文化・芸術

2017/11/29

【運慶展】

art-48 【運慶展】 東京国立博物館(平成館)

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最終日前日の夕方に見てきました。
大変な混雑と聞いていてだめかなとあきらめかけたのだけど、ツイッターを見たらチケット待ち10分、入場待ちなしと出ていたので行くことに。実際は入場も10分弱待ちました。
中はかなりの混雑で、いやはや見るのが大変でした・・・

第1章 運慶を生んだ系譜‐康慶から運慶へ
運慶のデビュー作、「大日如来座像」からスタート。
運慶の父、康慶の「法相六祖座像」と「四天王立像」(いずれも興福寺)が並ぶ。
六祖座像は、いろいろなお顔の僧侶たち。結構リアルである。
四天王は炎の流れるような感じが迫力あり。踏まれている邪鬼がなんかユーモラスだ。
同じ興福寺の運慶作「仏頭」もきていた。螺髪がだいぶとれてなくなってしまっているが、意志の強いお顔だ。

第2章 運慶の彫刻‐その独創性
まずは、「阿弥陀如来座像および両脇侍立像」、そして「不動明王立像」と「毘沙門天立像」。阿弥陀如来と観音菩薩、勢至菩薩は優美、不動明王と毘沙門天は力強い。
そして、私が一番見たかったのが「八大童子立像」の6躯。
それぞれ個性的だが、一番目立っているのは赤い制多伽童子でしょうかね。
でも私が一番好きなのは、恵喜童子なんである。今はなくなってしまった300円切手の図柄になっていた童子なのだけど、本物が見られるとはうれしい限り。
どれも顔に力はいってるな~(笑)
作者不詳(運慶作かもしれないとする説あり)の四天王像に囲まれた「無著菩薩立像・世親菩薩立像」がまたすばらしい。無著菩薩立像は特に穏やかなやさしげな表情をしていて落ち着く。
「大威徳明王坐像」は小さいながらとても迫力があるが、残念ながら手足がだいぶかけてしまっている。

第3章 運慶風の展開‐運慶の息子と周辺の仏師
運慶作かどうかは明らかになっていないが「重源上人座像」はリアルで、きっと結んだ口が頑固そうな?性格だなと思う。
運慶の長男湛慶の作品である三十三間堂の「千手観音菩薩坐像光背三十三身像のうち 迦楼羅・夜叉・執金剛神」はいいなと思ったが、湛慶作かどうかわかっていないらしい「子犬」がツボ。応挙の子犬のように丸々しい。
「天燈鬼立像 龍燈鬼立像(こちらのい三男康弁作)」は楽しい。よいしょと灯籠をかつぐ鬼たち。
また最期の部屋で「十二神将立像」がすべてそろっていたのはうれしい(国立博物館のもの5、静嘉堂文庫のもの7)。ついつい自分の干支のをじっくり見てしまった。

残念ながらすでに展覧会は終了しています。

2017/11/28

【ゴッホ展 巡りゆく日本の夢】

art-47 【ゴッホ展 巡りゆく日本の夢】 東京都美術館

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勤務日だった土曜日。
食事をしたあとに向かったのは上野。
十中八九というか10割だめだと思っていた、怖い絵展の長蛇の列を横目に向かったのは都美術館。
ゴッホ展である。
ゴッホというとしょっちゅうやっているイメージがあるが、今回は日本との関わりにスポットを当てた展覧会である。

1 パリ 浮世絵との出逢い
オープニングはパリで描いた自画像。
その後、パリで出会った浮世絵と印象派の融合とでも言うべき作品が並ぶ。
今回の一つの目玉、「花魁(渓斉英泉による)」。
この絵は渓斉英泉の「雲龍打掛の花魁」が元ネタで、さらにこの浮世絵を反転させたイリュストレ誌の表紙絵のゴッホなりの絵である。その周囲に絵が描かれているのは何かなあと思っていたが、龍明鬙谷「芸者と富士」、二代歌川芳丸「新板虫尽」などのモチーフがとられているのだった。黄色い色が強烈である。
「カフェ・ル・タンブランのアゴスティーナ・セガトーリ」の背景にもよくよく見ると浮世絵が描かれていた。
浮世絵的な構図ということで、マネ、ロートレック、ベルナールの展示もあった。

2 アルル 日本の夢
ゴッホがアルルの地にきて、日本的だといったのはよくわからない部分もあるのだが、一つの理想が日本で、アルルもゴッホにとっては理想郷だったので結びついたんでしょうか。
この章の絵はひたすら明るいですね。
「雪景色」は本邦初公開。水平線が遠く、前の景色を強調している点は浮世絵的。
水平線が上すぎるという点では「サント=マリーの海」もそう。
「種まく人」は題材的にはミレーだけれど、手前に梅の木が大きく描かれていて、これはまさに広重の「江戸名所百景 亀戸梅屋敷」である。
広重といえば東海道五十三次だが、濱松とゴッホの「木の幹」の木のイメージがそっくりなのにはびっくりした。
糸杉やアーモンドもいいですね。
アルルにおいて、ゴッホは跳ね橋をいくつか描いているが、あの有名なのではなくて、なぜっか一部分しか残っていない絵がある。「水夫と恋人」であるが、スケッチを元にこの絵の全体を復元するというおもしろい試みがされていた。なぜこの一部分だけが残ったんでしょうね。

3 深まるジャポニズム
しばしば見る「寝室」がまたきていた。このゆがんだ部屋がおもしろい。
「タラスコンの乗合馬車」は初公開とのこと。
これは、ロティの小説『お菊さん』の影響を受けての絵らしい。
顕著な輪郭線(確かに馬車は縁取られている)、平坦な色面(べたっと塗ってる)、鮮やかな色彩(その前からも結構鮮やかでしたが)が特徴とのことだが、構図も浮世絵っぽいですね。
この頃の肖像画(今回の展示は「アルルの女(ジヌー夫人)」、「男の肖像」)は浮世絵の大首絵の影響だそう。確かに写楽の絵の影響とかはありそうですね。
日本的なモチーフとして描かれたのは夾竹桃だそうで。
初公開の「夾竹桃と本のある静物」はそのものずばりだけれど、違う絵の背景にも夾竹桃は描かれていた。
「オリーヴ園」は前々から好きな作品の一つだが、この頃から絵が大きくうねりはじめている。

4 自然の中へ 遠ざかる日本の夢
パリ時代の三枚の風景画も好き。
特に「アニエールの公園」、「蝶の舞う庭の片隅」。明るく美しい風景だけれど、言われてみて気づくのは地面がしめる割合が多いということ。これも浮世絵の構図の影響なんでしょうね。
サン=レミ時代の幹を描いた2枚、特に「草むらの中の幹」は強烈な印象。普通はなかなか置かない色である。うねってるし。
「ポプラ林の中の二人」(初公開)はちょっとシュールですね。手前は明るい色彩なのだけど、奥は暗く、闇が見えるようだ。
「蝶とけし」、「ヤママユガ」のクローズアップ画面も強烈。
これまた浮世絵の花鳥画の影響があるのかもしれませんね。

5 日本人のファン・ゴッホ巡礼
日本人はゴッホ好きと言われるけれど、そのルーツは大正~昭和初期の時代にあったらしい。
こぞってオーヴェル・シュル・オワーズに詣でたという。
ゴッホの最期を看取ったガシェ医師の息子がゴッホの絵画20点あまりを持っていて、それを見たりお墓を訪ねたりした。
芳名録やガシェ氏との書簡の展示があった。

こういう切り口のゴッホ展はなかったのかもしれませんね。
日本初公開作品もあって見逃せない展覧会かと。
是非どうぞ。

2017/11/26

【オットー・ネーベル展】

art-46 【オットー・ネーベル展】 Bunkamuraザ・ミュージアム

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山種美術館~昼食を経て、渋谷に移動、オットー・ネーベル展を見てきました。
オットー・ネーベル?はじめて聞く名前のように思えるけれど、過去に見たことはあるんですね。ベルンの美術館とか。

プロローグ:オットー・ネーベル―「シュトゥルム」と「バウハウス」時代の芸術家
ベルリン生まれのネーベルはバウハウスでカンディンスキーやクレーと出会い、影響を受けるとともに友情をはぐくむ。奥さんもバウハウスで教鞭をとっていた人のアシスタントだった人なんですね。
バウハウスの校長室が再現されていたが、実際に見るとおもしろいだろうなあ。
家具なども斬新で。

1. 初期作品
まずシャガールの影響を大きく受けていると思われる作品からスタート(シャガールの作品も4点展示)。色使いがまさにシャガールだ。「山村」、「アスコーナ・ロンコ」で一気にネーベルが気に入る。この色いいなあ。
「避難民」。ネーベルはナチスの迫害から逃れてスイスへと移住しているが、その頃描かれたもの。その後も生活はかなり苦しかったとのことだが、この絵自体は決して暗くはない。むしろ希望が感じられる。

2. 建築的景観
ネーベルは若い頃建築家を志していたという。
というところはなんとなくわかる感じで、設計図的な絵もあったり、かなり抽象画に近づいているのもあったり。

3. 大聖堂とカテドラル
おもしろい大聖堂の絵。
こういう切り取り方はあまりしないなあという。デザイン的。

4. イタリアの色彩
ネーベルの一つの転換期が3ヶ月に渡るイタリア旅行だったようだ。
ここから一気に抽象画へとなっていく。
各街を描いた「イタリアのカラーアトラス」。カラフルなたくさんの四角で描かれているのだが、まるでカラー見本のよう。
いや、でもこれ好きだな~
なんか、ああこの街ねというのがわかるのである。

5. 千の眺めの町 ムサルターヤ
まさに中近東的な風景なのだけど、カラーアトラスの延長のような、でももうちょっと形があるような・・・

6. 「音楽的」作品
こうなると、カンディンスキー的ですね。
音符や記号的な図柄が描かれているのもあるけれど、なんか音楽が聞こえてきそうな、はずむような・・・
楽しい作品群。

7.抽象/非対象
こちらもカンディンスキーに近いものはあるけれど、次第にカンディンスキーから離れていっている。
題名を見てああそうねと思えるものもあるけれど、首をひねるものもあったり。

8.ルーン文字の言葉と絵画
ルーン文字(古いゲルマン文字)に興味をもったネーベルはこの文字を取り入れたたくさんの絵を描いている。
これはクレーっぽいですね~
クレーの作品もあわせて展示があったけれど、ネーベルの方が明るい色彩ですかね。
なんか楽しい。

9.近東シリーズ
2,5につながる作品群。

10.演劇と仮面
生活のために、ネーベルは俳優として働いていたこともあったとか。

11.リノカットとコラージュ-ネーベルの技法の多様性
リノカットは初期の頃にも見られるが、後期にはコラージュ作品も。
正直、コラージュは今ひとつだったような・・・

知られざる画家、オットー・ネーベル。
とても気に入りました。
是非どうぞ。

2017/11/24

【川合玉堂 -四季・人々・自然-展】

art-45 【川合玉堂 -四季・人々・自然-展】 山種美術館

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没後60年という川合玉堂の展覧会に行って参りました。
ワタクシ、玉堂は大好きな日本画家の一人なので楽しみにしていました・・・

第1章 若き日の玉堂
「鵜飼」からスタート。
岐阜県で育った玉堂は鵜飼になじみがあり、繰り返し描いているがその一枚。
15~17歳くらいの時の写生画巻が出ていたが、うまいこと!
観察力に優れていたというのもあるだろうけれど、緻密なデッサンで感心しきり。
猿がかわいいこと。なんでも、観察するために小猿を飼っていたことがあるらしい。
この章でもっとも気に入ったのは、「夏雨五位鷺図」。ななめに降る雨の表現がすばらしい。
青梅市立美術館蔵の「赤壁」もすばらしい。

第2章 玉堂とめぐる日本の原風景
赤壁に続く屏風絵の「紅白梅」も見事。琳派の流れをくむ作品だが、シジュウカラが何羽か描かれているところがかわいらしい。
別バージョンの「鵜飼」。この美術館所蔵の作品。
最近、山種では1作品のみ撮影オッケーということが多いが、今回はこれ。しばしば見る作品ですね。
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しばしば見るという点では「春風春水 」もだが、これまた好んで描いた風景、渡し船の風景である。春の柔らかい光が感じられる作品。
これははじめてかもしれない「春渓遊猿」も気に入った。猿がいいんですよ!
「渓山四時図」もいい。玉堂の好きなモチーフがたくさん描かれていて、これぞ玉堂。右隻から左隻がトンネルでつながる感じもおもしろい。
「早乙女」や「遠雷麦秋」など、晩年移り住んだ奥多摩の自然を描いた作品もたくさんあった。なんかこういう風景見てると落ち着くんですね。

第3章 素顔の玉堂
この章はバラエティに富んでいた。
らしくないのは「氷上(スケート)」。こんな作品も描いていたんですねぇ。
人物のイメージはあまりないもので・・・
といって別に不得意というわけでもないようで、次男の奥さんを描いた作品などきれいな美人画風である。
横山大観、川端龍子との合同展の出品作品である「竹」、「竹(東風)」は鳥が描かれているのがポイント。
「荒波」はとても神奈川県の沖とは思えない・・・荒々しい。元々は戦意高揚を目的とする展覧会への出品作品だったという。
「虎」「熊」はちょっとかわいらしいし、「猫」は飼い猫なんでしょう。ささっと描かれてようだが、ほんとによく特徴を捉えている。

若い頃から晩年までの絵が網羅されている展覧会。
是非どうぞ。

2017/11/07

【シャガール 三次元の世界展】

art-44 【シャガール 三次元の世界展】 東京ステーションギャラリー

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汐留から移動、東京ステーションギャラリーへ。
シャガールの展覧会である。
まずまずの人の入り。

絵画から彫刻へ――《誕生日》をめぐって
今回の展覧会はシャガールの彫刻・陶芸へ焦点をあてた展覧会。
まずはじめに代表作の一つ、「誕生日」の展示。
ベラとシャガールの恋人同士の幸せ感満載の絵画。色もカラフルだけれど、シャガールなんて飛んじゃって首が曲がっちゃってますから(笑)
これを彫刻にするとどうなるのか?
あら、びっくり。大理石の彫刻で何の色もないのに、まさにシャガールなのである。ひと目見ただけでああシャガールとわかる。

空間への意識――アヴァン・ギャルドの影響
初期のシャガールはいろいろな影響を受けていたようで、中でもキュビズムの影響は大きかったらしく、かなりキュビズム寄りの作品もあった。
ここから彫刻へと発展していったのかと思いきや・・・
彫刻をはじめたのはだいぶあとなんですね。

穿たれた形――陶器における探究
陶器(ツボなど)とその下絵が並んで展示されている。
この色遣い、シャガールだなと下絵で確認、お隣の陶器は・・・カラフルだなあ。これまた見てすぐにシャガールとわかる。
ロバ、雄鶏、飛ぶ人などお馴染みのモチーフもちりばめられ、彩色されている。

立体への志向
動物モチーフの作品、肖像、重なり合うかたち。
絵画と彫刻と両面からの展示である。
この中で一番おもしろかったのは重なりあうかたちだろうか。
動物と人物、複数の動物など組み合わさった作品で、絵画・・・平面でもその組み合わせがおもしろいのだけれど、彫刻だと立体的でさらに見る楽しみが増すと思う。

平面と立体の境界
聖書を主題とした作品群がよかったですね。
絵画と彫刻とどちらがよいか?と言われると悩むし、どちらも好きなのだが・・・
彫刻が思ったよりすばらしく・・・
絵画の方がカラフルだけど、彫刻はシンプルさゆえに訴えかけるものが大きいというか・・・

これは、今年のベスト5に入るかも?な展覧会でした。
是非どうぞ。

2017/11/05

【表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち展】

art-43 【表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち展】 パナソニック汐留ミュージアム

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金曜日祝日、怖い絵展に行きたいなあと思っていたのだけど、どうやら激混みらしいと聞いてあっさりあきらめ、こちらを。

第1章 カンディンスキーとルオーの交差点
カンディンスキーとルオーに接点が?というのがまず疑問だった。
同世代の画家ではあるけれど、作風はまったく違うし・・・
解説を読むと、お互いが活動の拠点としていた展覧会に作品を出品しあったことがあり、カンディンスキーがルオーが館長を務めていたモロー美術館を訪れたことがあった・・・というくらいらしい。
積極的な関わりがあったというわけでないんですね。
というわけでお互いの作品に影響を及ぼし合ったという関係ではないのでしょう。
まず第1章はそれぞれの初期の作品。
この美術館所蔵のものは何度か見ていているものが多いが、他の美術館所蔵のものははじめてのものがほとんど。
ルオーでは、「町外れ」が気にいった。寂しい情景。
カンディンスキーの初期の作品はあまり見たことがなかったかもしれない。
「水門」はベタッとした風景画で、こんな絵も描いていたのか!と。
「商人たちの到着」はロシア風な光景が広がるが、よくよく見ると色の置き方がおもしろい。これはのちのカンディンスキーへの布石かも?
この2枚いいですねぇ。
いずれも宮城県美術館蔵。カンディンスキーコレクションは36点を数えるとのこと。

第2章 色の冒険者たちの共鳴
カンディンスキー、クレー、その他ドイツ表現主義の画家の作品+ルオー。
やはりカンディンスキーとクレー、ドイツ表現主義は親和性はあるけれど、それとルオーは違いますね・・・
クレーの初期の頃の作品から。これまた宮城県美術館蔵。クレーも30点以上持っているらしい。
風刺画のような?のちのクレーからは想像できない作風である。
ヘッケル、ペヒシュタイン、カンペンドンクといったドイツ表現主義の画家たちの作品は強烈な印象。プリミティヴアートのような、ペヒシュタインなどはゴーギャン風でもあり・・・
色が強烈なのである。
カンディンスキーはかなり抽象的になってきているが、一時期パートナーだったミュンターの作品も抽象的。題名も「抽象的コンポジション」。色味はどっちかというとクレーっぽいような?
今まで見たことがなかったルオーが見られたのはうれしい。
「フランスの田舎」や「月明かりモンタナの思い出」など、フツーに風景画のように思えて、宗教的な情景を描いているようにも見える。

第3章 カンディンスキー、クレー、ルオー —それぞれの飛翔
3人が最終的にどのような境地にたどりついたか・・・
クレー、カンディンスキーはすべて宮城県美術館蔵のもの。
クレー
やはりワタクシの好きなクレーはこの章にある作品。
一番好きなのは「橋の傍らの三軒の家」、次点は「グラジオラスの静物」。
雑誌の表紙にありそうな「綱渡り師」もいいですね。
クレーの色遣いが好き。
カンディンスキー
ほぼ題名が素描なのでわかりづらいけれど(笑)
音楽のようなと言われたような、弾むような絵画。見ていて楽しくなる作品たち。
ルオー
ルオーといえば、やはり太い輪郭線!という作品群。
はじめて見た作品もありました。

カンディンスキーとルオー、やはり接点はないように思えたけれど、無理やりこじつければ、両者とも色へのこだわりはあったということだろうか?

いやしかし、宮城県美術館のコレクションが見られてよかったです。
是非どうぞ。
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2017/10/09

【生誕120年東郷青児展】

art-42 【生誕120年東郷青児展】 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館

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朝倉彫塑館に行ったのち、損保ジャパンで東郷青児展を見て参りました。

実は、ワタクシ、東郷青児はあまり得意ではなく・・・
しかし、この展覧会は初期~晩年まで見られるし、先日の日曜美術館でもやっていて、ちょっとだけ興味を持ったので行ってみることに。

第1章 内的生の燃焼 1915~1928年  Flame of the Inner Life
この第1章が一番興味深かったですね。
東郷青児が作風を確立する前に修業時代。
ヨーロッパに渡って、キュビズム、未来派などの影響を大きく受けての作品。
これが意外といいんですね。
作風は全然定まっていないのだけど、ワタクシ、こういう作品の方が好き。
キュビズム風あり、もうちょっと後のピカソ風あり、カンディンスキー風あり・・・
それでもこの時代からちょっぴり東郷青児風な作品も見受けられた。

第2章 恋とモダニズム 1928~1930年代前半  Love and Modernism
時代が進むとモダニズム・・・というかシュールな絵に。
この美術館のロゴマークにもなっている「超現実派の散歩」。この題名もよくわからないけれど、まさにシュルレアリズム。古賀春江などと親和性があるような・・・
どうでもいいことだけれど、この作品も片方の手だけ手袋をし、片方だけ靴を履いているのだが、他の作品でも片方だけソックスだかストッキングをはいていて・・・これってどういう意味なんだろう?
そして、この展覧会で一番気にいったのが、「月に吠える」。単純化されたシュールな犬と月。これ、マグネットがあったら買ったんだけどなあ。

第3章 泰西名画と美人画 1930年代後半~1944年 Western Style Masterpieces and Portraits of Beauties
ほぼ東郷青児の完成形である絵が並ぶ。
その中で興味深かったのは、藤田嗣治との競作。
京都の丸物百貨店というデパートの壁画だったのだが、それぞれ非常によく特徴が出ているのである。
フジタのを見ればああやっぱりフジタと思うし、東郷青児はその特徴が現れつつあるし。
ちなみに「海山の幸」という作品では、フジタの手も入っているらしいのだが、やはり海のものをフジタが描いたんでしょうね。壁画もフジタは「海の幸」、東郷は「山の幸」だったので。

第4章 復興の華 1945~1950年代  Flower of the Recovery
東郷青児ワールド全開!
白い髪、ベタッとした塗り、様式化された女性。
これがちょっと苦手なんですね。マリー・ローランサンがあまり得意でないのと同じ意味で。
でも、雑誌や本の装丁なんかにはあうのかなとは思いましたね。
デザイン的なのであうと思う。
この章で一番よいと思ったのは、晩年の作品「若い日の思い出」。柔らかな雰囲気がよいです。

東郷青児の作風の変遷がよくわかる展覧会。
是非どうぞ。

2017/10/08

【猫百態―朝倉彫塑館の猫たち―展】

art-41 【猫百態―朝倉彫塑館の猫たち―展】 朝倉彫塑館

前々から行ってみたいと思っていた朝倉彫塑館に、やっと行くことができました!
猫の展覧会をやってると聞いたからにはいかざるをえません・・・

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日暮里駅から約5分。
玄関はコンクリート造のアトリエ棟の方にあり、靴はぬいでビニールに入れて持って歩く。

入ってすぐに猫がお出迎え。
「餌はむ猫」。食べてるのは魚?煮干し?
ぐるっとアトリエを見渡すと猫、猫、猫・・・
なのだが、ん?この大きいのは大隈重信像?
早稲田にあるのと同じように見えるけど・・・
どうやら、3つ作ったらしく、こちらにあるのは2番目に作ったものらしい。
早稲田で見ると立て看だらけで(今はどうなのか?)そうそう近づいて見られなかったものだけど、近くで見てみると実に大きく堂々としている。

アトリエは天井が高く、三方から光も入って開放感があるが、なんでも地下には電動昇降台の装置があるらしい。これで高さを変えて、かがんだり無理な姿勢をしなくても作ることができたということのようだ。

眠る猫、獲物の捕らえる猫、子猫たち、のびをする猫、歩く猫、じっと何かを狙う猫、首の後ろをつままれた猫・・・
いろいろな姿の猫が、アトリエだけでなく、住居棟の方にも展示されている。
アトリエで一体、散歩中とあってどこにいるのかなあと思ったら、二階の和室でくーくーと眠ってました!

どの猫たちもよく特徴をとらえていて、リアル。
多いときで15,6匹の猫を飼っており、よくよく観察した結果、まるでホントに生きているかのような猫たちができたのだろう。
いや~かわいい!彫刻好きの方だけでなく、猫好きな方も必見!

1964年、東京でのオリンピック開催が決まった時、オリンピックにあわせて猫百態展を企画したものの、その年の4月に急逝、この願いは叶わなかったという。猫100匹、見てみたかったですねぇ。

アトリエの最後に、代表作の1つ、「墓守」があり、その後住居棟へと入る。
まずは書斎。
画家であり舞台美術家である娘、朝倉摂(昔、ヤマトタケルを見たな~)のスケッチ(これまた猫がかわいい)、書簡なども展示されていた(前期のみ)。
蔵書がすごい数だが、恩師の先生の蔵書を借金までして買い戻したものだとか。

中庭も素敵。どこから見ても絵になります。
建物内部と中庭は撮影NGなのが残念ですねぇ。昔はOKだったらしいのだけど。

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天王寺玄関からは外に出ることができる。これまた趣がありますね。

居間、茶室、寝室、ピアノの間を中庭を囲むようにぐるりと見学したあとは2階へ。素心の間からの中庭の眺めも美しい。

3階に上がったところにあるのが要人をもてなすために使用したという朝陽の間。部屋の中は赤い瑪瑙壁、外の壁は貝を混ぜたという白い壁でコントラストが素晴らしい。

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そこから屋上に上がることができる。是非とも晴れた日にいくべきですね。
朝倉文夫は、菜園として使用していたそうだが、今は庭園となっている。
大きなオリーブの木があり、「砲丸」(これは玄関からもちらっと見えている)と「ウォーナー博士像」という作品もある。
この当時、屋上に菜園があるというのは画期的だったんでしょうね。

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下って、アトリエ棟の2階にある蘭の間へ。
かつて蘭の栽培室(蘭の栽培が趣味だったという)として使用されたという。建物の中ではここだけ撮影OKだった。
ここに、AKN(朝倉の猫!)総選挙投票場所があって3つまで投票できるということでワタクシも投票。
迷ったのだけど、「吊された猫」、「のび」、あと題名は忘れてしまったが寝ている猫にした。次点、「餌ばむ猫」。

これで終了。

彫刻も素晴らしいけれど、邸宅も素敵です。
是非一度!

2017/09/18

【藤島武二展】

art-40 【藤島武二展】 練馬区立美術館

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練馬区立美術館で開催された生誕150周年記念藤島武二展に行って参りました。
ホントは日曜日に行くつもりが台風で延期(行けなくはなかったけれど)。最終日に行くことになった。
最終日だからか、多少混雑あり。

序章として、「婦人と朝顔」からスタート。ちょっとけだるい雰囲気の絵。

Ⅰ-1 修業
藤島武二の師たちの絵画が数点。
この中で気にいったのは、曾山幸彦「上野東照宮」(平山東岳「松下虎図」も猫のような虎がお茶目)だが、一番その影響を感じるのは黒田清輝。
「池畔納涼」など、非常に黒田清輝的である。「湖畔」のイメージ。
「桜の美人」は顔が緑色で、ルノワールを連想するけれど、黒田清輝の「アトリエ」もそうなんですね。

Ⅰ-2 飛躍
藤島武二は装丁も多く手がけているが、アール・ヌーヴォーのような、ミュシャ的というか。
与謝野晶子の『みだれ髪』もそうだったんですねぇ。
その他の与謝野夫妻の作品も多く手がけており、雑誌の表紙などもたくさん展示されていたが、グラフィカルでおしゃれ。へえ、こういイメージなかったな。
この時代、絵葉書がブームになったそうで、藤島の作品もたくさんあったが、ヌーヴォー的だったり、ラファエル前派的だったり、なかなかよいのである。
ラファエル前派といえば、「夢想」もそう。ロセッティの影響を受けたとあったが、確かに雰囲気はそうかもしれない。

Ⅱ-1 留学
フランス、イタリアに留学したことが転機となった藤島。
残念ながら、イタリアへ移動する際に、パリで書きためた作品の多くが盗難にあってしまい現存しないとのことだが、「ヴェルサイユ風景」は現地で描いた絵の一つ。
この風景画はわりとオーソドックスだったが、イタリアで描いた「糸杉」などは、かなり抽象化された作品である。
やはり、人物画の方が印象に残りますね。
「チョチャラ」、「イタリア婦人像」、「老人像」いずれもいい。

Ⅱ-2 模索
帰国後、東京美術学校の教授となり、文展に出品するも不本意な結果が続く。
模索の時代であったようだが、確かにそれまでとは違った作風の作品もちらほらと登場している。
人物画の「うつつ」は細かい描写が減って大胆になり、静物画「アルチショ」はゴッホのよう。やや線の細いフォービズム的作品もあったり、「カンピドリオのあたり」は壁画のよう。色はドニのよう。
以前見たことがある(ブリヂストンでの「描かれたチャイナドレス展」)「匂い」もきていた。日本人が油彩でチャイナドレスを描いたはじめての作品とのことだが、これまたちょっとけだるい雰囲気。

Ⅱ-3 転換
ルネサンス期には横向きの女性像が一般的で、そこから発想を得て、藤島も多くの横向きの女性像を描いている。
今回は「鉸剪眉」、「東洋振り」など。
モデルは日本人?のようだけれど、ドレスがチャイナドレスということもあって、アジアンな雰囲気。
「東洋振り」は女性の顔が優しげで素敵だ。

Ⅲ-1 追求
宮中学問所からの依頼を受け、日の出を描こうと考えた藤島は、各地を旅する。日本のみならず台湾やモンゴルなども。
というわけで日の出の絵はたくさんあったのだが、次第に単純化されていって、日の出だけに集中しているかのよう。船などはあまりしっかり描かれていない。
モネの「印象、日の出」の雰囲気を目指したのだろうか。
この時期、風景画を多く描いているが、それほど色鮮やかでないフォービズムといった感じ。

Ⅲ-2 到達
日の出の絵の一つだが、内蒙古で描いたという「蒙古の日の出」、これはいいですね。
らくだはささっとしか描かれておらず、砂漠も曖昧な感じなのだけど、日の出の色が美しい。風景画ではこれが一番のお気に入り。
絶筆もやはり日の出を描いたもので「港の朝陽」。さらに曖昧さは増していて、すべてが溶け合うかのような絵であった。
そして、最後に飾られた絵は、「耕到天」。セザンヌのような、ポン=タヴァン派のような。平面的な風景画。大きな作品で迫力があった。

藤島武二の画風の変遷がよくわかる展覧会でした。
見たことのない作品も多く、充実しています。

残念ながら、本日で展覧会は終了です。 

2017/08/29

【レオナルド×ミケランジェロ展】

art-39 【レオナルド×ミケランジェロ展】 三菱一号館美術館

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渋谷から移動、この日の3つめの展覧会は、レオナルド・ダ・ビヴィンチとミケランジェロの展覧会。それも素描に焦点を当てた展覧会である。

序章:レオナルドとミケランジェローそして素描の力
レオナルドの自画像(ファクシミリ版)とミケランジェロの肖像画からスタート。2人ともとっても気むずかしそう(笑)
そして、いきなり、今回のハイライトが。
ダ・ヴィンチの「少女の頭部/岩窟の聖母の天使のための習作」とミケランジェロの「レダと白鳥の頭部のための習作」。
両者とも、習作とは思えない完成度で、甲乙つけがたいが、ミケランジェロの方が完成度が高い気がする。
レダの方はモデルが男性とのことで、確かに言われてみると男性的な骨格のようだ。
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Ⅰ:顔貌表現
さすがレオナルド!きっちり比率を計算して正確に描写した素描があった。
「老人の頭部」、これもそうなのかな。頑固そうな老人。
ミケランジェロの素描は、斜め上や斜め下から描いたものが多かった。おおっ、システィーナ礼拝堂天井画のための素描ですね。

Ⅱ:絵画と彫刻:パラゴーネ
レオナルドは絵画、ミケランジェロは彫刻。
レオナルドは絵画の優位性を主張したが、ミケランジェロはどちらがすぐれているかの議論はやめようと言ったという。
とはいえ、ミケランジェロは彫刻家的な視点から絵を描くこともあったのだろう。
「背を向けた男性裸体像」の習作は筋肉の描き方が彫刻的だ。

Ⅲ:人体表現
2人とも実際に解剖して人体の構造を研究している。
筋肉、骨格など、さすが!なのである。
しかし、ミケランジェロはさらにマニエリスムの方向へと向かっていき、最後の審判など、体のねじれはすごい。

Ⅳ:馬と建築
馬に関心が高かったというレオナルドはたくさんの馬の素描を残している。
筋肉を描くということに関心があったのかもしれない。

Ⅴ:レダと白鳥
共にオリジナル作品は現存していない「レダと白鳥」だが、今回は追随者による作品が残されている。
どちらが好みかというとミケランジェロかなあ。
レオナルドの作品は、白鳥が黒鳥のように黒かったり、2つの卵から双子が2組産まれたところも描かれていたりして、ちょっと不気味だ。

Ⅵ:手稿と手紙
レオナルドの手稿、たくさん残されているが、これ、見るの楽しみですね~
アイディアの宝庫。レオナルドのあふれ出るアイディアは、実現不可能なものもあるけれど、今ならできそうなものもあったり。やはり天才だ。
ミケランジェロの書簡は、詩もあったりとか、繊細な一面も垣間見える。

終章:肖像画
レオナルドの「月桂樹の冠をかぶった男性の横顔」はややデフォルメした感じもある。

最後、1階に降りると、ミケランジェロの未完の作品(後年別の彫刻家の手で完成された)「十字架を持つキリスト」の展示があった(撮影可)。どこまでミケランジェロの手によるものかわからないが、よく持ってきたなあと。
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2人の違いを是非とも!

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