【オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き展】
art-10【オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き展】
オディロン・ルドン展に行って参りました。
岐阜県美術館の作品を中心として、黒の時代から色彩豊かな光の時代まで網羅した展覧会。
プロローグ:日本とルドン
日本にルドン作品をもたらしたのは児島虎次郎。梅原龍三郎、中川一政、岡鹿之助等がルドン作品を所有していたとのこと。
今回、竹内栖鳳が所有していた作品などが展示されていた。
第1章 画家の誕生と形成 1840-1884
ルドンはパリでジェロームに学び、その後はブレスダンからは銅版画を学ぶ。ということで二人の作品の展示もあった。ブレスダンの版画はなかなかに細かいですね。
ルドンの石版画集の紹介が続く。
「夢の中で」「起源」何度も見るうちに慣れてしまったのか、あまりグロテスクには感じなくなったけれど、奇妙なモチーフばかりで、不気味さはある。怖いわけではないし、時にはユーモラスでもあるけれど、結局これはなんなのだろうと考えてしまう絵も・・・
「気球」では、気球が数年前に発明された電球のような形をしていたりで、新しもの好きだったのかも??
第2章 忍び寄る世紀末:発表の場の広がり、別れと出会い 1885-1895
あいかわらずモノクローム作品を描いていたルドンではあるが、次第に、黒だけはなく光も描くようになっていく。「光の横顔」など明るさを感じる。
この時代の作品で好きなのは、「蜘蛛」。ユーモラスな作品だ。
「まなざし」は木炭だけでなくパステルも使用。
読書がテーマの2作品もよかった。
第3章 Modernist/Contemporarian・ルドン 新時代の幕開け 1896-1916
いよいよ、パステル画、油彩画の明るい時代へ。
「眼をとじて」リトグラフ2作のあとの油彩は、なんともいえない色合い。
スフフィンクス、オフィーリア、ヴィーナス、アンドロメダ・・・
こうしたテーマの絵もひたすら明るい。
素敵だったのは、花の絵7点が並んだ小部屋。花は妻が用意したり別荘の庭に咲いたものだったりしたそうだ。パステル画の美しさ全開。これが三菱一号館のグランブーケへとつながっていくのだなあと。
もう一つの「眼をとじて」は花も描かれていて、違った味わい。
ステンドグラスを描いた「窓」もいいなあ。
また岐阜県美術館にも行ってみたい。
是非どうぞ。
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