文化・芸術

2026/05/05

【クロード・モネ ―風景への問いかけ展】

art-10【クロード・モネ ―風景への問いかけ展】 アーティゾン美術館

アーティゾン美術館で開催中のモネ展に行ってまいりました。
オルセー美術館から来日した41点を中心に構成された展覧会。
11時半の予約で行ったのですが、当日券は完売とあったので、予約が必須かと・・・

第1章 モティーフに最も近い場所で

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ブーダン、コロー、シスレー、トロワイヨンなどと並ぶモネの絵。「ノルマンディーの農場」をはじめとして、この頃のモネの絵は実にオーソドックスである。

第2章 写真室1:モティーフと効果
モネが当時見たであろう風景の写真。

第3章 《かささぎ》とその周辺――雪の色
ルノワール、シスレー、そしてモネの描いた雪景色。

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ルノワールの作品は雪が妙に青かったりするが、モネも白い雪をいろいろな色で表現している。
「荷車、オンフルールの雪道」も雪が美しいけれど、なんといっても「かささぎ」。修復を経てよりいっそう、明るくなった。ポツンととまっているカササギがいいアクセントだ。

第4章 風景画と近代生活

アルジャントゥイユを描いた風景画がどれもよいのだが、水に映るヨットなどが大胆な筆致で描かれている「アルジャントゥイユのレガッタ」が特によい。

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「昼食」は日の当たっているところとそうでないところのコントラストが美しい絵だ。

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ちょっとおもしろい趣向の絵が、シスレー「サン゠ドニ島」、ピサロ「ヴォワザンの村の入口」モネ「舟」の3枚がつながった額に入れられたもの。よくよく見るとそれぞれの特徴が出ている。

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「トルーヴィル、ロシュ・ノワールのホテル」。旗がはためく様子に目がいく。

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「サン=ラザール駅」。蒸気の表現!

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「パリ、モントルグイユ街、1878年6月30日の祝日」。人人人。活気にみちた絵である。

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「石炭の積み下ろし」。モネらしからぬくらい色調。

第5章 四季の循環と動きのある風景

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川の風景の数々。
どれも水面に映る景色がきれいだなあと。

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「アルジャントゥイユの洪水」。洪水も題材にしてしまうんですね。

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「氷塊」「ヴェトゥイユの解氷とラヴァクールの風景」など、氷の風景いいなあ。

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「死の床のカミーユ」。何度か見ているけれど、画家の性とはいえ、よく描くなあと。

第6章 1880年代の風景探索

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「税関吏の小屋、午後の効果」。構図がおもしろい。

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ベリールを描いた作品数点は、波の荒々しさが印象的。

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「オランダのチューリップ畑」。きれいだなあ。とても今回気に入った作品の一つ。

「ボルディゲーラのヴィラ」はちょっとルノワール的。

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「ディエップ近くの断崖」の色合い美しい。

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「戸外の人物習作-日傘を持つ右向きの女」。さわやかな風が感じられる作品。顔が描かれていない・・・というかモネって人物画があまり好きじゃなかったんだろうかと思ってしまうけれど、景色のほうに重点を置きたいのかも。

第7章 ジャポニスム
広重や北斎など。

第8章 連作―反復―屋内風景

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「エプト川のポプラ並木、風の日」。西洋美術館にもポプラ並木ありましたね。
ロンドンの橋も何点もあるし、ルーアンの大聖堂も。

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こちらのほうが好きかな。

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「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」。水に映る陽光の美しさ。

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「黄昏、ヴェネツィア」。この夕日も美しい。

第9章 写真室2:効果と反射

第10章 写真室3:ジヴェルニーの庭のクロード・モネ

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「ジヴェルニーのモネの庭」。これもまた今回気に入った作品の一つ。なんてきれいなお庭!

第11章 池の中の世界――睡蓮

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「ノルウェー型の舟で」。西洋美術館の作品を連想させる。

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「ジヴェルニー近くのセーヌ川支流」。水面に映る木々が写真のよう。

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「睡蓮の池、緑のハーモニー」。緑がきれい。

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睡蓮や柳を描いた作品が何点もあったけれど、やはり晩年の作品は、抽象画のようですね。
ガレやドーム兄弟の作品も並んでいたが、これ、モネの作品とよくマッチしていた。

映像の中の風景─動きのある風景

二度にわたる延期の末、ようやく実現した展覧会。
とても充実したモネ展でした。

 

2026/05/01

【夢は叶えるもの ターシャ・テューダー 人生の軌跡展】

art-9【夢は叶えるもの ターシャ・テューダー 人生の軌跡展】 日比谷図書文化館

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日比谷図書文化館で開催中のターシャの展覧会に行って参りました。

第1章 子育て時代
この時代の作品はあまり見たことがなかったかもしれないが、子供たちのために作ったと思われる、ちっちゃなバッグやアドベントカレンダー、よくできてるなあ。これがのちの人形につながるんでしょうね。

第2章 画家ターシャ
子供時代の作品もあったけれど、さすが子供の頃から才能あり!
習作、下絵が何点も。作品に至る前も丁寧な仕事をしているなあと感心。
コーギーの絵本大好きなので習作がみられたのはうれしい。最晩年の作品の習作も。未完成なのが残念だ。
『クリスマスのまえのばん』の絵本原画の展示があったが、この絵本は読んだことがなかったけれど、なかなかいいですね。絵も素敵。

第3章 ターシャの暮らし
レシピノートがあった。ターシャのレシピブックを昔買ったけれど、また作ってみたいなあ。
ターシャの名言の展示もあり、これがまた心に染み入る。

小さな展覧会だったけれど、ターシャ好きとしてはたまらない展覧会でありました。

2026/04/12

【下村観山展】

art-8【下村観山展】 国立近代美術館

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下村観山展に行って参りました。
観山だけの展覧会に行ったのははじめて。

第1部 画業をたどる―生涯と芸術
第1章 若き日の観山(1873–1902 誕生・上京〜修業時代〜日本美術院への参加)
10歳の時の作品があったが、びっくりするほどのうまさ。
10代の写生も実に緻密である。
美術学校時代の練習画「線」は抽象画のようだ。

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若いころも朦朧体のような作品もあり、山水画もあり。結構バラエティにとんでいる。

第2章 西洋を識る(1903–1905 イギリス留学)

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ラファエロの模写があった。ピッティ美術館で見てきた「小椅子の聖母」。日本画の材質で模写してるんですね。原画より柔らかな雰囲気だ。
「ディオゲネス」はギリシャの哲学者。水墨画のように描いているのが不思議な雰囲気。

第3章 飛躍の時代(1906–1913 帰国〜日本美術院再興前夜)
岡倉天心のもと、五浦で作品を描いた時代の作品。
「木の間の秋」は近代美術館で時々目にする作品。近くは濃く描き、遠くは薄く描く遠近法。きれいな絵。

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「唐茄子畑」は構図がおもしろい。猫がひそんでいる!よくよく見ると描写が実に細かいんですね。

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「小倉山」。あの百人一首の絵。右隻と左隻の違いがおもしろい。

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「狐の婚礼」は意外と好きな絵。

第4章 画壇の牽引者として(1914–1931 日本美術院再興〜死没)
ポスターになっている「弱法師」。能にはうといのでお話を知らないのだが、観山は能楽師の家に生まれたとのことで、描くべくして描いたのでしょう。

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「高士観瀑」。滝の表現はちょっと抽象的だ。

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「寒空」。サギがアクセント。

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ちょっとびっくりなのは「魚籃観音」。観音様のお顔がモナリザ!ほんとにモナリザをお手本に描いているのですね。

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「意馬心猿図」。馬より猿に目がいきますね。

第2部 制作を紐解く―時代と社会
第1章 何をどう描いたか―不易流行

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「納涼」。この静けさが好き。

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「鍾馗」。ちょっとユーモラス。

第2章 なぜこれを描いたか―日本近代と文化的アイデンティティ
「蒙古襲来図」。あざやかな色。

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「大原御幸」。これいいですねぇ。あとの半分も見たいところだ。

第3章 作品の生きる場所、作品がつなぐもの

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「三保虹」。虹のなんときれいなこと!

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「楓」。葉の表現の細かさ。一枚一枚美しい。

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最後に絶筆の「竹の子」。くっきり描かれている。

こうしてみると、いろいろな画風の絵を描いているなあと思う。
充実した展覧会でした。

2026/03/30

【安野光雅展】

art-7【安野光雅展】 PLAY! MUSEUM

府中市美術館で開催中の「長沢蘆雪展」に行くつもりだったが、休日は入場まで相当待つことを知って断念。
行ったことがないPLAY! MUSEUMに行ってみることにした。

安野光雅は大好き・・・とくに旅の絵本が大好きだった。
結構読んだことがあると思っていたけれどなんと200冊以上の本を出していたんですね。
おそらく全部の本が展示されていたけれど、読んだことがあるのはごくごく一部。旅の絵本も6冊目以降は読んでいなかった・・・
退職したら全制覇をめざそうかな?

いろいろな作品の原画が展示されていたが、絵本デビュー作の「ふしぎなえ」、これも好きですね。だまし絵でエッシャーみたい。「さかさま」も楽しい。
というか、どれも楽しいんですね、安野光雅の作品は。

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「おおきな ものの すきな おうさま」の大きいもの好きの王様の食事風景を再現したフォトスポットあり。顔を出して撮影できます。この話、読んだことなかったも?突拍子もない発想!

旅の絵本の展示もあり。

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これ、何度見ても飽きないんですよね。随所に、これはあの場面だ、あの人物だというのが隠されていて、1ページ読む(見る)のも時間がかかる。細かいとこ、すみずみまで読みたくなる。

挿画や絵本からチョイスした絵を風景、歴史、自然というテーマでくくって一枚の絵として鑑賞するというコーナーもあった。
確かに一枚の絵として成立するんですね。
なるほど、こういう展示の仕方もあるのねと思いました。

楽しい展覧会でした。

 

2026/02/23

【荻須高徳リトグラフ展】

art-6【荻須高徳リトグラフ展】 八王子市夢美術館

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八王子夢美術館で開催されている荻須高徳リトグラフ展に行って参りました。

荻須高徳というと、佐伯祐三のようなパリの街並みを描いた油絵(もちろん佐伯とはテイストがちょっと違うけれど)のイメージだが、66歳からリトグラフをはじめ84歳で亡くなるまで160点以上ものリトグラフ作品を残したという。
今回の展覧会は、稲沢市荻須記念美術館開館にあたり、荻須が寄贈したリトグラフ作品を中心としたもの。

第Ⅰ章 モノクロ・リトグラフの世界
リトグラフ制作はじめは、モノクロ作品から。
しっかりとした線で描かれており、わかりやすいリトグラフ。
単色でもパリの風景が目に浮かぶ。

第Ⅱ章 カラー・リトグラフの世界
しかし、なんといってもカラーリトグラフが素晴らしい。
荻須の油絵におけるパリの街並みは、空がどんより描かれているのもあるが、なんとなく暗い雰囲気なのだけど(それもまたよいのだが)、カラーリトグラフだと明るい!空はやはり灰色やくすんだ青などで描かれているのだけど、突き抜けた明るさがある。
リトグラフだと使える色に限界があるのがかえってよいのか、一つ一つの色がビビッドに伝わってくる。
パリの風景よりさらに明るく感じるのがヴェネツィアの風景。太陽のまぶしさだ。
荻須はあまり雪の光景を描いていないが、「運河の雪」という作品はよかった。コントラストが美しい。

第Ⅲ章 シリーズ作品の世界
荻須は「パリの顔」、「オギス パリ5影」、「パリの魂」、「パリの散策」、「ブエネツィア」という連作を手掛けているが、今回は「オギス パリ5影」の展示。冬のパリが描かれる。

第Ⅳ章 ポスターや年賀状の世界
メッセージカードや年賀状、ポスターにもなった作品の展示。
こんな年賀状もらったらうれしいでしょうねぇ。

第Ⅴ章 遺作の世界
遺作は完成することがなく、遺族が完成していた部分だけで出版している。

有名な観光地は描かず、ちょっとした路地や何気ない風景を描き続けた荻須高徳の作品はどれも素敵。

是非どうぞ。

 

2026/02/19

【生誕151年からの鹿子木孟郎展】

art-5 【生誕151年からの鹿子木孟郎展】 泉屋博古館

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鹿子木孟郎というと、府中市美術館の常設展示でよく見るがまとまってみたのははじめて。四半世紀ぶりの回顧展だそう。

入ってすぐのホールでは師のジャン=ポール・ローランスの「マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち」と鹿子木の「大正12年9月1日」が向い合せで展示されている。どちらも写実的な歴史画である。

第1章「不倒」の洋画家への旅が始まった。
14歳の時に描かれた「野菜図」からスタート。写実画家の誕生。
鹿子木というと、人物画のイメージなのだが、この頃描かれた風景画が案外よい。
木炭で描かれた「横向きの男」、なんてリアルなんでしょう!

第2章 タケシロウ、太平洋を渡ってパリまで行く。
鹿子木は住友家の援助を受け三度に渡ってヨーロッパ留学しているが、そのお礼として西洋絵画を購入したり、名画の模写を送ったりしている。今回もアングルの「泉」やクールベの「嵐の海」があった。
徹底したデッサン(展示あり)に基づいた人物画は、実にオーソドックス。
「車夫一服(原題):「休息」」や「黄昏」といった日本における人物像は内面もにじみ出てくるようなリアルさがある。

第3章再び三たびのヨーロッパ。写実のその先へ
この章の作品は結構好き。

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「ノルマンディーの浜」が色彩も明るくいきいきとした絵だが、スケッチや習作を見ると念入りに構成されているのだなあと。向こうに見えるのはエトルタの断崖??
「ショールをまとう女」はよく府中市美術館でみる作品だ。
意外と色があざやかな作品が多いなあという印象だが、師のローレンスは赤白緑のコントラストを使った表現が得意だったとのことでその影響かもしれない。

第4章象徴主義の光を受けて ― 不倒の画家、構想の成熟。
「婦人像」がたくさん並ぶ中、非常に印象的なのは「木の幹」。構図もインパクトあるのだが、動きだしそうな木である。

あくまで写実をつらぬいた鹿子木孟郎。
是非どうぞ。

 

2026/01/18

【小林徳三郎展】

art-4 【小林徳三郎展】 東京ステーションギャラリー

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東京ステーションギャラリーで開催されている小林徳三郎展に行って参りました。
小林徳三郎という名前になじみはなく・・・いくつかは作品を見たことがありそうだけど・・・ほぼはじめましての画家である。
フュウザン会、春陽会で活動、木村荘八や萬鉄五郎と親しかったようだ。

1. 洋画家を目指して
若かりし頃はまだ画風が確立しておらず、いろんな作風で、また水彩、油彩、木版画、エッチングと模索していく。
のちの妻となる政子を描いた作品も多い(のちの子供の絵を見ると、子供は奥さんに似てるのだなあと思う)。「胸」もその一つ。
ダンスホールやサーカス、曲芸などを題材とすることが多かったよう。

2. 大正の大衆文化のなかで
フュウザン会解散後、表紙画や装幀などを手掛ける。ゴーギャンぽい画もあった。
また、松井須磨子が看板女優だった芸術座の舞台美術の仕事もしていた。これは貴重な資料かも。
劇団の仕事をやめたあとは教師をつとめつつ、子供向けの印刷物の仕事にも取り組む。

3.画壇での活躍
「鰯」を描いて注目され、「鰯の徳さん」と慕われるようになった徳三郎。
鯵や鯛もあったけれど、鰯の絵がとてもよい!マグネットも購入。おいしそうなのだ。
この頃から自分の子供をモデルにした作品をたくさん描いた徳三郎。次男をモデルとした「金魚を見る子供」2枚、「花と少年」が印象的。次男の成長がよくわかるのだけど、成長するにしたがって、なんかつまんないなあという表情に・・・絵のモデルがいやになったんだろうか?
気に入ったのは、「鳥籠」、「西瓜」。静物画いいですね。

4. 彼の日常、彼の日本 
結核で療養生活を送った徳三郎。この時期からちょっと画風が変わった感じだ。
終戦直前、空襲で自宅が消失、後援者の箱根の別荘に滞在中に風景画をよく描いている。
「海」は国立近代美術館に所蔵された洋画部門の第一号の油彩画なのだそう。夕方の海だろうか。赤い海がきれいだ。

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「渓流」が何枚かあったが、一番好きなのはこれ。

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最晩年の「風景」は穏やかな景色でよいなあと思う。

※本日でこの展覧会は終了しました。

 

2026/01/11

【小出楢重 新しき油絵展】

art-3 【小出楢重 新しき油絵展】 府中市美術館

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府中市美術館で開催中の小出楢重展に行って参りました。
25年ぶりの大回顧展とのこと。

第1章 画家になるまで 1887-1916
はじめは日本画から。
東京美術学校を受験したものの、洋画科には受からずはじめは日本画を学んだとのこと。オーソドックスな画風。
在学中の自画像もごくごくオーソドックス。
風景画はちょっとルノワール風でもある。

第2章 大阪での創作と欧州への旅 1917-1925
楢重は卒業後すぐに認められたわけではなく、30歳をすぎてようやく画壇デビューとなった。
出世作が大原美術館蔵の「Nの家族」。ちょっとデフォルメしているようにも思えるし、静物はセザンヌ風。
同時期に描かれた「芸術家の家族」は、同じに見えて細部がいろいろと違う。本人はよりこっちの方が近いのかな?「Nの家族」は妙に細く描かれているので。
パリに行ってからは少し軽いタッチに変わる。
といっても、風景画はセザンヌっぽい。
この頃の静物画がとてもよかった(これまたセザンヌの影響を感じる)。こんなに静物画を描いていたんですね。
そして、よく見るアーティゾン所蔵の「帽子をかぶった自画像」。これ、光の当たり方がきれいなのです。

特集 信濃橋洋画研究所
小出楢重は、鍋井克之、国枝金三、黒田重太郎とともに、大阪に信濃橋洋画研究所を開設、関西画壇で大きな役割を果たすことになる。
小出楢重、国枝金三、松井正が研究所の窓から見た
風景画が並んでいたけれど、やはりそれぞれ個性があるものですね。楢重のが一番カラフルかも?

第3章 多彩な活動 ガラス絵、日本画、挿絵、装幀、随筆
ガラス絵が並ぶ。
ガラス絵というとはじめに思い浮かぶのは長谷川利行なのだけど、そう、楢重もたくさん描いているんでした。
ガラス絵の裸婦像、意外によいですね。
ガラス絵は逆から書いていかないといけないので難しそうだけれど、まるで普通の絵のようだ。
洋画家になったのちも日本画を描いた楢重。「めでたき風景」などは新しい日本画だ。
装幀や挿絵なども。「蓼喰らふ虫」の装幀そうなんだと。

第4章 芦屋での円熟期 1926-1931
楢重は芦屋の洋館に引っ越し、さらに精力的な画家活動を行う。
静物画と裸婦像が中心となるが、静物画がとてもよいのだ。
初期の静物画はセザンヌ風だったが、構図はまあセザンヌだけれど、色彩は濃く、ねじ曲がったり、いかにも動き出しそうな静物なのだ。
「帽子を冠れる自像」は格好は同じだけれど、デフォルメはあるかもしれないとはいえ、やせてしまっている。自分を骨人と呼んでいたそうだ。
絶筆の「枯木のある風景」は不思議な味わいの風景画。電線に乗っている人物は画家自身なのだろうか。

ハイライト 楢重の裸婦
最後は7点の裸婦像の展示。
裸婦の楢重と言われたそうで、たくさん描いているのだが、すべて日本女性。そして顔をほとんど描かないという・・・
ややデフォルメされているように思えるし、妙に胴が長かったり、ねじれてたりとユニークだった。

是非どうぞ。

2026/01/05

国立西洋美術館 初展示&新収蔵作品

西洋美術館の常設展示はゆっくり見ていると半日でも足りないので、さーっと流すのだけれど、初展示&新収蔵作品はじっくり見ることにしている。今回の初展示&新収蔵作品。


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トゥッチ「聖母子と幼児洗礼者聖ヨハネ」
古典的な技法。

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アムベルガー「バルバラ・シュヴァルツの肖像」
16世紀ドイツの肖像画家の作品。ドイツらしい作品。

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ガリツィア「ホロフェルネスの首を持つユディト」
おなじみの題材。17世紀初頭ミラノで活躍した女性画家だそう。侍女がおばあさんではないのですね。

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ジョルダーノ「マギの礼拝」
光が印象的だし、衣装がビビット。厩感はないけれど・・・

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モネ「睡蓮」
初展示作品。これ見たことなかったのかな。これ、好きかも!

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クリムト「アッター湖の島」
これがクリムト!!風景画はめずらしいと思う。構図がおもしろい。お隣に展示されていたガッレン=カッレラの「ケイテレ湖」とよく似てるなあと。

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ジャコメッティ「カロリーヌ」
彫刻家としてしかあまりなじみはないのだけど、肖像画を結構描いているんですね。彫刻ほど細くはないんだな・・・

今年もまた作品が増えるのでしょうか?

 

2026/01/04

【デューラー「三大書物」の木版画展】

art-2【デューラー「三大書物」の木版画展】 国立西洋美術館

【オルセー美術館所蔵 印象派 室内をめぐる物語展】を見た後は常設展へ。
版画素描展示室で今回やっていたのはデューラーの三大書物の木版画。

デューラーが自ら出版した「黙示録」、「大受難伝」、「聖母伝」の版画を一挙公開!西洋美術館は50年以上かけてこの3つのシリーズを取得したのだそう。

「黙示録」

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黙示録って難解でちゃんと理解しているとは言い難いし、四騎士のお話は今の世の中を表しているようで怖いなあと思うのだけど、デューラーの生きた時代も混乱の時期だったのかもしれないですね。
一枚、一枚意味がわかるわけではないのだけど、なんといってもこの細かさ(木版画でこの細かさ!)と迫力。圧倒されます。
「大受難伝」

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キリストの一生はわかりやすいテーマ。
ドラマチックな版画集・
「聖母伝」
聖母マリアの誕生前から死のあとまでの物語。
この版画集については、正直なところ、ストーリーよりも、デューラーのサインが気になって仕方なかった。札?があちこちにかかっていたり、地面に落ちていたり、石に刻まれていたり・・・遊び心を感じる。

いやあ、いいコレクションですね。

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