文化・芸術

2022/08/15

【石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 田園、家族、都市】

art-20【石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 田園、家族、都市】 アーティゾン美術館

【ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎展】を見た後はコレクション展も見学。

いつも見る作品もあり、めったに見ない作品もあり・・・

今回気に入ったのは・・・

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レジェ「抽象的コンポジション」。

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円空仏。

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ジャコメッティ「ディエゴの胸像」。

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レンブラントのエッチング「大きな樹と小屋のある風景」。

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パウル・クレー「小さな抽象的-建築的油彩」。

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猪熊弦一郎「都市計画(黄色№1)」。

特集展示コーナーは、田園、家族、都市。

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シスレーの「レディーズ・コーブ ウェールズ」は、青木繁の「海」を連想させる。

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ピラネージの版画作品もよいのだが、ちょっとおもしろいと思ったのが、ホガースの「ビール街」と「ジン横丁」。風刺が効いている。ジン横丁、ひどすぎ(笑)。

 

2022/08/14

【ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎展】

art-19【ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎展】 アーティゾン美術館

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アーティゾン美術館で開催中の青木繁と坂本繁二郎の二人展に行ってまいりました。
アーティゾンは久留米生まれ同い年のこの二人の作品を多く所蔵していて、この美術館ならではの展覧会。二人展は1956年以来66年ぶりの開催だそう。

第1章 出会い

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坂本繁二郎の墨画「立石谷」からスタート。ちょっと写真みたいな画だが、まだまだ特徴はない。
青木、坂本はともに森三美の画塾で絵を学んでおり、それぞれが師と同じ風景を描いていて並んで展示されていたけれど、いずれも師の作品の方がよいかな~
青木は先に上京、画壇デビューを果たしており、その後坂本が追う形で上京する。
それぞれの修行時代のスケッチ、デッサンなどを見ると、やはり方向性の違いは見てとれる。

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これははじめて見たが、青木は博物館に通い、舞楽、伎楽面をスケッチをしており、これがのちに古事記などを神話を題材とした作品へのスタートになったのかなあと思う。

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青木「輪転」。裸で輪になって踊る女性たちを描いているが、神秘的。

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一方の坂本「町裏」は非常にリアルな庶民の姿を描く。という具合に違いが次第に明白に。

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青木、坂本らは千葉の布良へと写生旅行に出かけ、坂本から聞いたことをもとに青木の代表作の一つ「海の幸」が描かれる。いつみても不思議な絵だ。まだ未完成のような・・・一人だけこちらを向いている白い顔の人物は誰なのか・・・
青木は天才肌というか、芸術に対する思いがほとばしるような作品を描くのですね。「自画像」も力がみなぎるような姿が描かれている。

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「海」と題する作品がいくつかあるが、点描っぽいタッチで荒々しい波が描かれており、クールベを連想させる。

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「大穴牟知命」は蚶貝比売と蛤貝比売が死んでしまった大国主命を生き返らせようとしている場面を描いているのだが、妙にリアルな感じもあり、このお話自体を知らなかったら、いったいなんだこれは?と思いますね、きっと(笑)
旧約聖書の挿絵ははじめてみたが、なかなかよいですね。古事記などに通ずるものがある。

第2章 別れ

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青木繁「わだつみのいろこの宮」。代表作の一つだが、東京勧業博覧会で3等賞の末席という不本意な結果に終わり、久留米に戻り二度と東京に戻ることなく、経済的に追い詰められる中、放浪の末28歳で亡くなる。
「わだつみの・・・」は古事記の海彦山彦を題材にとっているが、とても洋風な絵。海山彦がちょっと中性的で不思議な感じ。
九州に戻ってからの絵は、注文に応じて描いた風景画、肖像画などが多いが・・・もちろんいい作品もあるのだが、本意ではなかったのかも・・・

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漁村風景などなかなかいいと思うけど。

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青木の「自画像」と坂本の「自画像」が並んで展示されていたが、圧倒的にインパクトがあるのは青木の方。

第3章 旅立ち 坂本繁二郎
燃え尽きた青木繁に対し、坂本繁二郎は、次第に名声を得て、87歳まで穏やかに絵を描き続けた。

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この頃から、坂本は牛を描くようになる。
そしてあまりイメージなかったけれど、パリに留学もしているんですね。
色が変化したのかな?水色、ピンクなど淡い色を使った作品が多くなっている。

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アーティゾンでよく見る「帽子を持てる女」もそう。

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この頃の風景画「放水路の雲」や「熟稲」など、雲の表現含めていいなあ。

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帰国後、好んで描いたのは馬。坂本繁二郎といえば馬のイメージだが、どれもあたたかみのある絵で素敵。
やがて、馬が減ったのと、視力の衰えもあって、静物画へと移行。

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りんご、梨、柿、植木鉢、鶏卵(ピンクだったり水色だったりちょっとシュールだが)など。

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案外よかったのが、風景版画である。

第4章 交差する旅

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坂本は能面をたくさん描いていて、練馬区立美術館で見た展覧会でもたくさん見たのだが、青木もまた描いていて、共通する題材があったのですね。
青木は正確なデッサン、坂本の作品は趣味という感じ(自ら買い集めた能面を描いたという)。

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青木は壁画を描いたことはないが、壁画を念頭に描いたと言われるのが「天平時代」。めずらしく楽しそうな絵だ。
「漁夫晩帰」は「海の幸」を連想させる作品。

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80歳を過ぎて坂本は月を描くようになる。幻想的な作品が多く、絶筆「幽光」も不思議な感じだ。
対する青木の絶筆は「朝日」。荒い波の上に朝日が昇ってくる様子を描いて力強い。

とても見応えのある展覧会でした。
是非どうぞ。

2022/08/12

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室

汐留美術館の行き帰りにいつも通る旧新橋停車場。
いつかは入ろうと思っていたのだけど、今まで機会がなく・・・
ようやく入ってみることに。

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建物は鉄道開業時の新橋停車場の外観を再現したもの。
このあたりの再開発の際、昔の駅舎、プラットホームの遺物が発掘されていて、これは常設展示室でも展示がある。

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行ったときは、「鉄道開業150年記念 新橋停車場、開業!」という企画展をやっていた。開業式典の様子を描いた浮世絵が興味深かった。

東京ステーションギャラリーでは、次回展示が【鉄道と美術の150年】ということで、これは是非見にいきたいですね。

 

2022/08/11

【キース・ヴァン・ドンゲン展】

art-18【キース・ヴァン・ドンゲン展】 パナソニック汐留美術館

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【キース・ヴァン・ドンゲン展】に行って参りました。
キース・ヴァン・ドンゲンの絵、たまに見ることはあるのだけれど、まとまってみたことはないですね。なんでも日本での回顧展は44年ぶりとのこと。
そもそもこの展覧会はスルーしようかと思っていたのだけど、【スイス プチ・パレ展】で1枚見て、たくさん見てみようかなという気になり行くことに。

第1章 新印象派からフォーヴィスムへ
キース・ヴァン・ドンゲンはオランダ生まれだが、パリに移住、挿絵画家として名を知られるようになる。
数枚展示があったが、ロートレック風だ。
その後、新印象派からフォービズムへ。なかなかに色彩は強烈で、インパクトのある絵が並ぶ。
「私の子供とその母」。のちに離婚することになる妻と娘を描いた絵だが、あたたかみがある。
官能的な女性の絵などもあるが、おもしろいのは「パリジェンヌ または 美の小径」。なぜ二人の女性は同じポーズでこちらを見ているのか・・・

第2章 フォーヴィスムの余波
やがてヴァン・ドンゲンがパリで成功、社交の場で多くの女性の絵を描くようになる。
女性は皆細長くデフォルメされて描かれているのだけれど、非常にエレガントな作品もあり(ポスターにもなっている「楽しみ」など)、不思議な絵もあり(「羽飾り帽の婦人」は「パリジェンヌ・・・」と同じテイスト)・・・
エジプトやスペインを旅しての絵はエキゾチックだ。

第3章 レザネフォル
第一世界大戦後の狂騒の時代、ヴァン・ドンゲンの名声は頂点に。
相変わらず、女性を多く描いているけれど、優雅な感じ。
ドレスの色が目を引く「ドゥルイイー指揮官夫人の肖像」がいいなあ。
しかし、意外とよいのが挿絵と風景画。
ヴァン・ドンゲンといえば女性像というイメージだけれど、パリ、カンヌ、ドーヴィルなど明るい色彩で華やかだ。
お花の絵はちょっとルドンの「グラン・ブーケ」を連想したり。

キース・ヴァン・ドンゲン作品がまとまって見られる貴重な機会。
是非どうぞ。

 

2022/08/10

【浮世絵動物園展】

art-17【浮世絵動物園展】 太田記念美術館

港区郷土歴史館に行った後昼食をとり、向かったのは原宿。
久しぶりの太田記念美術館である。

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何度か開催されている浮世絵動物園が今年も。
動物の絵は好き。
ということで鑑賞。

まずは鈴木春信「猫に蝶」からスタート。何度となく見ている作品だけれど、きめ出しの手法で立体的なのがおもしろい。
これまたよく見る広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」。ご主人の仕事が終わるのを待つ猫の後ろ姿、ちょっと哀愁漂う。
ということで、はじめのコーナーはペットとしての動物。
猫、犬ですね。
普段あまり注目していないけれど、国芳のみならず、広重や北斎の作品にも描かれてるんですね。

お次は馬牛。
人の役に立ってきた馬牛。
なんといってもこれは広重の「名所江戸百景 四ッ谷内藤新宿」。構図がおもしろいし、馬糞まで描かれているとは・・・
河鍋暁斎「東海道 高縄牛ごや」。大名行列を描いた作品だけれど、牛が確かに気になる!

国芳「木菟に春駒」。疫病退散かな。
森光親「厄病除鬼面蟹写真」も同様。
なまずは地震が怖いという絵かな。

ファッションとしての動物も。
着物の柄が蟹だったり、コウモリだったり・・・
蛇はちょい気持ちが悪い気も・・・
かんざしにもついていたりするんですね。

見世物。
やはり虎は猫っぽいし、象もちょっとちょっと違うんですね。
まあ見たことがなくて描くと仕方ないのでしょう。

動物の擬人化はおもしろい。
国芳「蝦蟇手本ひやうきんぐら」。これカエル?ちょっとシュールなんだが・・・
歌川芳藤「廓通色々青楼全盛」。さぎとカラスがけんかをしていて、まわりにつばめやらカワセミやら・・・顔だけが鳥という。なかなかユーモラスだ。
歌川芳藤「兎の相撲」。この当時うさぎを買うのがはやったというのだが、いやいくらなんでもこんな柄のウサギはいないでしょうというのがいるのだ。

伝説としての動物。
港区郷土歴史館の展示でも見たけれど、化け猫といえばの、楊洲周延「佐賀の怪猫」。皆さん怪談好きだよね~
おなじみの坂田の金太郎も何枚かあり。

もっとも奇妙な動物といえば、虎小石。
歌川芳員「東海道五十三次内 大磯 をだハらへ四り」に描かれている、なんとも珍妙な生き物。きもかわいいというか・・・太田記念美術館のマスコット?としてグッズやLINEスタンプなんかも売っている。

動物画はどれも楽しめますね。
是非どうぞ。

 

2022/08/08

【"Life with ネコ"展】

art-16【"Life with ネコ"展】 港区立郷土歴史館

猫の展覧会があると聞いて行ってみることにした。
やっていたのは、港区立郷土歴史館。

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この建物は、昭和13年竣工の旧公衆衛生院を平成21年港区が取得、改装し、平成30年郷土歴史館としてオープン。

安田講堂に似てると思ったら、設計者は同じ、内田祥三氏だった。
重厚な建物だ。

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展覧会は、2階(入ったフロア)の特別展示室にて。
そんなに広いスペースではないのだけれど、効率的に場所を使ってうまい展示だ。

縄文時代の狩猟獣ーオオヤマネコ
Ⅰ ネコの痕跡
日本最古の猫(弥生時代)の骨が出土したのは、壱岐のカラカミ遺跡だそう。犬よりあとに出現したようだけど、案外古くから猫もいたんですね。
古墳でも猫と思われる動物の足跡が残った器なども出土されている。

Ⅱ ネコの記帳
今まで気づいていなかったけれど、なんと鳥獣戯画にも猫が!(甲、丙)
そして、枕草子、更級日記や源氏物語にも・・・
と聞くとちょっと読んでみたくなる。

Ⅲ 暮しに溶け込むネコ
猫の絵といえば、国芳!
ということで、国芳や歌川派の絵師たちの浮世絵がいろいろ。
さすが、国芳は猫好きだけあって、よく特徴をとらえていると思う。
擬人化されたねこたちも楽しい。
猫好きといえば、徳川慶喜もそうだったのだろうか?慶喜が撮影したという飼い猫ハンの写真の展示もあった。
玩具の展示もあり、猫鼠十六むさしというゲームは是非やってみたい!
招き猫はたくさん並んでいるとちょっと怖いけれど(笑)、丸〆猫(今戸焼)はかわいい。
猫の皮は三味線になるとは聞いていたけれど、あまり実際の皮は見たくなかったな・・・犬の皮より薄くてなめらからしい・・・

Ⅳ ネコの仲間たち、日本へ
虎が日本にきた時は物珍しく、全国に巡回、こぞって見に行ったらしいが、中にはヒョウを虎として見世物にしてりもしていたとか・・・
みんな知らないからな~
しかし、虎はめったに見ることができる動物ではなかったから、絵にすると、ほぼ猫だ(笑)

Ⅴ 永遠のライバル~イヌ~
日本最古の犬の骨が見つかった時代は縄文時代。
日本書紀や古事記にも登場する。
江戸時代になると洋犬も輸入されて、細い犬(ボルゾイとか?)なども描かれるようになる。

展示の点数が結構多く充実。

せっかくだからと常設展示もくまなく見てまわったら、時間がかかりました。
時間に余裕をもってお出かけを!

ネコネコクイズラリーや、ネコ写真のギャラリー投票などもあります。

 

2022/08/06

【スイス プチ・パレ美術展】

art-15【スイス プチ・パレ美術展】 SOMPO美術館

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SOMPO美術館で開催されている【スイス プチ・パレ美術展】に行って参りました。

プチ・パレというとパリのイメージだけれど、スイス、ジュネーブにもあったんですね。
もっとも、設立者が亡くなって1998年に休館、その後も開館していないということなので、知らないはずでした。

第1章 印象派
ピエール・オーギュスト・ルノワール「詩人アリス・ヴァリエール=メルツバッハの肖像」。晩年の作。意外とおとなしめ。ルノワールは個人の肖像画の注文は受けなかったが、モデルが気に入ったので描いたとか。
カイユボット「子どものモーリス・ユゴーの肖像」。カイユボット展でも見ている作品。なかなかやんちゃそうな子供だ。

第2章 新印象派
このパートはとても充実。
点描もたくさん見るとおなかいっぱいになってしまうけど、おもしろい。
点描といっても点が細かいのもあり、粗いのもあり、部分的にというのもある。
ピエ「冬の風景」。雪の表現は点描に向くのだなあ。きれい。
エドモン・クロス「糸杉のノクチューン」。神秘的・
アシール・ロージェ「花瓶の花束」。これは点描が部分的。
レイセルベルヘ「ファン・デ・フェルデ夫人と子どもたち」。人物画の点描だが、ルノワールに通じるものがある。色の置き方などが。
タルコフ「ダンス」。色や描き方がマティスを連想させる。

第3章 ナビ派とポン=タヴァン派
大好きなドニが3枚。
「ペロス=ギレックの海水浴場」。新古典主義時代の作品。
これよりやはり「休暇中の宿題」がよいかなあ。家族を描いた作品はどれもあたたかみがある。一瞬点描の続きかと思ったけれど。
「母子像、アンヌ=マリーの食事」もかわいらしい。

第4章 新印象派からフォーヴィスムまで
マンギャン「室内の裸婦」。モローの画塾に学んだそう。それがフォービズムに!
ヴラマンク「7月14日 踏切、パリ祭」。フォービズムを脱したあとの作品かと思われるが、結構荒々しいタッチだ。
デュフィ「マルセイユの市場」。明るい色彩がよい。
キース・ヴァン・ドンゲン「村の広場」。この絵を見て、汐留美術館でやっている展覧会に行こうと決心!

第5章 フォーヴィスムからキュビスムまで
今まで知らなかった女性キュビズム画家の絵が興味深い。
ジャンヌ・リジ=ルソー「白い胸あて」。色の置き方がいいですね。
マリア・ブランシャール「静物」。わりと形が認識できるキュビズム。
アンドレ・ロートの作品もわりと形があってわかりやすいキュビズムだ。
ジャン・メッツァンジェ「スフィンクス」。デザイン的な作品。

第6章 ポスト印象派とエコール・ド・パリ
スタンラン「猫と一緒の母と子」。スタンランというと、シャ・ノワールのポスターで有名だけれど、この猫もなかなか。悪そうな顔(笑)。ホットチョコレートをとられないよう必死になる娘。
ヴァロットン「見繕い」。やはりこの画家特有の冷たさが感じられる。
ユトリロの母、ヴァラドンの絵が2点。考えてみると、あまりヴァラドンの絵は見たことがないかも・・・ルノワールのモデルとしての方が印象的だ。作品は結構力強い。
ユトリロ2作品は、色彩の時代の作品。白の時代の方が好みだなあ。
ボッティーニ「バーで待つサラ・ベルナールの肖像」。ミュシャでみるサラ・ベルナールとだいぶ印象が違う。
「フォリー・ベルジュールのバーカウンター」。あのマネの絵が描かれたバー!
キスリング4点。
「サン=トロペのシエスタ」。これは前に見た時にもおもしろいなと思った作品。奥さんがテーブルに突っ伏しちゃってるという・・・フォービズムの時期の作品かな。
「赤毛の女」。目力強いな~

とてもいいコレクションです。
是非どうぞ。

 

2022/08/04

【ボストン美術館展 芸術×力展】

art-14【ボストン美術館展 芸術×力展】 東京都美術館

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東京都美術館で開催中の【ボストン美術館展】に行って参りました。
2000年に開催が予定されていたものの、コロナで美術品が来日できず、ようやく開催の運びとなった展覧会。

ボストン美術館の展覧会は今までに何度も見ているが、今回は「力」というテーマでの展示で切り口が変わっている。
権力者たちは力を示し、維持するために芸術を作らせ、また力を持つ人はパトロンとして芸術家を支援した・・・
ということらしい。

1 姿を見せる、力を示す
会場に入るとまずはロベール・ルフェーヴルと工房「戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像」がお出迎え。よく見る絵だが、服がホント豪華。
隣がヴァン・ダイク「メアリー王女、チャールズ1世の娘」。ドレスの質感がすごい!6歳の王女を描いているが大人びてるな~昔は国同士の政略結婚のためのお見合い写真的な意味合いがあったので、大人びて描かれているのかも?
「地球儀型の杯」。これどう使うのでしょう??
「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」。平治の乱を描いた絵巻。火を放つシーンがなかなかの迫力。

2聖なる世界
クラーナハ「十字架にかけられた二人の盗人のいるキリスト哀悼」。さすがマリアも独特なプロポーションじゃないですね。
エル・グレコ「祈る聖ドミニクス」。ドラマチック。ちょっと顔色悪いかな。
祥啓「山水図」。中国の画家かと思ったが、鎌倉建長寺の画僧だそう。非常に中国的。
「大日如来坐像」。穏やかな表情。

3宮廷のくらし
ジェローム「灰色の枢機卿」。リシュリュー枢機卿の腹心の修道士にへいこらする貴族たち。そんな権力者だったのだろうか・・・
サージェント「1902年8月のエドワード7世の戴冠式にて国家の剣を持つ、第6代ロンドンデリー侯爵チャールズ・スチュワートと従者を務めるW・C・ボーモント」。えらく題名が長いが(笑)、なんと服装が立派なことでしょう。
「マージョリー・メリウェザー・ポストのブローチ」。こんな大きなエメラルド見たのはじめてだ。
「モンスーンを楽しむマハーラージャ、サングラーム・シング」。うまへた絵という感じだが、おもしろい。

4貢ぐ、与える
伝 狩野永徳「韃靼人朝貢図屏風」。これ、永徳(もしくは周辺の絵師)の作品なんですね。きらびやかだ。
デューラー「マクシミリアン1世の凱旋車」。緻密!作成に相当時間がかかり、作っている途中でマクシミリアン1世は亡くなってしまったらしい。

5たしなむ、はぐくむ
カナレット「サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂、サン・マルコ沖から望む」。カナレットの作品はいいですね。グランドツアーで訪れた人たちがこぞって買い求めたというのもわかる。
カヴェッリ「ギター(キタラ・バッテンテ)」。なんと豪華なギター!鼈甲や真珠などが用いられている。
伝 范寛「雪山楼閣図」。うねった山がダイナミック。よくよく見ると人物は小さく細かく描かれているが。
「吉備大臣入唐絵巻」。前回見たのもボストン美術館展だったが、いやほんとおもしろい。じわる。吉備真備、ずるしすぎ(笑)。
増山雪斎「孔雀図」。雪斎は伊勢長島藩を治めた大名だが、趣味の範囲を越えてますね。鮮やか、そして構図がよい。

開催されて本当によかったです。
是非どうぞ。

 

2022/08/02

【ルートヴィヒ美術館展】

art-13【ルートヴィヒ美術館展】 国立新美術館

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ルートヴィヒ美術館展に行って参りました。

ルートヴィヒ美術館はケルン市の美術館。
ルートヴィヒ夫妻が寄贈したロシアアヴァンギャルド、ポップアート、ピカソ作品や、ケルンのハウプリヒ弁護士が寄贈したドイツ表現主義の作品等のコレクションが基になっている。

序章 ルートヴィヒ美術館とその支援者たち
寄贈した二人の肖像画からスタート。
ルートヴィヒの肖像は、なんとウォーホルの作品。

1 ドイツ・モダニズム—新たな芸術表現を求めて
ドイツ・モダニズム、まとまって見る機会はそれほどないが、意外と好き。
ココシュカ「ペーター・バウムの肖像」。ちょっとゆがんだ感じ。
グロス「エドゥアルト・プリーチュ博士の肖像」もゆがみというかちょっと悪意のある描き方というか。
ペヒシュタイン「緑の家」。カラフル。
マルク「青いカップと赤いボウルのある静物」。こういう静物画好き。
ヤウレンスキー「扇を持つお伽噺の王女」。強烈な色。ルオーのよう。
マルク「牛」。青騎士のマルク、牛よく書いてますね。この色合い好きだなあ。
カンディンスキー「白いストローク」。あまりエッジがきいてないなあ。
パウル・クレー「陶酔の道化師」。遠くから見たら一瞬魚に見えたり?
彫刻で是非見たいと思っていたのが、バルハラの「うずくまる老女」。しわの表現がリアル。意外と小さな作品だったけれど。
写真の展示もたくさあったが、気になった作品は、
アウグスト・ザンダー「菓子職人」。写真家さんの名前で勝手に作っているお菓子はサーター・アンダギーではないか(と同居人)。

2 ロシア・アヴァンギャルド—芸術における革命的革新
ロシア・アヴァンギャルドもそんなに見る機会はないかもしれない。
ラリオーノフ「レイヨニスムによるソーセージと鯖」。うーん、ソーセージはレンコン、鯖はさんまにしか見えない・・・
ゴンチャローワ「オレンジ売り」。上の方はオレンジだけど、下に描かれているのはなんだろう?でもこれスペインっぽい色合いで意外と好きかも。
マレーヴィチ「スプレムス 38番」。この番号はなんだかわからないけれど、曲線のないカンディンスキーとでも言うべきか。
ロトチェンコの立体作品、おもしろい。こういうの好き。
同じくロトチェンコ「水への跳躍」。水たまりを跳ぼうとしている女性の写真なのだけど、これ絶対一番深い水たまりの部分に落ちると思う・・・
他のロトチェンコの写真を見ていて思ったのだけど、この人、斜めにとるのが好きなのかしら?

3 ピカソとその周辺—色と形の解放
このパートは一番好きな作品がそろっていた。
この美術館、ピカソのコレクションとしては、世界で3番目に多いのだそう。
モディリアーニ「アルジェリアの女」。少し瞳が見えている。顔と首はやはり長いけれど。
シャガール「妹の肖像」。初期の頃の作品かな。フツーでシャガールとはわからない。
ヴラマンク「花と果実のある静物」。若干キュビズム的。
キュビズムといえばブラックだが、「水差し、レモン、果実鉢」はかなりおとなしめ。
さて、ピカソが何点か。
「マンドリン、果物鉢、大理石の腕」は新古典とのことだったが、少しだけキュビズムの名残がある。
「アーティチョークを持つ女」は今回のピカソで一番インパクトあり。アーティチョークは武器のように見え、左手の爪はとがっている・・・ナチスに占領されたパリに住んでいた頃の作品ということで、抵抗の意味があるのかな。
「アトリエにて」。よく描かれるモチーフ。

4 シュルレアリスムから抽象へ―大戦後のヨーロッパとアメリカ
エルンスト「喜劇の誕生」。おとなしめな作品。
ポロック「黒と白 No.15」。めずらしく黒一色の作品。テイストは同じだけど。
ウールマン「鳥」。こういう立体作品好き。
ジャン・デュビュッフェ「大草原の伝説」。人の顔なのか・・・ちょっと不気味だ。
クラーフェク「兵士の花嫁たち」。工業用ミシン=兵士の靴を作る=兵士の花嫁ということなんですね。

5 ポップ・アートと日常のリアリティ
ポップ・アートは好きな分野。
ジョーンズ「0-9」。数字を使った作品が多い人だが、なんか意味があるのだろうかといつも見てしまう。
リキテンスタイン「タッカ、タッカ」。アメコミみたい。
ウォーホル「ホワイト・ブリロボックス」。ウォーホルといえばキャンベルのスープのイメージだけど、これは洗剤?
ラウシェンバーグ「アマガエル」。しばし眺めたが、どこがアマガエルがわからず・・・

6 前衛芸術の諸相―1960年代を中心に
このあたりになると、ワタクシには理解が難しい作品が増えてくるのだが、それでも気に入った作品はあるもの。
ルーチョ・フォンタナ「空間概念、期待」。キャンバスを切り込みをいれるおなじみの作品だけど、いつも題名がわからない・・・
ルイス「夜明けの柱」。夜明けというのがわからないが、デザイン的には好き。
ギュンター・ユッカー「大きな螺旋Ⅰ(黒)と大きな螺旋Ⅱ(白)」。釘を打ち付けた作品なんだけど、動くアートというか、向きで見え方が変わるのがおもしろい。

7 拡張する美術―1970年代から今日まで
映像作品なども。

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いよいよ理解が難しくなってくるのだが、唯一撮影が可能だったカーチャ・ノヴィッツゴア「近似(ハシビロコウ)」。ハシビロコウが大好きなのもあるが、とっても気に入り、クリアファイルもお買い上げ!

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20世紀の美術が堪能できます。
是非どうぞ。

2022/07/24

【自然と人のダイアローグ展】

art-12【自然と人のダイアローグ展】 国立西洋美術館

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国立西洋美術館がリニューアルオープンしたということで、記念展覧会に行って参りました。
ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館と、国立西洋美術館のコラボ。
この美術館知らなかったけれど、西洋美術館と共通しているのが個人のコレクションが母体となった美術館ということ。

なかなか素晴らしいコレクションで、かつ展示の仕方がとてもよいのですね。相乗効果があがるような展示で感心しました。

Ⅰ空を流れる時間
大好きなブーダンからスタート。
続いて弟子ともいうべきモネの「雲の習作」という絵があったけれど、へえこれがモネ!
好きな作品「雪のアルジャントゥイユ」の展示もあったが、隣にあったのがピサロの「ルーヴシエンヌの冬景色」。これもいいなあ。
モネは何点もあって、「セーヌ河の朝」は光の表現がらしくてよい。

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「ルーアン大聖堂のファサード(朝霧)」もあった。今まで何点みたのだろう。
「ウォータールー橋、ロンドン」と「ウォータールー橋、ロンドン」を並んで展示するとは!センスがいい。

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マックス・リーバーマン「ラーレンの通学路」。この画家は知らなかったが、木漏れ日が美しい。
ルノワール「オリーヴの園」。ワタクシ、ルノワールの風景画の方が人物がより好きかも?「風景の中の三人」は人物も描かれているけれど、外の光が主役と思う。

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並びが素晴らしいといえば、モネの「舟遊び」(これはよく見る絵ですね)と、リヒター「雲」。モネの水面に写る雲とリヒターの雲が妙にシンクロする。リヒターはあまり得意な画家ではないのだけど。

Ⅱ〈彼方〉への旅

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カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ「夕日の前に立つ女性」。朝日のようにも思えるけれど夕日なんですね。壮大な風景と人物との対比がおもしろい。
ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダール「ピルニッツ城の眺め」。構図がおもしろい。額縁の中に窓があって、そこからの風景。

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クールベの波2点。一つはフォルクヴァング美術館のものだけど、こちらの方がまだ波が穏やかだろうか。
シャセリオー「アクタイオンに驚くディアナ」。いろいろな画家が描いているギリシャ神話のお話だが、これ、もうアクタイオンが鹿になっちゃってます?

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モロー「聖なる象(ペリ)」。ちょっと東洋的でエキゾチックな感じ。
ポール・ランソンの「ジギタリス」。本の装丁とか挿絵っぽい。
ポール・ゴーガン「扇を持つ娘」。亡くなる前年に描いたとのことだが、かなり落ち着いた画風となっている。

Ⅲ光の建築

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セザンヌが2枚。西洋美術館のは「ポントワーズの橋と堰」。こちらは結構描きこまれているけれど、フォルクヴァングの「ベルヴュの館と鳩小屋」は塗り残しがある風で、でもこの色遣いはセザンヌだなと。こっちの方が好きかも。

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ホドラー「モンタナ湖から眺めたヴァイスホルン」。ホドラーはスイスでたくさん見たなあ。ホドラーは風景画の方が好きだ。この作品は色もいい。
新所蔵品というアクセリ・ガッレン゠カッレラの「ケイテレ湖」。フィンランドの画家とのことだが、今まであまりフィンランドの作品って見たことないかも???妙に上に偏っている構図がおもしろいが、水面を描くのがメインだったのだろうか。
テオ・ファン・レイセルベルへの「ブローニュ=シュル=メールの月光」。かなり細かい点描。幻想的な作品だ。

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ポール・シニャック「サン=トロぺの港」、「ポン・デ・ザール橋」。サン=トロペのこの色合いいいですね。
カンディンスキーの「小さな世界」シリーズ。大きな作品の方がよいかな。
パウル・クレー「月の出(サン=ジェルマン界隈)」。抽象化はされているけれど、まだわかるな~なんかかわいらしい絵だ。

Ⅳ天と地のあいだ、循環する時間
ドニ「踊る女たち」とモネの「陽を浴びるポプラ並木」。
ドニとモネじゃ全然違う・・・と思ったけれど、この並びいい!木がシンクロしている。
ルノワール「木かげ」はちょっとモネ的。

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ゴッホの「刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)」。初来日だそう。麦を刈り取る人に死のイメージを見たと語ったそうだけれど、一面の黄色い麦畑には奇妙な明るさと躍動感を感じた。

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ピサロの「収穫」がとてもおとなしく見える。

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ゴッホはもう一枚。これまた療養していた時に描いた「ばら」。ワタクシはサン=レミ時代の作品が好きだ。
並んでいたモネの「黄色いアイリス」はこうしてみるとうねっていてゴッホに近いものを感じる。
ムンクの連作版画集「アルファとオメガ」。叫びに似た作品もある。
最後はモネの睡蓮が2枚。

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一枚は激しく破損している作品で痛々しいが、ラストの睡蓮、これはいつみてもいいですね。

素敵な展覧会でした。
是非どうぞ。

 

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