者の狙いではないのはわかってはいるけれど。

タイトルは秀逸ですね。

2025/11/09

マウリツィオ・デ・ジョバンニ『P分署捜査班 誘拐』

本日の本

book-12 『P分署捜査班 誘拐』 マウリツィオ・デ・ジョバンニ著 創元推理文庫

STORY:美術館から資産家の孫の少年が姿を消す一方、不可解な空き巣事件も発生。P分署の面々が捜査にあたるが・・・
☆☆☆イタリアの現代版87分署ともいうべき警察小説の第二弾。

第一弾がおもしろかったので第二弾も読んでみた。

今回は誘拐事件、空き巣事件、自殺事件が同時進行する。
時間の展開もおもしろいのだけど(自殺がそういう展開!という驚き)、なんといっても分署の面々が個性的なのがよい。
前作よりプライベートな展開もあったりしてそれも今後どうなるか・・・

前作では裕福な若手警官アラゴーナだけ、どうも感情移入できなかったのだけど、失礼な奴だけど頭の回転は速いし、なかなか見どころがあるかもと思ったり。

誘拐事件は、なんとも悲しい展開、そしてあの結末はいったい???なんとなくもやもやした感じで終わってしまったけれど・・・

次作も楽しみなシリーズだ。

2025/10/12

『パパ、ママ、あたし』 カーリン・イェルハルドセン

本日の本

book-11 『パパ、ママ、あたし』 カーリン・イェルハルドセン著  創元推理文庫

STORY:ペトラ刑事が公園で冷えきった赤ちゃんを発見、近くで母親と思われる女性の死体も発見する。一方、フィンランドフェリーの船内で16歳の少女の絞殺死体が発見される。2つの事件を任されたショーべり警視。やがて2つの事件が思いがけない展開をみせる。

☆☆☆スウェーデンのショーべり警視シリーズ第2弾。

子供に関係する2つの事件。
たまたま2つの事件はショーべり警視が担当することになるが、まったく関係がないと思われたのが、次第に絡み合い、そしてもう一つの子供をめぐるお話も加わって、集束していく。この展開はとてもおもしろい。
しかも、ちょっとした目くらましがあって、うまくだまされました・・・

しかし、ほんと、北欧ミステリって暗くて重いなあ。
いや北欧ミステリは大好きなんだけれど、心して読まないと!

前作で好感度高かったショーべり警視だけど、あれれ?好感度下がる・・・
女性刑事ペトラのその後も衝撃的な展開が・・・
警察の面々も問題山積み、しょうもない署長や副署長の話もあり、一番かっこいいのは、子供を必死に助けようとするバルブロおばあちゃんかも。
とはいえ、警察の面々のその後も気になるので、次作も是非読みたい。

 

2025/09/13

ウィリアム・ランディ『ボストン、沈黙の街』 

本日の本

book-10 『ボストン、沈黙の街』 ウィリアム・ランディ著 ハヤカワ・ミステリ文庫

STORY:ボストンの検事補の腐乱死体を発見した田舎町の若き警察署長ベンは捜査のためボストンに乗り込む。退職した敏腕刑事の助けを借り、捜査に加わるが、自身に容疑がかかってしまう・・・

☆☆☆著者第1作。

主人公ベンが死体を発見し、ボストンへと行くまではスムーズに展開。その後、しばらく中だるみが・・・なにせ600ペーシ以上あるので・・・
が、この中だるみにもいろいろと伏線が張られていたと後で気づきましたね。

警察署長といっても、まだ25歳、警官として経験も実績もなく、ただ父親から職を受け継いだだけの主人公。
都会ボストンに出て、百戦錬磨の刑事たち、検事、そしてギャングと関わるうちに、さらに事件が起こり、なんと主人公が犯人と目されてしまう。
苦境を脱し、やがて真相に迫る主人公。
若き警官の成長物語なんだなと思っていたら、最終盤にその展開!
まあ確かにヒントはあったし、なるほどとは思ったけれど、そういう結末なのかと・・・
すっきりしたようなしないような。

長いけれど読ませるミステリーであることに間違いはないです。

2025/08/17

アンドレアス・フェーア『弁護士アイゼンベルク』 

本日の本

book-9 『弁護士アイゼンベルク』 アンドレアス・フェーア著 創元推理文庫

STORY:凄腕の女性刑事弁護士アイゼンベルクの元にホームレスの少女が依頼が持ち込まれる。ホームレスが若い女性を殺害した事件だったが、容疑者は彼女の昔の恋人だった・・・

☆☆☆☆ドイツミステリー。

ドイツミステリーといえば、ネレ・ノイハウスのオリヴァー&ピアシリーズが大好きなのだが、この作家さんははじめて。

主人公アイゼンベルクが捕らえられて危機一髪な場面ではじまる。
時は遡り、彼女が事件の依頼を受け、被疑者が元恋人、そして、猟奇的な殺人だということがわかる。
並行してさらに遡ってコソボから亡命しようと吹雪の中車を走らせる女性の話が挟み込まれ・・・

この2つの物語がどう交錯していくのだろうということが気にかかりつつも、容疑者が自白をくつがえし、さらにまた覆すという展開。

そして、ついに2つの物語がつながった時、さらに過去の事件がリンクして、ああなるほど・・・と思ったら、どんでん返し!ぞっとする結末。

主人公は頭が切れて行動力もあって・・・なのだけど、ちょっとパワハラチックなところもあり、はじめはあまり好きになれず・・・最後になってようやくいいかと思えるように。別居中の浮気夫、反抗期の娘、依頼者の男爵、事務員達など、個性的なキャラをいろいろいておもしろい。

ラスト1ページ、え?何?という新しい謎も提示されて、これはもう次の作品を読むしかないな。

2025/07/19

アリッサ・コール『ブルックリンの死』 

本日の本

book-8 『ブルックリンの死』 アリッサ・コール著 ハヤカワ・ミステリ文庫

STORY:趣のある家が並ぶブルックリンの一角。シドニーは昔からいる人々が次々と新しい住人に入れ替わっていることに気づくが・・・

☆☆☆サスペンススリラーかと思ったら・・・

人が次々消えていくというスリラーなのかと思ったら、主人公(離婚して実家に戻ってきた女性と、金持ちの女性とともに引っ越してきた無職の男性セオ)の抱えたある秘密が次第に明らかになり・・・
この秘密が暴露されたところで、どうなるのかという話になっていくんだと思ったら、なんと!さらに先にびっくり・・・というかとんでもない展開に。

これはえええええと思わず叫んでしまった(心の中で)。
マイケル・クライトンの私の好きな某映画を思い出しましたね。
もうこれはホラー・・・

結末はちょっと強引かなと思ったけれど、いいところに落ち着いたのかなと。

これ、映画にもなりそう。

2025/06/21

アシモフ他編『ビッグ・アップル・ミステリー』 

book-7 『ビッグ・アップル・ミステリー』 アシモフ他編 新潮文庫

STORY:ママは再婚すべきだと考えたわたしは、上司のイルマー警部を引き合わせるが、ある事件の話になり・・・ジェイムズ・ヤッフェ「春爛漫のママ」他11編。

☆☆☆アイザック・アシモフが編んだ、ビッグ・アップル=ニューヨークを舞台としたミステリアンソロジー。

ニューヨークという土地柄をいかしたミステリとは言いがたいものもあるけれど、これこそニューヨークというお話もたくさん楽しめる。

でも、やっぱり好きな作家というと偏りがあって、お気に入りは、ヤッフェのブロンクスのママシリーズ、ホックの怪盗ニック、アシモフの黒後家蜘蛛の会シリーズ、そしてエラリー・クイーン。
アシモフの「よきサマリアびと」は読後感がよくて、ほっこり。ヤッフェのブロンクスのママシリーズは全部は読んでいないので、未読のもの読んでみようかなあ。

一番スリルがあったのは、ウールリッチの地下鉄を舞台をした作品。短いながら、ハラハラドキドキ。映画「スピード」なんかを思い出したり・・・

短編集は気軽に読めるのがいいです。

2025/05/24

クリスチアナ・ブランド『薔薇の輪』 

本日の本

book-5 『薔薇の輪』 クリスチアナ・ブランド著 創元ミステリ文庫

STORY:女優エステラの人気の秘密は、体が不自由な娘との交流を綴った新聞の連載にあった。服役中の夫が病気のため恩赦で出所、娘と会いたいと言ったことから・・・

☆☆☆ブランドがメアリ・アン・アッシュ名義で書いた本格ミステリー。

ヤクザものの夫がボディガードともに、田舎の農場に娘に会に行ったとこから、事件発生。夫とボディガードが死亡、娘が行方不明になる。

少ない登場人物(女優と秘書、娘を育てている夫婦)がなにやら結託?怪しい行動で、捜査を攪乱。チャッキー警部を惑わす。まあなんとなくこの人が犯人かしらというのはあるのだけど、何せ容疑者たちが演技上手で容易にはしっぽを出さない。

チャッキー警部がなかなかいいキャラで(他の作品にも登場するらしい)、しぶとく犯人を追い詰める。こちらも芝居上手。
この攻防がおもしろい。チャッキー警部の勝ち!

いやあ、しかし、ブランドは人の悪意を描き方が怖いですね。

 

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