文化・芸術

2019/01/15

【ロマンティックロシア展】

art-7 【ロマンティックロシア展】 Bunkamuraザ・ミュージアム

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松濤美術館に行ったあと食事をして、続いて文化村へ。
ロマンティックロシア展。結構混んでいました。めずらしくチケット売り場も並んだし・・・

第1章 ロマンティックな風景
この美術館ではロシア関連の展覧会はよくやっている気がするのだが・・・
今回は、風景画にビビッとくるものが多かった。
1 春
レヴィタン「森の小花と忘れな草」。1枚目からぐっと引き込まれる。きれいだなあ。
サヴラーソフ「田園風景」やオストロウーホフ「芽吹き」もよかったが、一番のお気に入りは、レヴィタン「春、大水」。雪解けで氾濫する川の風景なのだが、春が来たという喜びが感じられる躍動感ある作品。
2 夏
ヤーコヴレフ「花のある静物」。色がすごい!タッチも荒々しく、フォービズム的な絵。
ドゥボフスコイ「静寂」。今にも雷雨がきそうな重たい雲の重量感!
しかし、なんといっても気に入ったのはシーシキン。ロシアの自然の美しさをこれほど見事に描いた画家は他にいないのではないだろうか。「森の散歩」、「正午、モスクワ郊外」もいいが、もっともお気に入りは「雨の樫林」。奥の靄った感じが美しい。
3 秋
ゴリュシュキン=ソロコプドフ「落ち葉」。ちょっとデザイン的な葉っぱ。
他数枚の秋の木々の絵があったが、ロシアも美しく紅葉するんですね。
4 冬
さすがというべきか、冬の光景がまた美しい。
ゲルマーシェフ「雪が降った」。白い雪と白いアヒル。アヒルがユーモラス。
もっとも好きなのはバクシェーエフ「樹氷」。氷のきらめきが美しい。
ワスネウィフ「雪娘」は幻想的。
サモーキシュ「トロイカ」力強い馬の走りの迫力。

第2章 ロシアの人々
1 ロシアの魂
この展覧会でもっともメジャーな画家だろうか、レーピン。
ワタクシ、肖像画はあまり得意ではないのだけれど、レーピンは結構好き。
今回の2枚も力強い肖像画だった。
2 女性たち
真打ち!クラムスコイ「忘れえぬ女」。何度も来日しており、多分見るのは2度目かと思う。誰を描いたか諸説あるようだが、アンナ・カレーニナ?というイメージではないなあ。どうしてもビビアン・リー(古い!)のイメージで・・・
クラムスコイだったら、「月明かりの夜」が幻想的、神秘的。これぞロマンティック!

第3章 子供の世界
ロシア絵画は子供を描いた絵が多いという。
しかし、プリャニシンニコフ「釣りをする子供たち」、ステパーノフ「鶴が飛んでいく」はどちらかというと風景画の範疇に入るような・・・
一番気に入ったのはキセリョフ「本に夢中」。熱心に本を読む姿がほほえましい。

第4章 都市と生活
これも、半分風景画みたいなもの。
1 都市の風景
グリツェンコ「イワン大帝の鐘楼からのモスクワの眺望」など、ロシア教会が描かれていると、雰囲気があっていい。
ボゴリューボフ「ボリシャ・オフタからのスモーリヌイ修道院の眺望」はちょっとイタリア的。サンクトペテルブルクの風景のようだが。
2 日常と祝祭
コローヴィン「小舟にて」。題材といい、印象派の絵画にありそうだ。
マコフスキー「大通りにて」。出稼ぎにいった夫に会いに田舎から妻が出てきたが、夫は飲んだくれてアコーディオンを弾く・・・妻の悲しい表情といったら・・・
お気に入りは同じ画家の「ジャム作り」。老夫婦が外でのんびりとジャムを作る様子を描いていて、なんかなごむ。

知らない画家が多かったのですが、楽しめました。
是非どうぞ。

2019/01/14

【終わりのむこうへ : 廃墟の美術史展】

art-6 【終わりのむこうへ : 廃墟の美術史展】 渋谷区立松濤美術館

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松濤美術館で開催中の廃墟の美術史展に行って参りました。
この建物になんかぴったりの展覧会でしたね。

Ⅰ章 絵になる廃墟:西洋美術における古典的な廃墟モティーフ
廃墟がテーマの展覧会と言えば、ユベール・ロベール展が思い出されるが、今回ももちろんありましたね。
ポスターにも使われている「ローマのパンテオンのある建築的奇想画」。天井に穴があいてしまっているんですね。という以外はそれほど廃墟感はないけれど・・・
意外なところではアンリ・ルソー「廃墟のある風景」。ルソーが描いていたとは!なんかおもしろいというかかわいらしい廃墟だが。

Ⅱ章 奇想の遺跡、廃墟
まずはピラネージ。西洋美術館の版画室でよくお目にかかるピラネージ。これは王道ですね。
「ローマの古代遺跡」からの作品は、なんかいろんなものがゴチャゴチャに置かれすぎで、にぎやかしい画だ。
「ローマの景観」シリーズから何枚か。130点以上あるシリーズらしいから、全部まとめて見てみたいですね。
大好きなコンスタブルが2点。ストーンヘンジも廃墟か・・・
その他、イギリスの画家の作品が並ぶが、ローマなどイタリアとともに、イギリスも廃墟が似合うなと。

Ⅲ章 廃墟に出会った日本の画家たち: 近世と近代の日本の美術と廃墟主題
亜欧堂田善と(伝)歌川豊春。二人とも、西洋画を参考に版画を作成しているのだが、田善は西洋の風景に見えるのに、豊春のは何かが変・・・西洋に見えない・・・
澤部清五郎「群羊図(伊太利アッシジ附近)」は掛け軸というのがおもしろい。西洋画と日本画が入り交じったような感じ。
不染鉄「廃船」。廃墟というか船だが、すごい迫力。どーんと。おととしの不染鉄展に行きそびれてホントに残念。
岡鹿之助「廃墟」。これ好き。らしい作品だ。

Ⅳ章 シュルレアリスムのなかの廃墟
シュールレアリスムと廃墟は相性がいいようだ。
姫路市立美術館のポール・デルヴォーの作品がごそっときていた。
デルヴォーは好きな画家なのでうれしいが廃墟なのかな?いや、確かに古代の神殿のような建物は描かれているけれど・・・この寂しい雰囲気は廃墟と通ずるものがあるとは思うが・・・
キリコの「吟遊詩人」とマグリットの「青春の泉」は横浜美術館の常設展示でよく見る作品。マグリットのこの作品は好き。廃墟というより、お墓に見えるのだが・・・

Ⅴ章 幻想のなかの廃墟:昭和期の日本における廃墟的世界
浜田浜雄「ユパス」。シュール。ダリのようだ。
榑松正利「夢」。不思議な形の廃墟。胸がざわつくような作品。
今井憲一「バベルの幻想」。これはおもしろい。ルネ・マグリットのような、ちょっとエッシャーのような・・・ビルなんだけれど、空がすけてるような・・・

Ⅵ章 遠い未来を夢見て:いつかの日を描き出す現代画家たち
大岩オスカール「動物園」。実に寂しい
元田久治の作品が衝撃的。渋谷や国会議事堂や東京駅が廃墟になったら・・・という絵で、将来こんなことに絶対ならないとは言えないし。近未来絵だが、SF映画を見ているよう。
野又穣の「Imagine-1」は関東の俯瞰図だが、建物はまったくなくて、遠くに富士山や浜名湖?が。すべてが滅び、何もなくなった遠い未来なのだろうか・・・静かな絵なのに怖い。

廃墟といっても様々な作品がありました。
是非どうぞ。

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2019/01/10

【大江戸グルメと北斎展】

art-5 【大江戸グルメと北斎展】 すみだ北斎美術館

トーハクでもらったカレンダーが北斎の画だったので、突如思い立って久々にすみだ北斎美術館へ。

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建物はやっぱり、シュール(笑)

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今回の展覧会は「食」がテーマ。昼食前に行ったので、おなかがぐーぐー鳴って困りました(笑)

1章 江戸グルメ繁盛の背景

農業
「行楽図」は行楽に出かける人の向こうに田畑が。
北斎漫画では、稲刈り~脱穀の場面が描かれている。

漁業
江戸時代は肉食はされず、野菜と魚が主な食材だったと言う。
千絵の海シリーズは、確かに漁業の様子が描かれてますね。
「宮戸川長縄」。宮戸川は墨田川のことで、昔は白魚や手長えびが捕れたとか!
「春興五十三駄之内 蒲原」。蒲原、懐かしい。広重の五十三次とはずいぶんおもむきが違いますね。

調味料の生産
砂糖やお酒はまあそうねと思ったが、蜂蜜も江戸時代にあったんですねぇ。
「山海名産図会」の熊野蜂蜜。

2章 江戸の食材


肉筆画の「魚介図」。なかなかよい。前期の「鮟鱇図」も見てみたかったが・・・

野菜、果物
魚屋北溪の「キセルと蜜柑」。なんかおもしろい取り合わせ。この絵師は知らなかったが、北斎の弟子で、魚やさんだったのでこう呼ばれたらしい。

食材の流通
「東海道五十三次 日本橋」。広重のも同じような場面が描かれていたっけ。
斎藤月岑ほか著 長谷川雪旦画「江戸名所図会」-日本橋魚市にもあるように、魚市場として日本橋は栄えたんですね。

3章 江戸の料理帖

料理人たち
「北斎漫画 九編 士卒英気養図」。武士の料理光景なんだけれど、お相撲さんに見える(笑)。服を着て料理してもいいんじゃないか・・・
「絵本庭訓往来 初編」。昔は、座って食材を切っていたんですね。立って切った方が切りやすいような・・・

レシピ本
江戸時代のレシピ本と、レシピ本に基づいて作ったお料理のレプリカの展示。この展示はおもしろい!
以前も見たことがある醒狂道人何必醇著「豆腐百珍」。百通りもの豆腐料理が載っている。料理レプリカにあった鶏卵様は、豆腐をすりつぶし、中に人参を入れて卵に見立てたものできれい。味はどうなんだろう・・・
この豆腐料理本がはやったので、いろいろな料理本が出たそうで、卵と大根の料理本の展示もあった。できそうなのもあり・・・結構めんどくさそうなものもあり・・・意外と葛を使うんだな。

4章 江戸の人気料理

江戸のいちおしグルメ
三代豊国「子福長者」。五代目海老蔵(子供がたくさんいた)のお宅での書画会。華やか。
菊川英山「花あやめ五人揃」。これいいなあ。刺身の他に、鉢に入ってるものはなんだろう?
広重「名所江戸百景 びくにはし雪中」。山くじら=猪、十三里=焼き芋。今年にぴったり!ワタクシにとってのポイントは描かれている犬なのだけど。
「絵本庭訓往来」のそうめんなんだが、長すぎないか???

季節のグルメ
「正月料理の器」。お正月にぴったり。器がおめでたい感じ。黒豆と田作り?が描かれている。
三代豊国「夜商内六夏撰 水売り」。水には砂糖を入れたり、白玉を浮かせたりして売ったとか。白玉いいな。この6枚揃全部見てみたい。

江戸のスイーツ
「東海道五十三次 日坂」、「春興五十三駄之内 白須賀」。わらび餅に柏餅。東海道は確かに甘い物の名物が多いですね。
それにしても、北斎って何種類もの東海道五十三次を描いているんですね。前にここで展覧会をやっていたようだけど、全部見たいなあ。

江戸の高級料亭グルメ巡り
歌川広重、三代歌川豊国の「東都高名会席尽」シリーズ。
風景を広重が、人物を三代豊国が描いているのだが、なかなか洒落っ気の効いた作品。うーん、前期も見てみたかった。

常設展示でのお気に入りはこれ。
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楽しい展覧会でした。
是非どうぞ!

2019/01/09

【ルーベンス美術館展】

art-4 【ルーベンス美術館展】 国立西洋美術館

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ムンク展を見終えて、まだ時間がありそうだったので、ルーベンス展へ。
見終えて出てくるともうどっぷり日が暮れていました・・・

Ⅰ ルーベンスの世界
おなじみに絵が2点。
リヒテンシュタイン展でも見た「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」。なんて愛らしいんでしょう!はじめ見た時、ルーベンスとは結びつかなかったのだけど(どうしてもワタクシにとってルーベンスはルーヴルの「マリー・ド・メディシスの生涯」)、天使を描かせるとこんな感じではあるんだな。
続いて西洋美術館蔵の「眠るふたりの子供」。兄の子を描いたそうだけれど、これまたなんとも愛くるしい。
「カスパー・ショッペの肖像」。正しく威厳ある肖像画で、まだルーベンスになりきっていないような・・・

Ⅱ 過去の伝統
ルーベンスによる様々な模写など。
ティツィアーノの模写もあったけれど、よく描けている(というのも変だが)。
そのティツィアーノ(と工房)の「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」はえ?サロメってこんな感じ?もっと細身の妖しげな女性のイメージがあるのだが・・・
「セネカの死」がスゴい。ネロによって自殺に追い込まれる場面なのだが、何か強い意志を感じるのだ、そのまなざしに。

Ⅲ 英雄としての聖人たち―宗教画とバロック
ルーベンスの宗教画は結構好き。ドラマティックで。
「天使に治療される聖セバスティアヌス」。矢に射抜かれたセバスティアヌスがが天使に治療される場面が神々しいのだが、おとなりシモン・ヴーエの絵では聖イレネに治療されていて、聖書によれば確かに天使に治療されたわけではなかったのだった。
「キリスト哀悼」のうち、ボルゲーゼの方は、なんかバランスがよくない感じがして・・・リヒテンシュタインコレクションの方がいいなあ。
今回、もっとも印象に残ったのが「聖アンデレの殉教」。劇画タッチというか、構図もダイナミックで目を奪われる。

Ⅳ 神話の力 1 ―ヘラクレスと男性ヌード
「ヘスペリデスの園で龍と闘うヘラクレス」と「ヘスペリデスの園のヘラクレス」。
この肉体美を見よ!という感じだが(笑)、ちょっとマッチョすぎるような気がしないでもない・・・
前の作品は龍をスネイデルスが描いていて、確かに鱗の感じとかはっぽいなと。
「「噂」に耳を傾けるデイアネイラ」は、不穏な空気が漂う絵なのだけど、デイアネイラはヘラクレスの妻(ヘラクレスは妻の嫉妬によって命を落とす)だったのですね。

Ⅴ 神話の力 2 ―ヴィーナスと女性ヌード
ダニエル書にでてくる有名エピソード、「スザンナと長老たち」が2枚。好色な老人たちは徹底的にいやな感じに描かれていて、おびえたスザンナは美しい。
「バラの棘に傷つくヴィーナス」のヴィーナスの表情は痛そう・・・

Ⅵ 絵筆の熱狂
「パエトンの墜落」。これも好きだな。劇的かつダイナミック!光の差し方も含めて。
「ヘラクレスとネメアの獅子」。これまたムキムキなヘラクレス。マニエリスムというわけではないのだけれど。

Ⅶ 寓意と寓意的説話
「マルスとレア・シルウィア」。ドラマティックな作品。どこから風が吹いているのかな?
「ヴィーナス、マルスとキューピッド」。マルスが居心地悪そうなんだけども・・・この授乳場面、どうしても聖ベルナールを連想するのだが。
「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」。女性たちが美しい。

結構ヘビーな展覧会ですが、是非どうぞ。


2019/01/05

【博物館に初もうで展】

art-2 【博物館に初もうで展】 東京国立博物館

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トーハクのお正月恒例、博物館に初もうでに行って参りました。
行ったのは、3日。
到着してまずはカレンダーをもらいます。

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今年の作品は葛飾北斎「見立富士の巻狩」。
巻き狩りの一行が七福神?猪を退治しているのは大黒様???とってもユーモラスだ。

新春特集展示はイノシシ!

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中国の豚さんたちもかわいらしいのだが・・・

なんといっても埴輪!

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ちょっと足が長いけれど・・・

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矢負いの猪はかわいそう・・・

写真がどうしてもうまく撮れなかったのだが、縄文時代の土製品も鼻がかわいい!

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彫刻家石川光明の作品は、猪の毛並みがリアル。猛々しい感じ。

「曽我仇討図屏風」は、見立てじゃなくて本当の富士の巻き狩りが描かれている。頼朝のそばに仕える新田四郎が猪を仕留める場面も描かれる。

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岸連山の「猪図」はなかなかの迫力。画面から飛びだしてきそうだ。

望月玉「萩野猪図屏風」。萩の中で眠る猪が描かれている。きらびやか。

その他の常設展示もざざっと見てまわる。

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今年は長谷川等伯の「松林図屛風」が出ていた。

その他この日気に入った作品たち。
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お正月らしいおめでたい作品もたくさんありましたね。

来年もまた行きたいと思います!

2019/01/03

【長島有里枝 作家で、母でつくるそだてる展】

art-1 【長島有里枝 作家で、母でつくるそだてる展】 いわさきちひろ美術館・東京

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本年初の美術館は、いわさきちひろ美術館。
だいぶ前に安曇野のちひろ美術館は行ったことがあるのだが、東京の方は、いつか行こうねと言っていながら機会がなく・・・

昨年、東京ステーションギャラリーの展覧会も行ったことだし、ちょうど近場に出かけたいなと思っていたので(何せあまり遅くならない時間に吉祥寺のチーズ王国で福袋を買いたい)、行ってみることにした。

下石神井のいわさきちひろの自宅兼アトリエ跡に建てられた美術館で、上井草の駅から徒歩5分ちょっと。住宅街の中にあって静か。

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再現されたアトリエや、ちひろの庭などもある。

今やっている展覧会は、長島有里枝 作家で、母でつくるそだてる展。
いわさきちひろ生誕100年記念Life展の一環で、現代美術作家の長島有里枝とのコラボ企画。

展示室1 描くことを深く愛した人 いわさきちひろ
展示室2 作家で、母で つくる そだてる 長島有里枝
この2つはそれぞれ1階と2階にあって、同じ構造の部屋。というだけでなく、お互いにリンクする展示だった。
ちひろは、主に長男をモデルとしたこどもの絵をたくさん描いていて(制約のない依頼の場合はついつい描いてしまったそう)、長島さんも長男を被写体とした写真を多く撮っていて、リンクする。
まあでも、やっぱりちひろの絵がいいんですね。素描も素朴でよろしい。

展示室3 いわさきちひろ 素描-暮らしのなかから×長島有里枝 about homeより
同じ部屋内に2人の作品。これがとてもよかった。
日常生活で使う台所用具などの絵と写真。
なんか懐かしい。

展示室4 長島有里枝 千人針プロジェクト×いわさきちひろ『母さんはおるす』
ちひろの戦争をテーマ(ベトナム戦争)とした作品と、長島さんの千人針をテーマとした作品。
長島さんは、アメリカの同時多発テロを妊娠中に見て、千人針をやってみようと思ったそうで・・・
映像は1時間20分以上だったので全部は見なかったけれど、常に戦争は身近なものなのだなと実感させられる展示だった。

2018/12/30

【フィリップス・コレクション展】

art-36 【フィリップス・コレクション展】 三菱一号館美術館

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今年最後の展覧会へ。
三菱一号館美術館の【フィリップス・コレクション展】である。
東京駅はすごい人、人、人。
美術館はそれほどではなくて、ストレスなく見ることができました。

アメリカのコレクター、ダンカン・フィリップスと妻マージョリーが収集したコレクションを私邸を美術館として公開しているそうで、4000点以上を所蔵しているとのこと。

今回はフィリップスが購入した順に作品を並べるというめずらしい展示の仕方でした。

1:1910年代後半から1920年代
モネの「ヴェトゥイユへの道」からスタート。モネらしい明るい風景画。
クールベの「地中海」はまあ地中海だからそうなんだろうけど、クールベらしい荒々しさがない。
シスレー「ルーヴシエンヌの雪」。シスレーの雪景色とはめずらしい。
シャルダン「プラムを盛った鉢と桃、水差し」。静かな静物画。シャルダンいいなあ。
ボナール「犬を抱く女」。ボナール展も最近見たところだけれど、フィリップスさんのボナールコレクションもなかなか。暖かみのある色づかい。構図がおもしろい
コンスタブル「スタウア河畔にて」。これ?コンスタブル??

2:1928年の蒐集
セザンヌ「自画像」。セザンヌの自画像はいろいろと見ているが、これはまたかなり気むずかしいそうな・・・
マネ「スペイン舞踊」。この色遣いはマネですね。

3:1930年代
ゴヤ「聖ペテロの悔恨」。これはいいなあ。晩年の作品なので暗いのだけど、重厚。
フィリップスはピカソよりブラックが好きだったとかで、たくさん作品を所有していたらしい。今回も何枚もきていたが・・・がちがちなキュビズム作品ではなくて、形がわかる作品だった。「レモンとナプキン」も「ブドウとクラリネットのある静物」も。
ボナールがいい。「棕櫚の木」の色彩も好きだけど、「開かれた窓」の女性とハイタッチする黒猫がかわゆい!!
パウル・クレー「養樹園」。象形文字のようなものが描かれているが、なんといってもこの色彩がいい。
ゴッホの「アルルの公園の入り口」はゴーギャンの到着を待つ頃の作品ということで、明るい。

4:1940年前後の蒐集
セザンヌ「ザクロと洋梨のあるショウガ壺」。やっぱりセザンヌの静物画はいいなあ。
マティス「サン=ミシェル河岸のアトリエ」。パリということもあるのか色調は抑えめだ。
ドガ「稽古する踊り子」。描きなおした腕などがそのまま残っているのがおもしろい。
スーティン「嵐の後の下校」。劇的。
デュフィ「画家のアトリエ」。今回もっとも気に入った作品。色がいいなあ。弾む感じ。
カンディンスキーは大好きな画家だが、「連続」が音符のようで楽しい。

5:第二次世界大戦後1
アングル「水浴の女(小)」。やっぱりアングルといえば、この角度の女性裸婦ですね。
ブラック「フィロデンドロン」、「ウォッシュスタンド」。キュビズム後のブラックだ。「驟雨」はめずらしや風景画。雨の表現がおもしろい。
ゴーガン「ハム」。もっとも印象に残った作品。大きなハムの塊がどーん。インパクトはあるがゴーガンとは言われないとわからない。
スーティン「雉」。静物画としては暗いなあ。
モランディ「静物」。あいかわらずの瓶、壺・・・どれも似てるんだけど、ついつい見ちゃう。

6:ドライヤー・コレクションの受け入れと晩年の蒐集
ドライヤー(前衛芸術家を支援した蒐集家)コレクション。
青騎士の作品いいなあ。
ハインリヒ・カンペンドンク「村の大通り」、フランツ・マルク「森の中の鹿  Ⅰ」 。
カンディンスキー「白い縁のある絵のための下絵Ⅰ」の完成品ってあるのかな?

7:ダンカン・フィリップスの遺志
フィリップスが亡くなったあとのコレクション。
ブラック「鳥」。デザイン的でよろしい。
ピカソが何枚か。ドラ・マールが穏やかに描かれている「緑の帽子をかぶった女」が目立つ。
ジャコメッティはやっぱりほそい(笑)
ドガ「リハーサル室での踊りの稽古」。柔らかな日差しが美しい。

素晴らしいコレクションでした。
是非どうぞ。

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2018/12/11

【京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ展】

art-35 【京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ展】 東京国立博物館

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新橋から上野へ移動。
続いて見たのは【京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ展】。
テレビでこの展覧会のことをやっていて、六観音をどうしても見たくて、会期間際に滑り込み。

大報恩寺の歴史と寺宝-大報恩寺と北野経王堂
大報恩寺、実は京都のどこにあるのか知らず・・・
あ、なんだ、千本釈迦堂のことだったのですね。北野天満宮の近くなのでした。
鎌倉時代初期に創建されており、本堂は国宝。
まずは「千手観音菩薩立像」。腕は40本?だいたいはこのパターンかな。そういえば、今年は実際に千本あるのを見たのでした。
いろいろな物を持っているのだけど、やっぱりどくろもいた!
「傅大士坐像および二童子立像(普成立像、普建立像)」。傅大士さんは厳かに座っているのだけど、二人の子はなぜ大笑いしてるんでしょう?

聖地の創出―釈迦信仰の隆盛
釈迦如来像を中心として、釈迦の十大弟子が並ぶ。
六観音目当てで来たのだけど(もちろんよかったのだが)、十大弟子がスゴい!
まずは「誕生釈迦仏立像」。おなじみのサタデイ・ナイト・フィーバー(笑)。天上天下唯我独尊ですね。とても生まれたばかりには見えないけれど(笑)。
「釈迦如来坐像」は快慶の弟子行慶の作。きりりとしたお顔。
そして、十大弟子は快慶の作品なのだが・・・
これがスゴいスゴい!
表情もそれぞれリアルでバラエティにとんでいるし、血管が浮き出ているものあり、あばらのうきぐあいもリアルだったり・・・歯なんかも細かく彫られている。しわや頭の形など、いやもうビックリ。

六観音菩薩像と肥後定慶
六観音は運慶の弟子、定慶の作。
大好きな如意輪観音(この姿がいいよね)、千手観音に・・・
馬頭観音がすごい形相!横についてるお顔も怒っているし。
准胝観音は今まであまり見たことがない気がするが、手がたくさんありますね。十六本?これはちょっと勉強してみなければ・・・
聖観音のみ撮影可能。こちらもきりりとしたお顔立ち。
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後期は光背をはずしての展示で、背中もバッチリ見られてよかったです。

この展覧会はすでに終了しています。

2018/12/10

【ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ展】

art-34 【ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ展】 パナソニック汐留ミュージアム

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汐留ミュージアムといえばルオー・・・
ということでしばしばルオーの展覧会は見ているわけだが、今回は開館15周年記念特別展ということで、ヴァチカン美術館やポンピドゥーセンター所蔵の作品他、今まで見たことのない作品もきているようだったので見に行って参りました。
テーマはキリスト教で、約90点の展示。

第1章 ミセレーレ:蘇ったイコン
ミセレーレ=憐れみたまえ。58点からなる銅版画集である(今回、銅版の展示もあり)。モノクロで、どの作品も深い精神性が感じられるのだが、今回は着色したものや、結局未採用になった作品などもあった。
ミセレーレはモノクロこそだと思っていたけれど、着色したものも悪くない。
がらりと雰囲気は変わるけれど。悲しみより明るさが感じられる。

第2章 聖顔と聖なる人物:物言わぬサバルタン
こんなにたくさんの聖顔をまとめて見たのははじめてかも?
作品の大きさ、色もまちまちだけれど、見開いた目の目力がどれもすごいのだ。
ポンピドゥーセンターのだと思ったが、歯が描かれているのがあって、これはちょっと異質?
いずれにせよ、どれも迫力のある作品である。
ポンピドゥーの「ヴェロニカ」は聖顔とうって変わって穏やかな表情が印象的だ。
よく見る「マドレーヌ」も相当厚く塗られているが、「サラ」もかなりの厚塗りだった。

第3章 パッション:受肉するマチエール
三本の十字架を描いた作品が何点か。十字架だけを描いた作品はあまりないそうだが、この静かな感じも悪くない。
「聖心」のハートが真っ赤でインパクトあり。
お気に入りは、「受難(エッケ・ホモ)」と富山県立美術館所蔵の「パシオン」。
特別コーナーとして、ステンドグラス、十字架が。ステンドグラス職人の元で修行していたとのことで、その横に並んでいた油彩もステンドグラス的である。
ステンドグラス自体も美しい。
七宝なんかもあったんですね。

第4章 聖書の風景:未完のユートピア
聖書の風景だが、いわゆる風景画とは異なる。
どれも色合いが素敵なのだが、汐留ミュージアム所蔵の中では「キリストと漁夫たち」がいいかなあ。水と空のブルーが好き。
ヴァチカンの「秋またはナザレット」は逆に暖色系の色が美しい。空も太陽もオレンジ色で。

ルオーいつ見てもいいですね。
(この展覧会はすでに終了しています。)

ビルの1階で、今までのルオー展のポスターの展示がありました。
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2018/11/27

【東山魁夷展】

art-33 【東山魁夷展】 国立新美術館

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食事をはさんで、午後は東山魁夷展へ。
午前中のように入場待ちの列があったわけではないけれど、中に入ってみると相当の混雑。見るのが大変でした・・・

プロローグで、「自然と形象 雪の谷間」「自然と形象 秋の山」「自然と形象 早春の麦畑」が紹介される。

1章 国民的風景画家
「残照」。日展で受賞し、原点となった作品。穏やかな山並み。
「道」。これは有名ですね。ただただ続く道・・・普通の風景画ではない。
「青響」。山の木々と滝が描かれるが、近くに寄ってみてみると非常にデザイン的であることがわかる。
「秋翳」。紅葉した山が描かれるが、こんな山ってあるのかな?赤だけの作品はめずらしいかもしれない。

2章 北欧を描く
青を多様することになって青の画家というイメージが生まれたとのことだが、北欧を描くに際しては白も重要な要素に。
「冬華」は白の世界だが、この静けさがいいなあ。美しい。
「映象」も神秘的でいい。

3章 古都を描く・京都
川端康成から京都を描くようすすめられて、京都をテーマに描くことになったそうだ。
「花明り」は、ぼんやりとおぼろげな月がきれい。
「月篁」の直接は描かれない月は幻想的。
「京洛四季習作」。季節のうつろいが美しく描かれているが、「年暮る」は山種にあるのの小さいバージョンかな?
「京洛四季スケッチ」は、1枚1枚、風景の切り取り方がおもしろい。

4章 古都を描く・ドイツ、オーストリア
建物を描いた作品が多いが、「古都遠望」のように、あの特色あるブルー(緑)で木々が描かれると、ちょっと違和感があるような・・・
一番気に入ったのは「窓」。

5章 唐招提寺御影堂障壁画
今回のハイライト。再現展示された唐招提寺の障壁画。
ともかくスゴい!としか言いようがない。
「濤声」の荒々しい岩と波の迫力、「山雲」の神々しさ、幻想的な水墨画3品。
このコーナーを見るだけでも行く価値ありです!
この章には、まさに東山魁夷ともいうべき、白い馬の作品の数々も展示されている。やはり代表作ともいうべき「緑響く」かな~

6章 心を写す風景画
晩年の作品。
「行く秋」は黄色い落ち葉を描いていて、金粉も使用されており、きらびやかな作品になっている。
が、やっぱり好きなのは「白い朝」のような静かな作品かな~
絶筆となった「夕星」。これはどこなんだろう?北欧?どうやら心の中の風景のようだ。この作品もしみじみいいなあ。

是非どうぞ!

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