文化・芸術

2025/10/13

【円山応挙―革新者から巨匠へ展】

art-22 【円山応挙―革新者から巨匠へ展】 三井記念美術館

三井記念美術館は開館20周年を迎え、特別展として開催中の円山応挙展に行ってまいりました。

前室
伝谷文晁の応挙の肖像画からスタート。応挙といえばこの顔!

展示室1
「元旦図」は裃姿で初日の出をみる男性の後ろ姿が描かれているが、応挙自身の姿ともいわれる。肖像画からするとそうかもしれないと思う。
「子孫への教訓書」は、イラストのような画が入っているところがおもしろい。内容はまじめなのだけど。
眼鏡絵が並んでいた。デフォルメしすぎなほどの遠近法もあったり。眼鏡絵を通して遠近法を習得、立体的な表現へとつながっていったのですね。
「夕涼み図」「行水美人図」はささっと軽く描いた感じ。

展示室2
「水仙図」。描写の細かさ。

展示室3
「寿老人・竹に鶴図」。線の細かさ。

展示室4
「龍門図」。これは好きな作品。龍=滝を鯉が昇っていく画が結構斬新な表現だ。
「竹雀屏風」。左右あわせて、何羽いるのか?スズメたちが生き生きしている。
「虎皮写生図屏風」。応挙は虎を見たことはなく、輸入された虎皮などを参考にして描いたという。このスケッチは実に細かい。

2510131

2510132

2510133

金比羅宮からきた「遊虎図襖」。いやー、虎がまるで猫!かわいい!モフモフ!まるでマヌル猫のような虎も!

2510134

2510135

「雪松図屏風」。いつもはお正月に展示される作品がお隣に並んでいた。冷たい空気が伝わってくるような作品。
「幽霊図」。応挙といえばの幽霊。弟子の芦雪のもあり。

展示室5
渡辺始興の「鳥類真写図巻」とそれを応挙が写生した写生帖が並んでいた。確かな写生力。鴨の顔を上から横から下から写生しているのがおもしろい。
「鼬図」。なんだかひょうきんな顔だ。
応挙、お皿や印籠、お盆なども手掛けている。

展示室6

2510136

「青楓瀑布図」。大胆な構図。岩がアクセント。

展示室7
金刀比羅宮の襖絵がもう一つ。「竹林七賢図」。遊虎図とはまた趣が違う。
「双兎図」はかわいい。「白狐図」はしゅっとしてかっこいい。

2510137

ここで待ってましたの、狗子図!とにかくかわいい!愛らしい!
若冲と応挙の唯一の合作。「竹鶏図屏風」と「梅鯉図屏風」。お互い得意な画題を描いているが、やはりお互い特徴がよく出ていますね。

ぜひどうぞ。

 

2025/09/23

【フジタからはじまる猫の絵画史  藤田嗣治と洋画家たちの猫展】

art-21 【フジタからはじまる猫の絵画史  藤田嗣治と洋画家たちの猫展】 府中市美術館

2509231

府中市美術館で開催中の展覧会に行ってまいりました。

猫は意外だけれども西洋絵画にはあまり描かれなかったという。絵の主役はあくまでの人物ということで・・・
マネの「オランピア」(今回の展示はエッチング)には犬と猫。これは象徴的な存在。
ボナールは家の中の情景の中によく猫を描いていて、これは黒猫。

日本では、菱田春草がはじめに猫をテーマに。「黒猫」。かわいらしいけれど、春草は猫好きではなかったとか。
木村武山の「黒猫」はムキムキ!

そして、藤田嗣治の猫、猫、猫。
飼い猫だろうか、サバトラの猫がよく描かれていますね。「五人の裸婦」の猫もそう。よく牙がでているし。
「猫十態」画文集「猫の本」、全部見てみたいですね。
墨で描いた猫はあまり見たことがなかったけれど、オーソドックスな日本画。
猫の乱闘を描いた絵は、不思議な絵だなあと思っていたが、戦時下に描かれたと聞いてちょっと納得。
子供と猫というテーマの作品も多いけれど、猫はちょっと嫌がっていたり、でもされるがままの猫もいたり。よく観察してるなあ。
とってもおもしろい絵「猫の教室」。人間と同じで、ちゃんと授業を聞いている子はあまりおらず、寝てたり、そっぽ向いてたり、落ち着きなかったり・・・

木村荘八が何点か。
墨東奇譚の挿絵を思い出すが、サラサラっと描いていてよい。

熊谷守一の猫2点。黒猫のほうがらしい。

大好きな作品がきていた。長谷川潾二郎「猫と毛糸」。足の短さがかわいい猫。くつろいでる様子がほほえましい。

朝倉文夫が2点。菱田春草より前に猫をテーマにしていたんですね。ほんと、猫の特徴をよくとらえている。
香月泰男の猫はめずらしいなあ。

最後は猪熊弦一郎。
マティス風だったり、ピカソっぽかったりもあるけれど、結構好きなのは、晩年インクで描いた線画。こういうタイルがあったらほしい!

猫好きな方も是非!

 

2025/09/21

【江戸大奥展】

art-20 【江戸大奥展】 東京国立博物館

2509211

国立博物館平成館で開催中の江戸大奥展に行って参りました。
平日でしたが、結構な混み具合。会期末だったからでしょうか。

第1章 あこがれの大奥
まずは歴代将軍の正室のパネルから。知らない人もいたり。

2509212

そして、NHKドラマ「大奥」の衣装がずらり。冨永愛の衣装、やっぱり大きいな。

2509214

2509213

大画面のスクリーンに江戸城が映し出される。
なんといっても、楊洲周延の「千代田の大奥」が見られたのがうれしい。大奥の年中行事とか普段の暮らしぶりなどが描かれている。この中で完結する世界だったのですね。
双六もいくつか。大奥での出世がどうだったかがわかる。

第2章 大奥の誕生と構造
大奥の礎を築いたのは春日の局。座像と絵がある。
大奥の総地図があったけれど、なんと広い!大奥に入ると外に出られないということだが、これだけの広さがあれば結構な運動に??ただ、正室や側室などはそんなに歩きまわったりはしなかったんでしょうね。女中は1000人以上いたとか!!
絶大な権力をほこった御年寄瀧山の遺品も。豪華だけれど、駕籠はそれほど豪華ではないかも?

第3章 ゆかりの品は語る
桂昌院(お玉の方)関連の品。綱吉の母であるお玉の方は、八百屋の娘で、側室にまでなり、玉の輿の由来ともなった人物。
綱吉が側室瑞春院に送った、刺繡掛袱紗のきれいなこと!そして刺繍が細かいこと。
天璋院篤姫と和宮関連。
調度品もすごいのだけれど、着物のなんとゴージャスなこと。目の保養になりますね。

第4章 大奥のくらし
和宮が江戸へ下向した行列を描いた絵巻。中山道をいったわけだけど、結構険しい峠越えがいくつもあったし、道も狭かったしで、大変だったんでしょうね。
すらり並んだ着物。季節ごとの装いがわかる。これまたうっとり。
綱吉の性質浄光院 (鷹司信子)が乗ってきた竹葵牡丹紋散蒔絵女乗物は豪華。瀧山のと格段に違う。
欲しくなったのは薩摩切子雛道具。こういう小さなお道具好きなので。

2509215

2509216

最後は歌舞伎衣装。坂東三津五郎に弟子入りした女性歌舞伎役者の坂東三津江のもの。役者の着物なので、鮮やか。一番気に入ったのは的に矢があたっているもの。エビもインパクト大。

豪華絢爛な大奥の展示。
本日で終了です。

2025/09/14

【ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢】 

art-19 【ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢】 東京都美術館

2509141

開幕2日目のゴッホ展に行って参りました。
予約時間に行くと長蛇の列で、少し待ってから入場。でも中も混み混みでした・・・

第1章 ファン・ゴッホ家のコレクションからファン・ゴッホ美術館へ
ゴッホの作品は弟テオが受け継ぎ、さらに妻ヨーが世に広め、テオとヨーの息子が財団を設立、美術館を開館させている。その紹介。
今回の展覧会はほとんどがファン・ゴッホ美術館所蔵の作品で構成される。

第2章 フィンセントとテオ、ファン・ゴッホ兄弟のコレクション
兄弟は若い頃から版画等をコレクション、パリでは同時代の画家の作品も入手している。
ラッセル「フィンセント・ファン・ゴッホの肖像」。ゴッホは自画像はよく目にするけれど、他の画家が描いた物はあまりみたことがない。自画像よりはイメージ近いのかも?
モンティセリ「花瓶の花」。ゴッホはモンティセリの影響を受けたという。花の色遣いとかだろうか。
ファンタン=ラトゥール「花」。この影響も大きそうだ。
花関連でいうとクォストの「タチアオイの咲く花」がきれい。
ゴーギャンの「雪のパリ」はヨー感謝の印として送られた作品の一つという。わりとオーソドックス。
ゴッホは浮世絵を収集していたとのことでその展示も。「種まく人」は特に浮世絵の影響を感じますね。それにしても強烈な色彩だ。

第3章 フィンセント・ファン・ゴッホの絵画と素描
オランダ時代
「ルナリアを生けた花瓶」。花でなくさやを描いていて、沈んだ色調の静物画。
「女性の顔」。じゃがいもを食べる人々にいる顔だなと。
「鳥の巣」。リアルに描いているが、ゴッホは鳥の巣をコレクションしていたとか。
パリ時代
「ヴィーナスのトルソ」「膝をつく人体模型」。ゴッホとしてはめずらしい石膏像。この人体模型、筋肉凄い!と思ったらホントにこういう模型だった・・・
「グラジオラスとエゾギクを生けた花瓶」。モンティセリなどの影響を受けての静物画だろうか。この時期の色調明るくてよい。
「モンマルトル:風車と菜園」はゴッホとしては穏やかな作品。
「画家としての自画像」。ヨーは当時の姿に最もよく似ていると言ったそうだが、ゴッホは生気がなくもの悲しい顔と記しているという。後者な気がするが。
アルル時代
「浜辺の漁船、サント=マリー=ド=ラ=メールにて」。明るい海の風景。ゴッホにとって地中海は憧れの海だったようだ。
「耕された畑(「畝」)」。かなりの厚塗り。空がよい。
サン・レミ時代
「木底の革靴」。治療をしつつ、絵を描いていたゴッホは目にしたあらゆるものを描いたらしい。これは自分の靴だけれど、ゴッホらしいタッチ。この絵好きだな。
この頃、ミレーの模写をたくさんしているゴッホ。このみのテーマなのだろうけれど、ちゃんとゴッホ作品になっている。
「オリーブ園」2作。このうねり!!木が生きているかのよう。
オーヴェール= シュル=オワーズ
「農家」。緑が基調で、綺麗な絵。もちろん、ゆがみはゴッホらしい。
「麦の穂」。麦のクローズアップして描いているのがおもしろい。

第4章 ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルが売却した絵画
会計簿の展示があったがなんと細かい!

第5章 コレクションの充実 作品収集
ファン・ゴッホ美術館はゴッホ作品だけでなく所蔵品を増やしている。時にはゴッホの作品があらたに加わることも。
ラッパルト宛のゴッホの手紙がよい。スケッチ入りの手紙だ。
シニャック、ヴィヤール、ピサロ、ボナール、ドニ、ヴラマンクなどが並ぶ。ドニ好きとしてはドニ作品はうれしいし、ピサロ、シニャックの作品がよかった。

最後にイマーシブ・コーナーがあり、ここは撮影可。ちょっと酔いそうになるけれど、迫力あり!

2509142

2509143

2509144

是非どうぞ。

 

2025/08/11

【黙然たる反骨 安藤照展】

art-17【黙然たる反骨 安藤照展】 松濤美術館

2508111

松濤美術館で開催されている【―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―】に行って参りました。

2508113

2508114

安藤照という彫刻家の名前は最近まで知らず・・・
渋谷駅にいまあるハチ公は二代目で、一代目は戦争に拠出されてなくなってしまったことは聞いていたけれど、名前は知らなかったのと、二代目を作ったのがこの方の息子さんの彫刻家であることははじめて知ったのだった。

安藤照は、空襲で亡くなっており、アトリエも焼失したため、ほとんどの作品が失われ、残っている作品はわずか30点ほどという。
ということもあり、この展覧会も安藤照だけでなく、その周辺の彫刻家の作品も展示されていた。

門下にあったものの、のちに袂をわかつことになった朝倉文夫の猫なども。

第2章は動物彫刻。
動物好きだったそうで、ポインターを7頭も飼っていたとか。ポインターをモデルにした作品、かなりリアルだ。
鶉やめじろもかわいいけれど、なんといっても兎がかわいい!この丸っこいフォルム!

第3章にはハチ公が。
ちっちゃな作品だが、忠犬ハチ公を作る際、寄付金を募って、そのお礼として贈られたものとか。
耳の折れ具合がいいなあ。

第4章は、朝倉文夫と袂をわかち、塊人社を結成した頃の作品、そして同士達の作品が並ぶ。
こうしてみると、ごくごくオーソドックスな作風だなと思う。

第5章は戦時下で作られた作品など。
多くの彫刻家たちが戦争をモチーフにした作品を作る中、安藤照は自分の作りたいものを作ったのだという。

2508112

54歳で亡くなり、作品のほとんどが失われたのが残念です。

2025/08/09

【ピカソの人物画展】

art-16 【ピカソの人物画展】 国立西洋美術館

素描展を見た後、常設展へ。
その中野版画素描展示室で開催されていた小企画展がピカソの人物画。

まあピカソといえば人物画ですよね。

1_20250809182801

入口にあったのが「女性の肖像(クラーナハ(子)に基づく)」。この絵がこうなる?というおもしろさ。バルセロナのピカソ美術館で見たベラスケスの「ラスメニーナス」をモチーフに描いた58枚の連作を思い出しました。

2_20250809182901

若い頃の「リュイス・アレマニの肖像」と「座る若い男」。ごくごくフツーのうまい絵だ。

3_20250809182801

これは好きなペン画。「ペラ・ロメウと四匹の猫」。

4_20250809182801

「貧しき食事」。若い頃はこうしたテーマも描いてたんですね。

5_20250809182801

「青い胴衣の女」。ちょっとピカソらしさが出てきた。手がごつい。

6_20250809182801

「夜、少女に導かれる盲目のミノタウロス」。気味の悪さ。

7_20250809182801

「顔」。細かい素描。

8_20250809182801

「ヘアネットの女性」。クレオパトラかと。

9_20250809182801

「窓辺の女性」。キュビズムが入ってきてる。

10_20250809182801

11_20250809183101

「小さな丸帽子を被った座る女性」からの「女性の胸像」。変化しすぎなのでは?彼女は怒らなかったのだろうか。

12_20250809183101

「男と女」。ピカソの主題が詰まった作品。

こちらも是非。

2025/08/08

【スウェーデン国立美術館 素描コレクション展】

art-15【スウェーデン国立美術館 素描コレクション展】 国立西洋美術館

1_20250808183101

西洋美術館で開催中の素描展に行って参りました。
チケット売り場に列ができていたのだけど、多くは常設展に行く人たちで、素描展自体はそれほど混んでおらず、快適に鑑賞することができました。
すべて撮影OK。

素描は、下絵だったり練習だったりもするが、それ自体も完成品ということも多い。いずれにせよ、画家の力量がよくわかるものである。

第1章 イタリア

2_20250808183101

ウーディネ「空飛ぶ雀」。かわいらしい水彩。

3_20250808183101

ベッカフーミ「老人とその他の顔の習作」。たくさんの顔が描かれていて一種前衛アートのような感じに。

4_20250808183101

パルミジャニーノ「聖ヨハネと男性聖人を伴う「長い首の聖母」のための習作、左に向かって歩く男性」。油彩画「長い首の聖母」の習作だが、まだまだはじめの段階の素描なのかも。

5_20250808183101

バロッチ「後ろから見た男性の頭部」。ルーブルにある「キリストの割礼」の下絵。ささっと描いているのだろうけれど、陰影がしっかりついている。

6_20250808183101

ドメニコ・ティントレット「ウィルギニアの死」。ティントレットの息子だそう。人物は躍動感があふれている。

7_20250808183101

8_20250808183101

カラッチ「頭を反らし目を閉じた仰向けの若い男性の裸体習作」。とてもリアルだ。「画家ルドヴィーコ・カルディ、通称チゴリの肖像」は描写がとても細かい。

第2章 フランス

9_20250808183101

プリマティッチョ「アレクサンドロスとタレストリス」。ファッションデザインのよう。

10_20250808183101

プリマティッチョ周辺「白鳥の騎士」。なぜ白鳥の上に??どうやら仮装行列かなにからしい。

11_20250808183401

ニコロ・デッラバーテに帰属「蛙男」。これは舞台衣装のデザインらしい。ちょい不気味だけど、確かにおしゃれだ。

12_20250808183401

カロの「聖アントニウスの誘惑」2点。カロの版画は実に細かいのだが、下絵も相当細かく描かれている。

13_20250808183401

シモン・ヴ―エ「聖エリザベト」。柔らかな絵。

14_20250808183401

ブルドン「紅海渡歩」。聖書の場面が劇的に描かれる。

15_20250808183401

ルネ・ショヴォー「テッシン邸大広間の天井のためのデザイン」。ポスターになっている作品。スカーフの柄かしらと思ったが、天井画といわれる確かにと。広間、ホールの天井画がこれだったら素敵でしょうね。

第3章 ドイツ

16_20250808183401

「右を向く馬の頭部」。愛らしい馬。

17_20250808183401

ゲオルク・レンベルガー「8つの男性の頭部習作」。ペン画のよう。

18_20250808183401

「洗礼者聖ヨハネの斬首」。うーん、外で斬首されたんだっけ?

19_20250808183401

グリューネルヴァルト「髭のない老人の頭部」。デューラーのサインあるけれど、これは誰かがあとで書き加えたものとのこと。

20_20250808183401

こちら本物デューラーの「三編みの若い女性の肖像」。線が自由自在。さすが。

21_20250808183801

グリーン「下から見た若い男性の頭部」。とてもリアル。うつろな目にも見えるし、死んでるようにも見えたり。

第4章 ネーデルランド

22_20250808183801

ヤン・ブリューゲル「旅人と牛飼いのいる森林地帯」。さらさらっと描いたような素描だけれど、ちゃんとらしさがある。

23_20250808183801

ルーベンス「アランデル伯爵の家臣、ロビン」。衣装の方に重点が置かれてるのかな。下絵なんですね。

24_20250808183801

レンブラント「キリスト捕縛」。力強い線。「夜警」を思い起こさせる。ちゃんと光と陰も表現されている。

25_20250808183801

フィッセル「眠る犬」。今回一番気に入った作品。なんて気持ちよさそうに眠る犬だろう!マグネット購入。

26_20250808183801

ボッテル「狐の習作」。やっぱり動物作品が好きなんだな、自分。

27_20250808183801

ホルツィウス「自画像」。髭や髪がなんと細かいこと!

28_20250808183801

レンブラント「ティティア・ファン・アイレンブルフの肖像」。あたたかみのある肖像画。

29_20250808183801

オスターデなどの作品は、風俗画的でこの地方ならでは。

30_20250808183801

ワーテルロー「1本の木のある風景」。嵐だろうか。

思った以上に楽しめた展覧会。
是非どうぞ。

 

 

2025/08/06

村内美術館

art-14 村内美術館

村内美術館は2008年に行って以来である。
当時は、バルビゾン派の作品を多く集めた美術館・・・だったのだが、リニューアルして「家具と絵画のコラボレーション」美術館に変わっていた!!

第4章と第5章の一部は撮影できないが、その他は撮影可。

第1章 椅子の森
椅子、椅子、椅子。あらゆる椅子が並ぶ。

1_20250806155001

モンロー椅子。曲線が悩ましい。

2_20250806155001

このあたりの椅子はちょい座りづらそうかな。

3_20250806155001

ラビットという椅子は確かにうさぎの耳みたい。
左のも椅子???あちこち寄りかかれるということかしら?

4_20250806155001

袋っぽいものも椅子・・・案外座りやすいのかも??

5_20250806155001

森にちなんだ絵が並ぶ中でひときわ目をひくのは東山魁夷の作品。緑が美しいなあ。

第2章 椅子の花園

6_20250806155001

東郷青児の前に並ぶ椅子。右は靴を履くときによいそうで・・・後ろにささってるの靴べらだ!一番向こうは柳宗理の有名なバタフライスツール。

7_20250806155101

椅子と絵画は結構マッチしていて、この椅子と絵もなんとななく、人を感じさせないところがあってるなと。

8_20250806155001

小松崎邦雄「花の衣」。いやはやインパクトのある絵だ。刺青??

9_20250806155001

平松礼二「朧桜月光」もこのソファによくあっている。
右の椅子は柏戸椅子といって、柏戸関に贈られたものだそう・・・案外小さい気がしました。

第3章 花鳥風月
なかなかゴージャスなお部屋。

10_20250806155001
右側は洋風、左側は和風で。

11_20250806155201

ユーグ・クロード・ピサロ(あのピサロとは関係ない?)「ポンピエの舞踏会」はなかなかいい絵だけど、調度品も豪華で素敵。

12_20250806155201

ガレやドーム兄弟のガラス作品もあり。

13_20250806155201

漆塗りのタンスがまたきれいなこと!

14_20250806155201

孔雀の屏風絵もきらびやか。

第4章 懐かしのバルビゾン派
この部屋は撮影禁止。
昔この美術館に来たときはこの部屋の作品を主に見たなという印象。
ミレーのチョーク絵、ドービニーの川の風景、ジャックの羊(羊のぬいぐるみがたくさん置いてあって、みな画家にちなんだ名前がついている)など、どれも好きな絵だけれど、クールベが特によいなあと。

第5章 印象派、エコール・ド・パリと現代日本気鋭の画家たち
一部撮影可。
印象派、藤田嗣治は不可。
ルノワール、すごいファンではないのだけど、ここの2作品は好き。

15_20250806155201

キスリング、ビビッド。キスリング展でも見た気がするけれど、一番好きなのは花束の絵。

 

ブラマンクの静物画は、力強い線がフォービズムだ。

16_20250806155201

遠くから見えていたが、 田渕隆三「ファルストの丘(スイス アルプス)」いいですねぇ。アルプスの山々がダイナミックに描かれている。よくよく見るとパラグライダーが飛んでるんですね。

第6章 水の都ヴェネツィア讃歌

17_20250806155201

大好きなビュフェのヴェネツィアを描いたリトグラフが並ぶ。またビュフェ美術館に行きたいなあ・・・
パバロッティのカンツォーネが流れ、いい雰囲気だ。

18_20250806155201

ゴンドラのミニチュアもよくできてるなあ。

第7章 フランスのエスプリと日本のモダニズム

19_20250806155301

智内兄助の作品、怖いなあ・・・
病んでるよ・・・なんか落ち着かない気持ちになる作品だ。

20_20250806155701

20_20250806155801

カシニョールも柔らかな雰囲気がいいけど、一番気に入った作品はアイズピリの「ヴァイオリンを持つエミリー」。

21_20250806155801

22_20250806155701

ホールには車、休憩室にも絵画と椅子がありました。

とてもユニークな構成の美術館。
是非どうぞ。

2025/07/22

フランス近代美術の風景画―コローからマティスまで

三菱一号館美術館のリニューアルに伴い、小展示室があらたにできた。
ここ、前は企画展のショップになっていた場所ではないかと・・・

年3回、三菱一号館の所蔵作品、寄託作品を用いての小企画。

今回は、「フランス近代美術の風景画―コローからマティスまで」。

どの絵も好きなんだけど、今回のイチオシはマティスの「波立つ海、エトルタ」。
マティスも描いてたか!

2025/07/21

【ルノワール×セザンヌ展】

art-13【ルノワール×セザンヌ展】 三菱一号館美術館

1_20250721120901

三菱一号館美術館で開催されているルノワールとセザンヌ2人展に行って参りました。
リニューアルオープン後初の三菱一号館。絨毯がひかれて、気になっていた床の音がしなくなったのがいいですね。
到着した時(11時頃)は入場まで20分待ちとのことで、ネットでチケット買っておけばよかった!と思ったけれど、持っていても同じ列に並ばないといけないのでそれほど変わりはなかったのでした。

ルノワールとセザンヌというと、接点がないのでは?と思っていたけれど、実際は交流があったし、セザンヌの方が2つ年上!勝手に、セザンヌはルノワールよりだいぶあとの人かと・・・
この2人の作品を対比させつつの展示おもしろい。

2_20250721120901

まずは静物画。ルノワールの「桃」はみずみずしくおいしそう。並べるとセザンヌの「わらひもを巻いた壺、砂糖壺とりんご」は、りんごなどの配置とか視点に目が向きますね。

続いて風景画。

3_20250721120901

4_20250721120901

ルノワールの「雪景色」は印象派風で、セザンヌの「樹木と家」は幾何学的な要素が少し入ってきている。セザンヌの描く木は不思議な角度で曲がっていたりする。
続いての部屋はセザンヌの風景画が続く。

5_20250721120901

「舟と水浴する人々」。水浴図の一つだが、3つに分割されたあと再びつなぎ合わせた作品とのこと。

6_20250721120901

「赤い岩」は岩の色も目立つのだけど、ここに岩を配置するか!という。浮世絵の影響があるらしい。
ルノワールの風景画。

7_20250721120901

「海景。カーンジー島」。これルノワールと札がなかったらモネと間違えそう!

8_20250721120901

「イギリス種の梨の木」。もわっとした印象。

9_20250721120901

「アルジェリア風景、ファム・ソヴァージュ(野生の女)峡谷」。ちょっとエキゾチックな風景。手前はアロエなのかな。

次は人物画。
人物画というとルノワールだけど、セザンヌも何点か。

10_20250721120901

11_20250721121001

「画家の息子の肖像」、「セザンヌ夫人の肖像」。ルノワールの中に混じると、よりいっそう固い印象を受ける。

12_20250721121001

「庭のセザンヌ夫人」は、はじめて見たかも?未完成なのかしらん。ささっと描いた感じ。
ルノワールの人物画は柔らかな光に包まれ、色彩もあたたかみを帯びている。影は緑や青を用いているけれど、基本は暖色系。
ワタクシはルノワールよりセザンヌ派なのだけど、今回きているルノワールの人物画の中で好きなのは、「ピアノの前の少女たち」。

14_20250721121001

セザンヌの「草上の昼食」という作品があった。
このタイトルから想像すると、ん?と思ったけれど、ちゃんと服を着て普通の昼食のよう笑

15_20250721121001

16_20250721121001

水浴図が3点。よくよく見ると、結構人体がねじれてるなあ。

17_20250721121001

ルノワールは自分の子供をよく描いていて、ジャンやクロードを描いた作品が数点。当時、男の子も3歳くらいまでは女の子の格好をさせていたということで、ほんとに女の子かと・・・

18_20250721121001

「ピエロ姿のクロード・ルノワール」の衣装、インパクトある。
最晩年の作品「バラをさしたブロンドの若い女性」。全体としてバラ色なのだけど、モデルになった女性はのちにジャンと結婚した女性なのだそう。

再び静物画。

19_20250721121001

ルノワールの静物画は色彩が美しく、どれもあたたかみがある。

20_20250721121001

テーマとしておもしろいのは「桟敷席の花束」。まさに席に置かれた花束だけを描いている。舞台や劇場の人々を描かないところがおもしろい。

21_20250721121201

22_20250721121201

セザンヌはやはり、静物をどう配置するかということに興味があるのだろう。そして、多面的に物を見ていていろんな視点が混じるところがおもしろい。本人は意図していなかっただろうけれど、キュビズムのはしり。りんごに梨に、壺、瓶。形のおもしろさ、構図のおもしろさ。

23_20250721121201

やっぱり、ルノワールの方がおいしそうに見える笑
苺もりんごも梨も・・・

オランジュリーとオルセー企画監修の展覧会。
是非どうぞ。

 

 

より以前の記事一覧

twitter

google


  • Google

    WWW
    ブログ内

amzon