文化・芸術

2024/02/17

【印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展】

art-5 【印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展】 東京都美術館

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東京都美術館で開催されている【印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展】に行って参りました。
休日は予約必要ということで、もちろん予約して行ったのだけど、入場するまで結構な列。中も混み混みでした・・・

ウスターというとウスターソースのウスターを連想するけれど、それはイギリスの地名。こちらはアメリカ、ボストン近郊の都市。
ちなみに、ミュージアムショップでウスターソース売ってました・・・
まあ両市は姉妹都市らしいですが。


1 伝統への挑戦
印象派前段階の作品からスタート。
ラ・ペーニャ、コローは印象派の始まりというような紹介だったけれど、コローの方が近いかなあ。コローの方が好きだし。
ドービニーもいいですね。「ヨンヌ川の橋(夕暮れ)」もボタン号に乗って描いた絵のようだ。
川を描いた作品ではハドソン・リバー派コールの「アルノ川の眺望、フィレンツェ近郊」が穏やかな風景でよい。
意外な作品は、クールベ「女と猫」。こんな作品も描いていたんですね。
アメリカの画家ホーマーの作品「冬の海岸」。荒々しい波のタッチ、迫力あり。

2 パリと印象派の画家たち
いよいよ印象派!
ブーダン「工事中のトゥルーヴィルの港」はいつもの海岸の風景とは違うなあ。
モネ「税関吏の小屋・荒れた海」。お正月見たモネ展でもここを描いた絵があったような?
ピサロ、あらためて見ると、やっぱり印象派だあなと。
ルノワールが2点。見たのははじめて。「アラブの女」は異国情緒たっぷりに描かれている。
アメリカにおいて印象派の影響を受けた画家としてカサットとハッサムの絵があった。
メアリー・カサットはピサロが師だったし、一時期印象派にも参加していたけれど、今回きていた「裸の赤ん坊を抱くレーヌ・ルフェーベル」はどちらかというとルノワール的のように思った。
ハッサムの絵ははじめてではないけれど、何点も見たのははじめてだ。
モネ「睡蓮」。この睡蓮は好き。マグネット購入。モネの睡蓮をはじめて購入したのはこの美術館だったそうだ。

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3 国際的な広がり
パリで印象派に触れ、この絵画様式を自国に持ち帰った画家たちの作品。
サージェントが3点。
「水を運ぶヴェネツィアの人」の方がやや印象派的だろうか。イメージするサージェント作品は「キャサリン・チェイス・プラット」。風景画はめずらしい。
このあとは、印象派の影響を受けた日本人画家の作品が並ぶ。趣旨としてはわかるのだけど、ちょっと水増し的だなあ。
黒田清輝、藤島武二(「ティヴォリ、ヴィラ・デステの池」は光が美しい)、児島虎次郎などまあそうだろう。
その中で、斉藤豊作「風景」がなかなかよかった。点描に近いけれど、雰囲気はモネだなと。

4 アメリカの印象派
アメリカにおける印象派は、ヨーロッパにおける印象派とはちょっと違う気もする。景色が違うからかなのか・・・
グリーンウッドの風景画がよい。「雪どけ」の美しいこと!
ハッサムで一番好きなのは「コロンバス大通り、雨の日」。抑えた色が雰囲気を出している。パリの風景にも見える。
「シルフズ・ロック、アップルドア島」は連作だそうだが、面白い景観。モネのノルマンディー・・・エトルタなどを連想する。

5 まだ見ぬ景色を求めて
ポスト印象派の作品。
シニャック「ゴルフ・ジュアン。カラフル!
ブラックの「オリーヴの木々」にはびっくり。フォーヴィズム的作品で、こんな色彩の絵もあったとは。
アメリカの画家パーシャルはグランドキャニオンをたくさん描いたとのことで「ハーミット・クリーク・キャニオン」。光の表現が印象派に通じるものがある。
ベンソン「ナタリー」。西部劇に出てきそうな女性だ。

ちょっと変化球な印象派展。
是非どうぞ。

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2024/01/08

【みちのく いとしい仏たち展】

art-4【みちのく いとしい仏たち展】 東京ステーションギャラリー

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東京ステーションギャラリーで開催されている【みちのく いとしい仏たち展】に行って参りました。
この展覧会は、北東北の民間仏ー仏師ではなく大工や木地師によって彫られ、お堂や民家に祀られてきた仏像や神像ーを展示するもの。
正直、うまくはないものもあるけれど、素朴な味わいに満ちた仏様神様でした。

1 ホトケとカミ
まずは「毘藍婆像」、「尼藍婆像」に笑ってしまう。セーラームーンかDAIGOのうぃっしゅみたい笑
「十一面観音立像」も頭が取れてしまっているのかもしれないけれど、十一面観音には見えない・・・けれどなんかいい。

2 山と村のカミ
八幡平の兄川山神社に祀られている「山神像」。なんか妙にほそながくて、長い顔と小さな胴体のアンバランスさがおもしろい。螺髪が見えるから神というより仏?
「山犬」は怖くはなくてむしろかわいらしい。
「役行者倚像」東北にも役行者が??なぜか鉈?を持っている。

3 笑みをたたえる
岩手県中部~南部あたりでは聖徳太子像が見つかっている。
のだが、どれもまったく聖徳太子っぽくない笑
でもみな微笑んでいて、なんかほっこりくるのですね。
一般的な観音菩薩像とは異なるが、「観音菩薩立像」も穏やかな笑みをたたえてほっこり。

4 いのりのかたち 宝積寺六観音像
岩手県葛巻町、宝積寺の「六観音立像」。
聖観音、千手観音、馬頭観音、十一面観音、准胝観音、如意輪観音のうち、これはとわかるのは馬頭観音くらい。のっぺり顔の観音様たちだけど、衣は一人一人長さやひだが違うという、どこぞのアイドルグループのよう!

5 ブイブイいわせる
「不動明王二童子立像」。不動明王が全然迫力な笑。なんかくねって踊ってるみたいで、思わず笑っちゃう。他の不動明王も全然怖い顔をしていない。
「多聞天立像」。毘沙門天に竜神、閻魔、大黒天などもりもり。意外と彫りが細かくよい細工。
「達磨像」。達磨大師っぽい!はちまきしてますね。

6 やさしくしかって
十王像いろいろ。
地獄で亡者を裁く十王なのに、笑ってたり、かわいらしいのものあったり。
閻魔様もちょっぴりしか怖くない。
鬼たちがまたかわいらしいこと!踊ってるみたいなのもあるし、角が猫耳みたいなのも!

7 大工 右衛門四良(えもんしろう)
長坂屋右衛門四良を名乗る大工の家系があって、特に安永8年(1779)に亡くなった右衛門四良は多くの仏像彫ったとのこと。
決してうまいわけじゃないのだけど、味わいのあるものばかり。

8 かわいくて かなしくて
一体だけ円空仏が。円空にしては彫り込んでるもので、その影響をうけたと思われる民間仏もあった。

いい意味でゆるーくかわいい仏様や神様。
ほんわかした気持ちになれる展覧会。
是非どうぞ。

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2024/01/06

【ゴッホと静物画展】

art-3 【ゴッホと静物画展】 SOMPO美術館

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【ゴッホと静物画 伝統から革新へ展】に行って参りました。
ゴッホってそんなに静物画描いてたっけ?と思ったけれど、油彩850点ほどのうち180点ほどが静物画だそうで。ひまわりだけでなくいろいろと描いているんですね。

ゴッホ展はしばしばやるけれど、ゴッホはちょっとだけということも多い中、この展覧会はゴッホがたくさん!
一部をのぞいて撮影可でした。画家名のないものはゴッホの作品です。
 
1 伝統

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「麦わら帽のある静物」絵画の勉強をしていた頃の作品のようで、正統派な感じ。

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「骸骨」この筆致はゴッホですね。他の画家の同テーマのさくひんも並んでいて、いい展示である。並べてみてみるとゴッホは異質。

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「コウモリ」なんかかわいらしいコウモリだ。

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ニシンも何点か並んでいたが、「燻製ニシン」なかなかよい。うろこもちゃんと描いてある。
正統派な静物画が並ぶ中、ゴッホも3点。

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「陶器の鉢と洋ナシのある静物」クワイに見えた・・・

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「りんごとカボチャのある静物」「野菜と果物のある静物」いずれもオランダ時代らしく、背景が暗い。少しセザンヌっぽい感じもある。

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「鳥の巣」2点。ゴッホは自分でも集め、近所の子供たちにも集めてもらって描いたとのこと。口を開けて餌をねだる小鳥たちがかわいい。
このあとは花。
ドラクロワはこういう静物画のイメージなかったなあ。

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ルノワールはこういう暖色系ですね。

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「野牡丹とばらのある静物」うーん、これホントにゴッホと思うくらい画風が違う。

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「青い花瓶にいけた花」これはらしい絵。

2 花の静物画

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モンティセリ「花瓶の花」すごい厚塗り。ゴッホはこの影響を強く受けているようだ。

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「カーネーションをいけた花瓶」散った花びらもよく描いてますね。

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「ばらとシャクヤク」背景がちょっとうねってます。

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「赤と白の花をいけた花瓶」パリに出てきてすぐの作品なのでオランダ時代と同じ画風。

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モネ「グラジオラス」どこか和風。
「結実期のひまわり」こういうひまわりもあるのね。
ひまわりモチーフの作品がいくつか。
レスリー「太陽と月と花」月はどこに?

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イスラエルス「「ひまわり」の横で本を読む女性」テオからひまわりを借りてきて書き込んだとのこと。どのひまわりだろう。

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「ひまわり」「アイリス」この並びいいなあ。鮮やか。

3 革新

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トルソが2点。練習なんでしょうね。
「ヴィーナスのトルソ」はピカソの青の時代を思い起こす。

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「靴」はなかなかリアル。雨の日歩き回ってわざわざ泥がこびりついた感じを出したらしい。

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「三冊の小説」本のタイトルが気になる・・・

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「レモンの籠と瓶」机がゆがんでいる。

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「皿とタマネギのある静物」皿にゆがんでセザンヌに近づいている。
セザンヌ「ウルビノ壺のある静物」のっぺり感が強い。

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やはりセザンヌといえば「りんごとナプキン」かも。

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ゴーギャン「りんごのある静物」セザンヌに近し。

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ゴーギャンらしい静物画ならば「ばらと彫像のある静物」でしょう。「花束」は赤い花を後から点々とつけたようで少々違和感が・・・

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ルノワール「果物のある静物」ルノワールは静物画でもこうした色合いになるんですね。

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ヴュイヤール「アネモネ」母親が婦人服の仕立てやをやっていたため、生地の柄に焦点をあてたものが多いのだとか。なるほど。
ヴラマンク「花瓶の花」強烈な色彩。フォービズムですね。

とても充実した展覧会。ゴッホファンの方も静物画好きな方も見逃せません。
是非どうぞ。

 

2024/01/04

【パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展】

art-2【パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展】 国立西洋美術館

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約50年ぶりの大規模なキュビスム展に行って参りました。
ポンピドゥーセンターから初来日作品50点以上、全部で140点もの作品。キュビスムの始まりから終わりまでを明らかにする展覧会。

1:キュビスム以前ーその源泉
キュビスムの始まりといえばやはりセザンヌ。セザンヌとしてはキュビスムを意識したわけではないだろうけれど、いろいろな面から描くというのはまさにキュビスム。展示されていた中では「ラム酒の瓶のある静物」が一番キュビスム的だろうか。
ゴーギャンはキュビスムというより平面的な、かな。

2:「プリミティヴィスム」
ピカソはアフリカなどのプリミティズムという様式の影響を受ける。

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「女性の胸像」。この横顔はそうだなと思う。
ブラック「大きな裸婦」。ピカソの影響大。

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ローランサン「アポリネールとその友人たち(第2ヴァージョン)」。ローランサンの画風確立前という感じ。前にいるのは犬?

3:キュビスムの誕生̶セザンヌに導かれて

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ブラックのレスタクを描いた3作品はまさにセザンヌ!

4:ブラックとピカソ̶ザイルで結ばれた二人(1909–1914)
ブラックとピカソは互いに協力し競い合いながらキュビスムを追及していく。
はじめはブラックとピカソも画風が似ていてわからないのだけど(色味も)、次第に違いが現れてくる。

はじめはなんとなくまだ形が結構わかるんですね、双方とも。

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ただ、ブラックの方がカクカクしてる印象?

意外と初期のブラックの静物画、好きだなあ。

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文字を入れたり、木目を入れたりのコラージュ的な作品もおもしろい。

5:フェルナン・レジェとフアン・グリス
レジェはキュビスムから離れたあとの作品の方の印象だけれど、確かにキュビスム作品を描いているんですね。

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「縫い物をする女性」いいなあ。なんか木工作品みたい。

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「婚礼」。近未来的な感じがした。

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フアン・グリスはスペインに行った際、たくさん見ているのだが、色彩がきれいですね。かなりわかりやすいキュビスムだし。

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一番気に入ったのは「本」。

6:サロンにおけるキュビスム
サロンにも進出したキュビスム。サロンなのでちょっとおとなしめな気もするけれど・・・
前から気に入っているのがメッツァンジェ「自転車乗り」。

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グレーズの「収穫物の脱穀」もおもしろい。どこに人の頭が?体が?

7:同時主義とオルフィスム̶ロベール・ドローネーとソニア・ドローネー
ドローネー夫妻の絵はいずれもカラフル。

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いやーよく持ってきたなあというのがロベールの「パリ市」。パリの風景(エッフェル塔、セーヌなど)の中に三美神が・・・こいういう分割の仕方もありだなと。今回一番気に入った作品。

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「円形、太陽 NO.2」は扇風機?昔のGoogleのロゴ?

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ソニアの作品もカラフル!

8:デュシャン兄弟とピュトー・グループ

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マルセル・デュシャン、はじめはキュビスムだったのか!「チェスをする人たち」いいじゃないですか。

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兄レイモンは彫刻家。「恋人たち」は確かにキュビスムですね。
チェコ生まれの画家クプカ(プラハで見たかな?)。

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「色面の構成」。動きの表現に感心。

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「挨拶」はわかるようなわからないような・・・

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ピカピア「赤い木」。形というより色の方が強烈だ。

9:メゾン・キュビスト
キュビスムの家。入口はキュビスム!
中はあまりにキュビスムだと鬱陶しそう・・・と思ったら暖炉の装飾くらいなのかな。

10:芸術家アトリエ「ラ・リュッシュ」
シャガールもキュビスムを!飛んだりねじれたりしているのもまあそう言えなくもないけれど・・・よりキュビスム的作品が何点か。

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「ロシアとロバとその他のものに」。うーん、猟奇的・・・

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「墓地」。これはセザンヌ風キュビスムだなあ。
「白い襟のベラ」はピリミティブなピカソからの影響?
「キュビスムの風景」。真ん中に人が描かれているのがかわいい。
モディリアーニはプリミティズムの影響を受けていたのか・・・ということをはじめて知った。

11:東欧からきたパリの芸術家たち
はじめて知る画家たち。

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エレーヌ・テッティンゲン「無題」。ちょっと漫画チック。アポリネールなども含まれる集団肖像画なのかもだそう。

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レオポルド・シュルヴァージュが描いた「エッティンゲン男爵夫人」この人なのか。決して美化して描いてはないですね。

12:立体未来主義
ロシアではキュビズムの発展系?として立体未来主義があらわれたそう。

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ナターリヤ・ゴンチャローワ「電気ランプ」。確かに未来的。
「帽子の婦人」はポップ。

13:キュビスムと第一次世界大戦
再びレイモン・デュシャン=ヴィヨンの彫刻。「大きな馬」は重量感あり。

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ピカソ「若い女性の肖像」。こういう色使いのピカソはあまり見たことないかも?もうすでにキュビスムからは離れている。

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ジャンヌ・リジ=ルソー「1キロの砂糖のある静物」。これはある意味セザンヌに近い。
フアン・グリスは年代を経てもあまり変わらず。

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マリア・ブランシャール「輪を持つ子供」と次の章のピカソ「輪を持つ少女」は似た感じの絵だ。

14:キュビスム以後
ブラックはちょっとカラフルに、レジェは完璧にキュビスムを脱出。

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コルビュジェはキュビスムは意識してるんだろうなとは思うけれど、ちょっと違うのかなあと。

キュビスムの全容がわかる展覧会。
是非どうぞ。

2024/01/02

【モネ 連作の情景展】

art-1 【モネ 連作の情景展】 上野の森美術館

本年初の展覧会はモネ展。

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モネ展は何度も見てきているけれど、すべてモネ作品というのは案外少ないかも?今回は100%モネなのである。

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睡蓮の池をモチーフにした体験型インスタレーションを通って展覧会は始まる。
一部撮影可でした。

第1章:印象派以前のモネ
モネがモネになる前の絵はあまり見たことがないので新鮮。
初来日と話題の「昼食」は言われないとモネとわからないかも?いやモデルがどうみてもカミーユとジャンというのはわかるけれど・・・サロンに気に入られそうなのに、落選したというターニングポイントになった作品。どちらかというとマネが描きそうだ。正しい感じの絵。
意外と気に入ったのが、「桃の入った瓶」。桃のコンポート?モネに静物画のイメージはあまりないけれど、100近くは描いているとか。
ザーンダム(4ヶ月ほど滞在したアムステルダム近郊の地)の風景画が何点か。水面の表現がすでに印象派の先駆けのようだ。
「ルーヴル河岸」はめずらしや、パリの風景だ。

第2章:印象派の画家、モネ
1870年代、モネはパリ郊外のアルジャントゥイユで暮らし始める。
「アルジャントゥイユの雪」。「かささぎ」と同じようなイメージ。白が美しい。
「モネのアトリエ舟」。水の画家ドービニーのボタン号を真似てモネもアトリエ船で絵を描いたという。
1878年、モネはセーヌ川下流のヴェトイユに移る。私生活では大変な時期だったが、ヴェトイユを描いた作品は明るい色彩で、光を美しく描いたものが多い印象だ。
「ヴェトイユの春」の緑の美しさ、「ヴェトイユ」の花がアクセントになっていてよい。赤い花はひなげしだろうか?「ひなげし」を思い出す。
「ヴェトイユの教会」の水に映る教会は、印象派的表現だ。

第3章:テーマへの集中
「プールヴィルの断崖」。1882年2度滞在したモネは100点もの海景画を描いている。富士美術館所蔵の作品は未完成なのか?という具合にちょっと粗いな。
「ラ・マンヌポルト(エトルタ)」と「エトルタのラ・マンヌポルト」。モネは1883年から86年にかけて毎年エトルタの風景を描いている。アヴァルの門もよく描いているけれど、マンヌポルトもおもしろい風景ですね。前者の方が海が荒れているかな。後者の方が暖色系も使っていて穏やかな感じだ。
「ヴァランジュヴィルの漁師小屋」に描かれている小屋は、他のヴァランジュヴィルの作品にも出てくるから、探す楽しみもある。
ルノワールと旅行した際に地中海沿岸を描いた「ヴェンティミーリアの眺め」。それまであまり使わなかった青やピンクも使うようになったとのことだが、ピンクはもしかしてルノワールの影響?
「海辺の船」、「3艘の漁船」。港にある船を描いた作品はあまり見たことなかったかも?わりとくっきり描いている。

第4章:連作の画家、モネ
モネと言えば連作!
摘みわら、ポプラ並木、ルーアン大聖堂、チャリング・クロス橋、ウォータールー橋、国会議事堂、そしてもちろん睡蓮・・・
これは初めて見たかも?「クルーズ渓谷、曇り」「クルーズ渓谷、日没」。これまた確かに描きたくなる風景かも?おもしろい景観だ。
積みわらが3点。一番、らしい積みわらは「積みわら、雪の効果」だろうか。マグネット、これにしようか迷って結局ラ・マンヌポルト(エトルタ)に・・・

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ウォータールー橋が3点。一番好きなのは「ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ」。ポツポツとつく灯りがきれい。「ウォータールー橋、ロンドン、日没」は朝に見えなくもない・・・

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「国会議事堂、バラ色のシンフォニー」。バラ色の作品は大聖堂などにもあるけれど、美しいなあ。

第5章:「睡蓮」とジヴェルニーの庭

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ジヴェルニーというと、「ジヴェルニーの草原」の方のイメージだけれど、「ジヴェルニーの風景、雪の効果」のような雪の風景もあるんですねぇ。初来日作品だそう。

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「ジヴェルニーの洪水」。木が水に映る様子が人のような・・・

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「芍薬」。すごい色彩。

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「睡蓮」。睡蓮だけにスポットをあてた作品はめずらしい。

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「睡蓮の池」。水と空と蓮と木々が一体になったような作品。
「睡蓮の池の片隅」。後期の作品だが、わりと細かく描いている。色はやはり濃いけれど。
「薔薇の中の家」。これは相当抽象画。

モネ尽くしでした。
是非どうぞ。

2023/12/10

【世界遺産 大シルクロード展】

art-31 【世界遺産 大シルクロード展】 東京富士美術館

大シルクロード展に行って参りました。
シルクロードというと、子どもの頃にNHKの番組を見ていて、行ってみたいなあと思ったのだけれど、実現はしていないのである(今後も無理でしょう)。なんかロマンを感じるんですね。

今回の展覧会には、中国国内の27の文化・博物館のコレクション240点が出展され、そのうち45点は一級文物(日本における国宝にあたる)とのことだ。

第1章 民族往来の舞台~胡人の活動とオアシスの遺宝~
胡人とは北方や西方の騎馬遊牧民のこと。
「瑪瑙象嵌杯」「瑪瑙象嵌壼」きらきらと輝いてゴージャス。
「切子杯」は日本における切子にちょっと似ている。
「半人半馬および武人像壁掛」ギリシャ文化が伝わったものだろうか。
「草花文綴織靴」きれいな靴ですね。こんなきれいな状態で残っているが驚きだ。「唐花文錦鞋」は正倉院に似たようなものがあるということだから、影響を与えてるわけですね。
「鈴」4世紀の頃からあったとは。装飾品なんだろうか。
「碁盤」や「双六盤」古くからの遊びだったんですね。
「胡桃」作られたものかと思いきや、本物の胡桃。このあたりでは胡桃が自生していなくて珍しかったので埋葬されたものらしい。

第2章 東西文明の融合~響き合う漢と胡の輝き~
漢の武帝の時に東西の交通路が開かれ、大都市の長安や洛陽を中心に西方の文化が入ってくる。唐時代には中国に居住する胡人も増え、異国風の装いや美術、音楽が流行した。
「車馬儀仗隊」漢時代の墓から出土したもの。動きもあって迫力満点だ。
「鳳首杯」実際に使ってたかどうかわからないけれど、ワインを入れそうな杯。三彩釉がきれい。取っ手が鳳凰に。
「女子俑」これも三彩をかけている。曲線が美しい。
やはり三彩といえば「駱駝」昔、ちっちゃな置物を中国で買ったっけ・・・
「六花形脚付杯」これまた美しい!線刻のこまかいこと!狩りの様子や、花鳥などがびっしりと描かれている。

第3章 仏教東漸の遥かな旅~眠りから覚めた経典と祈りの造形~
経典は読んでもわからないので、字がきれいだなあという感想しかないのが残念だが・・・笑
仏教美術は結構好きだったりする。
貴重な壁画実物の他、模写もあって、これ本物見たら迫力あるだろうなあと。
仏像はやはり日本のものとは違いますね。
「菩薩座像」など、腰のくびれがすごすぎる!!
一番気に入ったのは、「四面造像碑」釈迦が愛馬と別れる図他、4面すべてに彫刻がされているのだが、ドラマ性があってなかなかよい。

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出口に大きな駱駝の剥製がありました。

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敦煌莫高窟の再現。

※この展覧会はすでに終了しています。

 

2023/11/26

【永遠の都ローマ展】

art-28 【永遠の都ローマ展】 東京都美術館

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東京都美術館で開催されている永遠の都ローマ展に行って参りました。
当初は2021年に開催予定だったのが、コロナで中止。ようやく開催された展覧会。
カピトリーノ美術館の所蔵品を中心とした展覧会である。
この広場までは行ったのだけど、中には入らなかったのが残念に思っていたので、うれしい。

この美術館は、1734年にローマ教皇クレメンス12世により一般公開の始まった美術館で、一般公開された最古の美術館の一つ。

1:ローマ建国神話の創造
「カピトリーノの牝狼(複製)」からスタート。ローマ建国といえばこれですね。ローマの創建者、双子のロムルスとレムスは、テヴェレ川に捨てられたが、牝狼により乳を与えられ育てられるという伝承である。硬貨にもあり、エッチングもあり、このエピソード満載。
「イリアスの石板」いやー細かいですね。拡大して見たかったな。
「ティベリウス・クラウディウス・ファウェンティヌスの祭壇、通称カザーリ家の祭壇(複製)」
ヴィーナスとマルスの密通、パリスの審判、トロイア戦争の戦闘場面、ヘクトルの遺体を見せしめにする勝者アキレス、ヘクトル葬列、双子ロムルスとレムスの誕生物語が4面に描かれる。ギリシャ神話が中心で、これまた細かい。

2:古代ローマ帝国の栄光
古代ローマの皇帝などの彫刻など。
ちょっとショックだったのは、カエサル。こんな人だったのかな、ホントは。猿みたい・・・
アウグストゥス帝やトラヤヌス帝は賢帝という雰囲気だけれど、カラカラ帝(これは前にも見たことがあるかな)は凶暴そうな面構え。
女性の像は髪型がおもしろくて、特に「女性の胸像」は頭が蜂の巣みたいという・・・
「老女像」は今まで巫女や泣き女、またトロイア王の妻と言われてきたのが、今では単なる老婆だとされているらしい。顔のしわや体の垂れ下がり具合、薄くなってしまった体といった表現がすごくリアルだ。
リアルといえば、女性像は髪がリアルで、後れ毛なんかまで再現されている。
そして、コンスタンティヌス帝の頭、手、足の大きいこと!大迫力である。権威を示したんだろうか。
顔を見ての素直な感想は、スタローンみたいということだったのだけど笑
今回の目玉、「カピトリーノのヴィーナス」。優美ですねぇ。ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツイ美術館)と並ぶ古代ヴィーナスなのだそう。

3:美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想
この広場はミケランジェロの設計だったとか。
ということでトスカーナの画家による「ミケランジェロ・ブオナローティの肖像画」もきていた。カピトリーノ美術館所蔵だったんですね。偏屈な人という雰囲気がよく出ていると思う。
モザイクが2点。いずれも目がぎょろっとしていることに注目してしまう。
「河神」神が持っているものはなんだろう?と思ったら、どうやらヘラクレスにおられた角で果物や財宝を無尽蔵に生み出すものらしい。

4:絵画館コレクション
おや、カラヴァッジョ?かなと思ったら、派の作品だったのが「メロンを持つ若者」。光の描写がカラヴァッジョですね。どうでもいいけれど、持ってるがメロンには見えない・・・
ティントレット「キリストの鞭打ち」ティントレットってドラマチックですねえ。
グイド・レーニ「ルクレティア」悲しげな表情、はかなげ。
ダルピーノ「狩人としての女神ディアナ」凜とした表情の女神。犬が気になる・・・
コルトーナ「教皇ウルバヌス8世の肖像」バルベリーニ宮殿の、教皇の栄光を称えた天井画、見てみたいなあ。

5:芸術の都ローマへの憧れ─空想と現実のあわい
トラヤヌス帝記念柱に関する展示。30メートルもあるはしらで、大きいなあとみるだけだったけれど、彫刻、結構細かいんですね。ピラネージのエッチング、じっくり見ていたら時間がかかりました・・・

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石膏複製2つは唯一撮影可能。

コルヴィ「ロムルスとレムスの発見(ピーテル・パウル・ルーベンスに基づく)」この主題、この展覧会で多かったですね。寓意に満ちた作品。
カピトリーノ美術館所蔵の彫刻アモルとプシュケに基づく、マイセンの陶器がかわいい!

ローマの歴史が楽しめる展覧会。是非どうぞ。

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2023/11/06

【2023-2 所蔵作品展 MOMATコレクション】

art-27【2023-2 所蔵作品展 MOMATコレクション】東京国立近代美術館

棟方志功展を見た後は常設展示へ。
今回気に入った5点。

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萬鉄五郎「もたれて立つ人」

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岸田劉生「B.L.の肖像(バーナード・リーチ像)」

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竹内栖鳳「海幸」

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東山魁夷「秋翳」

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奥村土牛「閑日」

 

2023/11/05

【生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ】

art-26 【生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ】 東京国立近代美術館

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近代美術館で開催中の棟方志功展に行って参りました。
棟方志功に大きな影響を与えた三カ所、青森、東京、富山をたどる大規模な回顧展である。

プロローグ:出発地・青森

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八甲田山山麓図からスタート。
ゴッホを目指した志功だが、これはかなりセザンヌ風だ。

第1章:東京の青森人
志功は油彩画家を志し、上京するが、ほどなく木版画をはじめる。
「星座の花嫁」。川上澄生風とあったが、常設展で作品を見たら、本当にそうだった。ちょっと洋風な感じで、まだまだ作風が固まっていない。
「大和し美し」の連作。その後の志功を決定づけたとも言える作品だろうか。絵と文字のコラボレーション。この作品が柳宗悦の目にとまり、民藝運動との関わりができる。

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「華厳譜」がおもしろい。風神雷神、不動明王他、なんかとてもユーモラスだ。

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「東北経鬼門譜」は10メートル近い屏風版画で百二十枚もの版木をつかって制作されているとのこと。なかなかダイナミックなのだが、ちょっとずれが気になる・・・
「善知鳥版画巻」は能の演目を題材としたものだが、黒が印象的だ。

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しかし、なんといってもハイライトは「二菩薩釈迦十大弟子」。これは大好きな作品。いろいろな表情の弟子たち、何回見ても飽きない。
「門舞男女神人頌」は古事記に登場する神々を描く。これもよい。

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「幾利壽當頌耶蘇十二使徒屏風」。60年ぶりの公開とか。縦型の屏風というのがおもしろい。まったく十二使徒に見えないというのもおもしろい。

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「基督の柵」もうーん、これイエス?さすが志功である。

第2章:暮らし・信仰・風土ー富山・福光

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「華厳松」は疎開先、福光の躅飛山光徳寺の襖絵。いやはやダイナミックすぎて、松というのがわからないくらい。

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裏を見てびっくり!!幾何学的なイナズマとちょっとかわいらしい花が描かれている。このギャップ!

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「女人観世音版画柵」は岡本かの子の詩に絵をつけたものだが、雰囲気によくあっていると思う。

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「鐘溪頌」はこれぞ志功という感じ。くねった体と、刺青のような模様。
「運命頌」「歓喜頌」はベートーベンをテーマとしているが、すごいな。

第3章:東京/青森の国際人

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これもお気に入りの「いろはに版画柵」。民藝っぽい。

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「流離抄」。短歌を題材としているが、裏彩色がきれいだ。
「鍵版画柵」は谷崎潤一郎の小説『鍵』の挿絵だが、志功と谷崎は親和性がありますね。

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「弁財天妃の柵」。切手、持ってた!

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青森県庁に飾られていた「花矢の柵」。渋谷駅の岡本太郎的な感じだろうか。公共施設に飾るのにぴったりな気がする。

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知事室に飾られていたという「鷺畷の柵」は地味だけだけれど、全体的に青森を感じるることができる絵なのだろう。

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東海道棟方版画が楽しかった。現代の東海道ですね。
ゴッホになりたかった志功はゴッホの墓を訪れている。そして、ゴッホのひまわり風な花も描いているのだった。

棟方志功のデザイン
本の挿絵、表紙絵をたくさん手がけている他、お店の包み紙なども多く手がけている。
残念!十万石まんじゅうの包装紙はなかった・・・
ショップでは亀井堂本家の瓦煎餅を売っていて、結構買っている人がいましたね。

第4章:生き続けるムナカタ・イメージ
棟方志功のイメージというと、分厚い瓶底丸眼鏡をかけて、顔を版木にぎりぎりまで近づけて一心不乱に彫る姿・・・

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自画像を結構描いていて、版画も味があってよいけれど、油絵の作品がとても雰囲気が出ているなと。

見応えのある展覧会でした。
是非どうぞ。

2023/08/14

【雑誌にみるカットの世界展】

art-25 【雑誌にみるカットの世界展】 世田谷美術館

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世田谷美術館でシャガールの版画を見たのち二階に移動。コレクション展も見学。
やっていたのは【雑誌にみるカットの世界 『世界』(岩波書店)と『暮しの手帖』(暮しの手帖社)展】である。

岩波書店の総合誌「世界」と暮しの手帖社の「暮らしの手帖」のカット原画の展示。

「世界」は読んだことがなく、今後も読むことはなさそうだけれど、カット、なかなかよかった。
名だたる画家が参加しているんですね。意外とカットとなるとイメージの違う画家もいたりする。

中川一政、岡鹿之助、山口蓬春、朝倉摂、池田満寿夫、小磯良平、堂本尚郎、佐藤忠良、小林古径、棟方志功、駒井哲郎、中村研一、荻須高徳、野見山暁治、加山又造などなど。

山口蓬春、小磯良平、荻須高徳などはイメージどおりのカットだったけれど、池田満寿夫や棟方志功はちょっとおとなしめ、野見山暁治、加山又造が抽象的なカットがモダンだ。
中村研二の猫のカット、かわいいなあ。

「暮らしの手帖」は昔、かかさず読んでいたのでとても懐かしい。商品テストやすてきなあなたにのコーナーが好きだった。
独特の表紙も楽しみだったけれど、カットも含めてすべて花森安治が描いてたんですね。あらためて、この雑誌すべてひっくるめて好きだったのだなあと。
久々に読んでみようかなあ。

是非どうぞ。

 

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