文化・芸術

2023/03/27

【江戸絵画お絵かき教室展】

art-8【江戸絵画お絵かき教室展】 府中市美術館

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府中市美術館、春の恒例企画、春の江戸絵画まつり。
なんともう20回目になるそう。

今回は江戸絵画お絵かき教室という展覧会。
描くということ着目した展覧会というのはめずらしいかも?

1 四大テーマに挑戦
オープニングは長沢蘆雪「唐子遊図屏風」。みんな楽しそうだ。筆で顔に落書きされちゃった子供も。
(1)動物を描く
長沢蘆雪は動物画を多く描いているが、中でも雀はよく描いたそう。
ささっと描いたように見えるけれど、表情豊かだ。
そして円山応挙の狗子図いろいろ。丸っこいフォルムと、うるうる目、愛らしい動作。かわいいな~
酒井抱祝の「群狗喜嬉図」はなんか現代的だなと思ったら、大正期の作品なんですね。
さっと描きの森周峰、森狙仙の「鹿図」も味わいがあるけれど、蓑虫山人の「月下群雁図」がおもしろい。スプーンみたいな雁!
ポスターにあった猫の絵は見たことないかもと思ったけれど、鍬形蕙斎の「鳥獣略画式」の中にあったんですね。北斎も参考にしたという教則本で楽しい。

(2)人を描く
長沢蘆雪「布袋図」。布袋と書いていなかったらわからないほど、らしくない布袋さん。
伊藤若冲「寒山拾得図」。妙にかわいらしい寒山拾得だ

(3)景色を描く
淵上旭江「真景図帖」。青緑山水画で色が結構強烈。
曽我蕭白「叡山図」。やっぱり奇抜。
司馬江漢「相州江之島児淵図」。洋風画っぽくない作品も当然あるわけですね。描かれた人物は中国風。富士山の手前に烏帽子岩が見えるのがうれしい。

2 画材・技法・表具
今回はこういう説明があって勉強になりますね。
墨でもいろいろあるんだなあと。
ワタクシ、若冲だと墨一色の画の方が好きだったりする。
「松鶴図」、「叭々鳥図」(これは表具の紹介のところにあり)。
若冲(とその弟子たち)の技法、筋目描き、なるほど、こういう技法かとよくわかったのが「花鳥魚図押絵貼屛風」だ。
魚、鳥の羽、太鼓まで。
裏彩色ははじめて知った。絹だと裏側からも色を塗ることができて、片側だけでは表せない色が出せるということらしい。

3 江戸時代の画家はどうやって学んだのか?
(1)中国に学ぶ
土佐光起「鶉図」。羽が細かいですね。すごい!

(2)雪舟に学ぶ
雪舟等楊「倣夏珪山水図」はながらく行方不明になっていた作品らしい。やっぱり輪郭線がくっきりですね。
確かに江戸絵画でも見る描き方だ。

(3)応挙に学ぶ
応挙の「楚蓮香図」に並んで展示されているのは同じ題材で描かれた長沢蘆雪と円山応震(応挙の孫)の作品。うーん、やっぱり応挙の画が一番繊細な気がする・・・

(4)粉本に学ぶ、粉本を作る
長谷川一派の粉本の展示。
こういうの見るのもスケッチブックっぽくて楽しい。

(5)オランダ本に学ぶ
ヤン・ラウケン「人間の職業」を参考に司馬江漢が描いたのが「皮工図」「泥炭堀図」。これ、他にもシリーズであるのかな?是非見てみたい。

4 江戸絵画はヒントの宝庫
応挙のかわいい虎のあとは・・・

(1)国芳に劇画を学ぶ
(2)空を描く
(3)全部を描かない
(4)少ない色でカラフルに見せる
(5)塗り残して表す
(6)ぽつねんと描く
(7)見たままを描かなくてよい
(8)お手本はいらない

国芳といえば猫だけどそれだけじゃない。
劇画タッチの画は大迫力。
国芳にも東都名所シリーズがあったのか。

長沢蘆雪「象背戯童図」。構図のおもしろさ。まさか、こんなに象の背中が長いわけはないよね。童も小さすぎるし。
浮田一「蛙に落花図」もおもしろい。蛙が2匹ちょこんと描かれていて、余白が多すぎると思ったのだけど、よくよく見ると、花びらが描かれているんですね。

最後に与謝蕪村「田楽茶屋図屏風」。自由でのびのびとした絵で、ゆるいのがよい。

楽しい展覧会でした。
後期も行こう。

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2023/03/25

【エゴン・シーレ展】

art-7【エゴン・シーレ展】 東京都美術館

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東京都美術館で開催されているエゴン・シーレ展に行って参りました。
世界有数のシーレコレクションをもつ、ウィーンのレオポルド美術館の作品を中心とした展覧会。
ウィーンに旅行に行った際、訪れているのだが、シーレの他、クリムト、ココシュカなど相当な点数があり、とても充実していた。

第1章 エゴン・シーレ ウィーンが生んだ若き天才 
10代のシーレの作品からスタート。
はじめは、やはりというべきか正統派の作品で、うまい。
なんと16歳でウィーン芸術アカデミーに合格しているのである。

第2章 ウィーン1900 グスタフ・クリムトとリングシュトラーセ
クリムト数点。え?これがクリムトと思うフツーの絵もあったりする。
カール・モルの木版画が3点あったがこれがなかなかよろしい。浮世絵版画の影響?石畳など細かい摺りだ。

第3章 ウィーン分離派の結成
分離派展のポスターが並ぶ。凝ったデザインでどれもおしゃれ。
ここでシーレが2点。
「装飾的な背景の前に置かれた様式化された花」。遠くから見たら何が描かれているかわからなかったのだが・・・これはクリムトの影響が明らかですね。背景が金と銀。
「菊」は和風だ。

第4章 クリムトとウィーンの風景画
カール・モルの風景画2点。この人、ノーチェックだったけれど、なかなかよいなあ。
クリムトの風景画は「シェーンブルン庭園風景」。ウィーンの風景を描いたクリムト唯一の絵。池の映り込みの表現など、モネの絵を連想させる。
エッガー=リンツの「昼食(スープ、ヴァージョンⅡ)」にも注目。同じテーマでたくさん描いているそうなのだが、農民の厳しい暮らしが垣間見える。

第5章 コロマン・モーザー 万能の芸術家
モーザーといえば、市松模様の椅子のイメージなのだが、今回はなんといっても「キンセンカ」。なんと鮮やかな!
これ好き。
「山脈」(このシンプルさがいいね)、「雲の習作」などは、ホドラーっぽい。

第6章 リヒャルト・ゲルストル 表現主義の先駆者
今回初めて知ったのは、ゲルストルが、シェーベルクの妻と恋に落ちたものの、結局ふられて、25歳で自殺してしまったということ。
ということを知って、「半裸の自画像」を見ると痛々しいというか・・・キリストになぞらえているんでしょうかね。

第7章 エゴン・シーレ アイデンティティーの探求 
ここからはシーレが続く。「抒情詩人(自画像)」。なかなかに強烈。
「自分を見つめる人II(死と男)」。後ろは死に神?ぞっとする絵。
「ほおずきの実のある自画像」。ちょっと生意気そうで、挑発的にも見える。でも顔色悪くも見える・・・ほおずきとの対比が印象的だ。
「背を向けて立つ裸体の男」。ゴツゴツとした体がすごい。

第8章 エゴン・シーレ 女性像
「悲しみの女」は恋人のワリーを描いているけれど、ホントに悲しそう。その後シーレから捨てられることになることを思うとさらに悲しい。
「母と子」。子供のびっくり目!何が見えているのだろう。

第9章 エゴン・シーレ 風景画
風景画が意外によかった。このコーナーのみ撮影可能。

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「吹き荒れる風の中の秋の木(冬の木)」は寒々しい絵。題名を見なかったら何が描かれているか一瞬わからない。

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「ドナウ河畔の街シュタインII」。平面的。

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「モルダウ河畔のクルマウ(小さな街IV)」。これいいですね。幾何学的な風景画。

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シーレのデッサン力がいかんなく発揮されているのが「荷造り部屋」だ。

第10章 オスカー・ココシュカ “野生の王” 
続いてココシュカのコーナー。
それまでそれほどココシュカが好きなわけではなかったのだけれど、レオポルド美術館でたくさんみてちょっと好きになったのだった。
今回は少しだけなのが残念。
ポスターはよかったですが。

第11章 エゴン・シーレと新芸術集団の仲間たち
このコーナーはちょっと印象が薄いですね。
シーレの「アルトゥール・レスラーの肖像」はゴツゴツした感じが印象的。

第12章 ウィーンのサロン文化とパトロン
シーレにはパトロンがたくさんいたようで・・・この時代に評価されていたというのはすごいですね。
「カール・グリュンヴァルトの肖像」。兵役時の上官でのちのパトロン。力強さがあって好き。背景に溶け込みそう・・・

第13章 エゴン・シーレ 裸体 
これこそイメージするシーレ!
なんてねじれてるんだろう・・・モデルさんも大変だっただろうな。
シーレってスキャンダラスなイメージもあって、こういう絵ばかりかしらと思うとそうでもないんですけれど・・・
エロティックではあるけれど、どちらかというと、これはいったいどうねじれてるんだろうと考えてしまう。

第14章 エゴン・シーレ 新たな表現、早すぎる死
「縞模様のドレスを着て座るエーディト・シーレ」。妻を描いた作品だけれど、妻だからかなのか、おとなしめに描かれている。
それに対して「横たわる女」は奔放!こちらの方がシーレのイメージだ。
ここにきてクリムトのスケッチがあったが、クリムトがおとなしく見えてしまう・・・
「第49回ウィーン分離派展」はシーレが作成したポスターだが、亡くなったクリムトの席があいているなど、終わりを感じさせる・・・実際、この年にシーレも亡くなってしまうわけだが。
ラストはシーレ「しゃがむ二人の女」。未完成だそうだが、一瞬ゴーギャンを連想。意外ともうねじれはない。なんとなく作風が転換していきそうな絵だったが、このあとも生きていたらどんなになったのだろう。

シーレは必ずしも得意な画家じゃないのだけれど、やっぱり見てよかったなあ。

是非どうぞ。

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2023/02/23

【佐伯祐三 自画像としての風景展】

art-6【佐伯祐三 自画像としての風景展】 東京ステーションギャラリー

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東京ステーションギャラリーで開催されている佐伯祐三展に行って参りました。
2005年、練馬区立美術館で見て以来の回顧展。
大阪中之島美術館のコレクションを中心に、各地から集められた絵の数々。

プロローグ:自画像
「立てる自画像」からスタート。粗いタッチで描かれ、本人によって顔が削り取られているという・・・自信作をブラマンクに見せたところこのアカデミック!とけなされてショックを受けたことに描いたというから、そういう気持ちの表れだろうか。結局この出来に満足できず、裏面にはノートルダムが描かれている。
その他の自画像は、印象派風だったり、セザンヌ風だったり、中村彝風だったり、いろいろな作風だ。

1-1 大阪と東京:画家になるまで
学生の頃の作品「勝浦風景」。波が荒々しいタッチで描かれる。
クールベを思い出す作品。

1-2 大阪と東京:〈柱〉と坂の日本ー下落合と滞船
佐伯祐三というと、パリの風景のイメージだが、2度のパリ行きの間に日本に戻ってきて日本の風景も描いている。
自身が住んでいた下落合の風景をたくさん描いているが、これだけまとめて見たのははじめてと思うが、これがなかなかよいのですね。まだまだ下落合も田舎の風景で、牧歌的な風景画になるかと思いきや、そこに電柱を描いてみたり(電線はあまり描かれていないけれど)、佐伯ならではの視点かなと。「ガード風景」なんてとてもいいですね。
大阪では滞船を描いていて、マストやロープが印象的で、これが主役かもと思うくらい。

○親しい人々の肖像
娘伽椰子を描いた絵は、印象派風なのだけど、愛情あふれた絵ですね。かわいがっていたのだろう。娘も佐伯が亡くなってすぐに結核で亡くなってしまうとは・・・
奥さんの絵もあったが、奥さんはその後画家になっていたんですね。

○静物
佐伯祐三は風景ばかり描いていたというイメージだけれど、静物画もあある。パリでは雨で外に描きにいけない時に家の中のものを描いていたという。
「テレピン油のある静物」。なかなかおしゃれ。
「蟹」「鯖」もいいなあ。

2-1 パリ:自己の作風を模索して
パリの絵が登場!
第一回目のフランス滞在時の作品はいろいろな画家の影響が感じられる。
「オーヴェールの教会」などはヴラマンクのような荒々しいタッチだったり、「パリ遠望」はもろセザンヌ!いろいろな試行錯誤があったんですね。

2-2 パリ:壁のパリ
ヴラマンクよりユトリロに近づいてくる。そして次第に佐伯祐三独特の世界へと変化。
気に入ったモチーフは何度も描いたということで、「レ・ジュ・ド・ノエル」、「靴屋(コルドヌリ)」が2枚ずつ。「靴屋」いいですね。壁に描かれた文字がだんだん主役になっていくのがわかる。
「靴屋」は積み重なった靴と中にいる人もポイント。
「壁」は壁そのものが主題、「広告のある門」、「門と広告」などはすでにポスターが主題となっている。

2-3 パリ:線のパリ
2度目のパリ。この時代のポスターを描いた作品が佐伯祐三のイメージ。
広告の文字がまさに線となって、踊っているよう。
描かれる人物も線・・・というか細くて(なぜか赤い服の人は描かれる)・・・人ももう描かれてない作品も。「ガス燈と広告」「広告貼り」。
「新聞屋」は好きな作品。新聞の文字、文字、文字・・・
あと好きなのは、「レストラン(オテル・デュ・マルシェ)」と「テラスの広告」。外を描くより明るい作品となっている。
ちょっと異色なのが「靴屋」。佐伯祐三とはわからない。いやでもこれいい。

3 ヴィエリ=シュル=モラン
最晩年、家族や後輩画家とパリ郊外のヴィエリ=シュル=モランでの写生旅行へと出かける。
20日の滞在期間で30点以上描いているが、作風がまた変わる・・・くっきりとした太い線がヴラマンクのよう。この頃はだいぶ具合が悪かったようだが、最後の力を振り絞って描いたのではと思う。家はゆがんでいるのも鬼気迫る感じ。
一番好きなのは「煉瓦焼」。

エピローグ:人物と扉佐伯祐三 ―自画像としての風景
モランからパリに戻った佐伯は雨にうたれて風邪をこじらせ、弱っていく。
そんな中、たまたま訪ねてきた郵便配達夫にモデルを頼み描かれたのが「郵便配達夫」「郵便配達夫(半身)」。カクカクした線が印象的だ。
最後は絶筆となった「黄色いレストラン」「扉」。相当具合が悪い時に描かれたようだが、力強い絵である。

構成もよく充実した展覧会でした。
是非どうぞ。

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2023/01/13

【総合文化展】2

art-6【総合文化展】2 東京国立博物館

1より続き

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鍬形蕙斎の近世職人尽絵詞 下巻。全三巻にわたり、江戸の職業を紹介する。これなんだろうという職業もある。

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酒井抱一の扇面雑画 布袋。ユーモラス。

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今回の浮世絵の特集は、広重の名所江戸百景。何度見ても楽しめて新しい発見がある。

根付コレクションもいつも楽しい。

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今回、一番気になったのは、エジプト提物。石棺、壺、スカラベ。不気味。

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セミと抜け殻。
いずれも外国人の作品で目の付け所が違うんだなあ。
孵化する蛇なんてのも気持ち悪い・・・

一階に移動。
大安寺の仏像の展示があった。奈良のお寺で、国家によって造営された日本最初の国立寺院だそう。

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広目天立像。四天王の中で一番気に入ったもの。

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持国天立像。

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不空羂索観音菩薩立像。

続いての部屋でまたまた根付が。

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蛸壺!

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金工のコーナーの田子浦富士柄鏡。鏡も芸術品ですね。

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兎水滴コレクション。一羽ありえない耳が・・・

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刀剣はどうもよくわからないのだけど、こういったものは好き。

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能は見たことがなくまったくわからないのだが、能面は芸術品としてよいですね。

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なかなかにユーモラスだ。

地図のコーナー。

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伊能忠敬の日本沿海輿地図(中図)中部・近畿。
正確で驚く。歩いてきた街道を懐かしみながら見た。

最後に近代美術のコーナーへ。

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横山大観の日蓮聖人。

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森川杜園の牝牡鹿。子鹿じゃないよね?

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富岡鉄斎の二神会舞。鉄斎って漫画チックだ。

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前田青邨の都(京名所)八題。何度か見ているが、今回とてもデザイン的だなあと思ったのだった。

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大島如雲の鷺置物。右はゴイサギかな?

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東海道五十三次絵巻 巻1。これ全部見てみたいなあ。

今回は時間的制約がなかったので、結構じっくり見学できました。
いつか、全部きっちり解説を読みつつ、じっくり回ってみたいと思う。一日かかりそうだけど・・・

 

 

2023/01/12

【総合文化展】1 

art-6【総合文化展】1 東京国立博物館

博物館に初もうでを見た後は、総合文化展を見て回ります。

平成館にある考古展示室はいつもは行かないのだけれど、初もうでが平成館だったので見る。埴輪、土偶、土器は大好きなので結構な時間をとってしまった。

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埴輪 盛装女子。

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土偶、仮面いろいろ。

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顔面付壺形土器。

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石人。九州独自のものだそうだ。

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ひんべえ?!

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埴輪いろいろ。

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オウムかと思ったら陶棺なのだった。

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後ろに背負われてるのがちょっと不気味・・

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蔵王権現。

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板碑。

本館に戻る。

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鶏形埴輪ははじめて。

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伎楽面 酔胡従。

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伊藤若冲の玄圃瑤華。なんとなくヴァロットンを思い出しました。

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茶の美術のコーナーはいつもさーっとしか見ないのだけど、志野茶碗 銘 橋姫は気に入りました。ゆるい感じ。

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そして、お正月といえばこれ!松林図屛風である。

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犬張子。犬の顔が人間っぽい。

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染付吹墨月兎図皿。ここにもありました!兎のお皿。

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俵屋宗雪の龍虎図屏風。虎がかわいすぎる・・・

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狩野探信の百猿図。これ好き!!

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東東洋の漁村富士図。なんかのどかだ。

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仙厓の富嶽図。このゆるさがいいですね。

長くなったので、2へと続きます。

2023/01/11

【博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年展】

art-5【博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年展】東京国立博物館

恒例、トーハクの博物館に初もうでに行って参りました。
例年、カレンダーをもらうべく2日に行くのだけれど、今年は配布がないということで、5日に。5日だと混んでいなくていいですね。来年も2日はやめようかな?
そうそう、今年は予約制ではなくなっていましたね。

いつも本館2階の2つの展示室を使っての展示だったのだが、そこが改装中ということで平成館の一つの部屋を使用。なので、ちょっと規模は縮小されていました。

第1章 兎に角うさぎ

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「博物館獣譜」うーん、ちょっとうさぎじゃないような?

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「染付水葵に兎図大皿」このうさぎさんはかわいいなあ。

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「兎水滴」一つほしい!

第2章 月のうさぎ
月の中に見えるものというと、うさぎの他、蟹とかいろいろあるようだけど、やっぱり餅つきするうさぎですね。

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「十二天像(月天)」月天が持つ月輪の中にうっすら兎が見える。
イチオシは「月宮八稜鏡」中国でも月にうさぎがいいるとされていたんですね。天女とカエルもいるけれど。ついているのは餅じゃなくて不老長寿の仙薬らしい。

第3章 波に乗るうさぎ
室町時代以降、うさぎが波に乗る姿が好んで造形化されたとのこと。蛍雪には月影が白く水面に浮かぶ姿をうさぎが波の上を走る姿になぞらえたとあった。そのことから火伏せの象徴ともなったそうである。

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波兎蒔絵旅櫛笥」兎が波間をぴょんぴょん跳んでる感じ。

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「金茶糸素懸威波頭形兜」兜の形がうさぎの耳。なんかあまり強そうな感じしないけど・・・

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「染付吹墨亭兎図皿」兎はともかくとして、家がUFOに見えるのは気のせい?

第4章 うさぎはどこだ
「涅槃図」のうさぎはすぐに見つかったけれど・・・

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「広寒宮螺鈿合子」螺鈿細工が美しいのだけど、薬をつく兎にヒキガエルというのは「月宮八稜鏡」と同じですね。

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「海士玉採図石菖鉢」まさにうさぎはどこ?と思ったら四隅で支えているのがうさぎ。

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「見立行平・松風・村雨」着物の柄にうさぎいました!

第5章 うさぎと人と

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北斎の「大黒様に白兎」うさぎを助けた大黒様が描かれている。めでたい絵。

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「青花唐子文鉢」童子がうさぎと遊ぶ姿。ほのぼの系。
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「卯の春」きめだしで描かれるうさぎ。

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「吉例 兎の年礼噺」擬人化された兎と鶏。明治初期には兎が流行したそうだ。
同じ絵師蓮池堂の「玉兎黄金の酉年」ユーモラス。

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「黒釉兎毫斑碗」兎に何の関わりがあるの?と思ったら、細い模様が兎の毛のように見えるということらしい。

毎年、干支にちなんだ美術作品をたくさん集めてくるもんだなあと感心します。
是非どうぞ。

2023/01/10

【ヴァロットン 黒と白展】

art-4【ヴァロットン 黒と白展】 三菱一号館美術館

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三菱一号館美術館で開催中のヴァロットン展に行って参りました。
ヴァロットン展は2014年に同美術館で開催されており、その時はじめてこの画家の存在を知ったのだったが、今回は一号館所有の世界有数のコレクションの中から、版画に特化した展覧会なのである。

Ⅰ「外国人のナビ」ヴァロットン-木版画制作のはじまり
スイス生まれのヴァロットンがパリに出てきた当初の初期の作品。
で、自画像からスタート。
作家や画家を彫ったシリーズでは、若干デフォルメしていなくもないけれど、結構よく特徴をとらえている。
マッターホルン、モンブラン、ユングフラウなど山を描いた木版画シリーズもあったが、人物が多い中、こうして景色の版画はめずらしい?ヴァロットンにしてはオーソドックスだ。

Ⅱパリの観察者
ここからヴァロットンの特徴があらわれてくる。
息づく街パリシリーズ。

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パリをいきいきと描いている・・・とはいっても、描く対象がおもしろい。デモ、事故、ブタ箱に送られる人・・・ユーモアたっぷりを通り越して、皮肉っぽい作品もある。事故などは、ちょっと残酷・・・
群衆を描くの、ヴァロットンうまいですね。

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死を描くシリーズもシニカル。でも、「難局」は狭いところで棺桶をおろそうとして苦労するさまが、おかしみがある。

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「暗殺」はナイフを振り上げる腕と、抵抗する腕が描かれて死が暗示されるという・・・ちょっと怖い。

Ⅲナビ派と同時代 パリの芸術活動
同時代の画家の紹介。
ボナール、ヴィヤール、ドニ。彼らの作品は淡い色のリトグラフなのだが、ヴァロットンは一環して黒と白の木版画。
またもや、音楽家や作家を描いた作品があったが、若干悪意もあるような??
ワタクシとしては「版画愛好家」のような作品の方が好き。

Ⅳアンティミテ:親密さと裏側の世界
これぞヴァロットン!
貧しかったヴァロットンも大画廊のオーナーの娘と結婚することで上流階級へ仲間入りしたものの、妻とも不仲だったらしい・・・そうした私生活が作品にも影響しているように思える。
作品の皮肉っぽさ、冷たさが増し、なにより、黒の部分が多くなる。
「怠惰」は好きな作品。のびた猫と女性が横たわった姿がシンクロ。デザイン性抜群。
楽器シリーズの中では「フルート(楽器Ⅱ)」がいい。これも猫がいるのだけど、白が映える。

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アンティミテシリーズは、男女の駆け引き、親密と見えて実は・・・が描かれるのだけど、黒の使い方が効果的。「お金」などはほとんど黒じゃないですか!ぞーっとする作品揃い。

Ⅴ空想と現実のはざま
お金の心配がなくなったヴァロットンは一時期絵画へと向かうが、雑誌の挿絵などは作っていたし、第一次世界大戦をきっかけとしてまた木版画を作成するようになる。
挿絵意外といいですね。ルナールの『にんじん』の表紙、子供の頃よんだの、これだったかも?
万国博覧会シリーズは、めずらしく楽しそうな版画だ。
好きな作品は「白鳥」。そうそう、白鳥、結構凶暴(笑)。
戦争をテーマとした、これが戦争だ!シリーズは無残さが伝わる・・・

姉妹館提携を行っている、フランスのアルビにあるトゥールーズ=ロートレック美術館開館100周年を記念しての、ロートレックとの特別関連展示もありました。

是非どうぞ。

 

2023/01/08

【鉄道と美術の150年展】

art-3【鉄道と美術の150年展】 東京ステーションギャラリー

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東京ステーションギャラリーで開催されている鉄道と美術の150年展に行ってまいりました。
ステーションギャラリーらしい展覧会ですね。

鉄道が描かれた絵を展示する展覧会かなと思っていたのだが、いろいろな切り口から構成されたおもしろい展覧会でした。

鉄道開業からはじまり現代まで。

広重や芳年などのカラフルな浮世絵の中で、ぱっと目を引くのは勝海舟の墨絵。単純な線で描かれた蒸気車だけれど、意外とうまいですね。絵も描いたのか!

小林清親は数点。光線画いいですね。「高輪牛町朧月景」も「新橋ステンション」も好きな作品。富士十二景ははじめて見たかも?「駿州さった峠下トンネル」。昔はあの下を鉄道が通ってたんでしょうかね。
川口月村「岩手県鉄道沿線名勝図巻」。日本初の私鉄会社が1891年に上野・青森間を開通させた。沿線の風景45枚からなる図巻のようで、これ全部見てみたいなあ。

都路華香「汽車図巻」。なんと100人以上も描かれているのだが、一等車の乗客と三等車の乗客の違いなどリアル。
赤松麟作「夜汽車」。これまたいろいろな人物が描かれる。みかんの皮まで!
川上涼花「鉄路」。大塚の陸橋からの鉄路だが、印象派のよう。
長谷川利行が数点。「田端変電所」も「汽車車庫」も荒々しいタッチだ。
松本竣介もあった。「駅の裏」。暗い絵でらしい感じ。
鈴木亜夫「ターンテーブル」。人力で動かしてたんですかね。こういう鉄道画もありだなあ。
榎倉省吾「転轍機」も似たテイスト。こういう絵好きかも。

不染鉄「山海図絵(伊豆の追憶)」。この俯瞰図はすごいなあ。不染鉄展に行きそびれたのが悔やまれる。

佐藤哲三「赤帽平山氏」。ゴッホかセザンヌかといったところ。赤帽さももういないですね。
岩佐保夫「踏切を守る母子」。こんなキツい仕事もかつてはあったのですね。

伊藤研之「家」。すれすれのところを通る電車。都電らしいけれど、リスボンか江ノ電のようだ。
木村荘八「新宿駅」。昭和10年当時らしいが、どこなんだろう。

戦後。
伊藤善「東京駅(爆撃後)」。空襲で建物がなくなった様子と通勤客。復興はまだといった感じ。
山下清「弥生軒の弁当掛け紙」。この掛け紙だったら買うな~
長野重一の写真は通勤地獄の中央線など。おそろしや・・・
富山治夫の写真も。
大野源二郎「別れのホーム」は集団就職の写真。

山本作兵衛「舟頭と陸蒸気(コロタイプ複製)」。昨年この人の展覧会を見て感心したのだった。うまへたなんだけれど、訴えかけるものがある。
中村宏「ブーツと汽車」。シュールレアリスム的。

香月康男「煙」、「バイカル」。シベリアシリーズ。抽象画のよう。とても重い絵だ。
稗田一穂「雨晴海岸」。拉致事件の現場となった場所なんだそうだ。そういう意図で描いた絵ではないと思われるが。

立石大河亞「香春岳対サント・ビクトワール山」。なんかにぎやかしい作品だが、サント・ビクトワールってこんな山だっけ?
とても気に入ったのが、柳幸典「トーキョー・ダイアグラム H'6」。地下鉄の路線が線であらわされているのだけど、平成6年当時だから、現在もまた描いてほしいな。

鉄道の歴史、風俗、戦争などいろいろな視点で集められて美術の数々。とても充実しています。

明日で終了ですが、是非どうぞ。

 

2023/01/05

【版画で「観る」演劇展&常設展】

art-2【版画で「観る」演劇展&常設展】 国立西洋美術館

ピカソとその時代展をみたあとは、常設展へ。

ささーっと見ようと思ってもついついじっくり見てしまうのです。

今回気に入った作品を並べてみます。

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クラーナハ「ゲッセマネの祈り」

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同「ホロフェルネスの首を持つユディト」

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モロー「ピエタ」

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ドラクロワ「墓に運ばれるキリスト」

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グレコ「十字架のキリスト」

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ドルチ「悲しみの聖母」

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テニールス「聖アントニウスの誘惑」

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ルーベンス「眠る二人の子供」

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ポルト「桃、李、杏」

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ボンヴァン「静物」

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クールベ「罠にかかった狐」

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マネ「ブラン氏の肖像」

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ブーダン「トルーヴィルの浜」

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モネ「雪のアルジャントゥイユ」

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セザンヌ「ポントワーズの橋と堰」

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ゴッホ「ばら」

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ランソン「ジギタリス」

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ローラン「テラスの二人の婦人」

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デュフィ「モーツァルト」

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カッレラ「ケイテレ湖」

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ビュッフェ「鰊のある静物」

版画素描展示室では「版画で「観る」演劇展」を開催。
ドラクロワのファウスト、ハムレット、シャセリオーのオセロ。
どれもとてもドラマチックに描かれている。

是非どうぞ。

2023/01/04

【ピカソとその時代─ベルリン国立ベルクグリューン美術館展】

art-1【ピカソとその時代─ベルリン国立ベルクグリューン美術館展】 国立西洋美術館

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ベルリン国立ベルクグリューン美術館展に行って参りました。
この美術館、ベルリン国立美術館群の一つだそうなのだけど、記憶にない・・・
シャルロッテンブルク城の近くにあるらしいのだが、気づかなかった・・・
ドイツ生まれの美術商ベルクグリューンが蒐集したコレクションからなる美術館である。

今回、この美術館が改修ということで、まとまって作品が来日。初公開作品も35点。

序:ベルクグリューンと芸術家たち
ピカソの「眠る男」からスタート。
ベルクグリューンがもっとも蒐集に力を入れたのがピカソで、とても充実している。

1:セザンヌ― 近代芸術家たちの師
ピカソに影響を与えたセザンヌ。

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セザンヌの「セザンヌ夫人の肖像」の隣になんとジャコメッティが模写した作品が!
「庭師ヴァリエの肖像」これいいなあ。

2:ピカソとブラック― 新しい造形言語の創造

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青の時代のピカソ作品「ジャウメ・サバルテスの肖像」。青の時代のピカソいいんだよなあ。
「座るアルルカン」。アーティゾン美術館のサルタンバンクの絵を思い出す。
「裸婦「アビニヨンの娘たち」のための習作」。アフリカ彫刻の
影響が確かに感じられる。

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「丘の上の集落(オルタ・デ・エブロ)」。これはセザンヌの影響。
キュビズム時代の作品多数。

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一番好きなのは「グラス、花束、ギター、瓶のある静物」。「ポスターのある風景」も好き。
ブラックの作品も数点あったけれど、同じキュビズムでもやはり違いますね。

3:両大戦間のピカソ― 古典主義とその破壊

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「窓辺の静物、サン=ラファエル」。若干キュビズムを引きずってはいるけれど、雰囲気はマティス。明るい作品。
もっとも新古典主義的な作品は「座って足を拭く裸婦」。

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「踊るシレノス」とか「サーカスの馬」とか「ミノタウロマキア」などはカリカチュアのよう。

4:両大戦間のピカソ― 女性のイメージ
好きになる女性によって作風が変わったピカソ。
ドラ・マールの時代の絵画が何点か。

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「緑色のマニキュアをつけたドラ・マール」。結構美しく描かれている。「花の冠をつけたドラ・マール」もきれい。

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「黄色のセーター」。だいぶ崩れてきている・・・セーターの方に目がいく。
「多色の帽子を被った女の頭部」や「女の肖像」もそうだけど、なんで鼻がこんなところに!
「大きな横たわる裸婦」はもたれる人みたい。

5:クレーの宇宙
ピカソのコレクションも素晴らしいが、クレーのコレクションもすごい!いい作品がたくさん。
やっぱり、色彩がいいんですよね。

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「青の風景」、「綠の風景」、「北の地」など、風景画なのだけど、抽象的で、なんか規則性がありそうでないという。なんの風景なんだというのもあるけれど・・・

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「ネクロポリス」はピラミッドみたい。
「 暗い扉のある部屋の透視図法」。細かいなあ。なんとなく、ダヴィンチの図面を思い出す。

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「口数の少ない倹約家」は自画像らしいけれど、ずいぶんとまた単純化されている。こんな人だったんだろうか???
似たテイストの絵は「封印された女」だ。

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「子どもの遊び」「夜明けの詩」のような線がメインの作品も好き。

6:マティス―安息と活力

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「室内、エトルタ」。マティスもエトルタに行ってたんですね。ノルマンディーだから、南仏の絵と違ってブルーで涼しげな絵になっている。

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やはりマティスの室内画だったら「青いポートフォリオ」の方がらしい感じ。強烈な赤で。

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「ニースのアトリエ」は柔らかな光が感じられる。
単色作品でも「家に住まう沈黙」「オバリンの花瓶」など、線がやっぱりマティス!

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そして、切り絵作品も数点。躍動感あり。

7:空間の中の人物像―第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ
ジャコメッティのコレクションもあり。

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とにかく細いのが特徴だけれど、「ヤナイハラⅠ」はそうでもないんですね。
こんなのもあるのかと思ったらピカソの彫刻でした・・・「鶴」。
最後にまたピカソが並ぶ。
「アルジェの女たち(ヴァージョンL)」はドラクロワの「アルジェの女」を基にしているそうだが、これはずいぶん崩れてるなあ。ラス・メニーナスの連作みたいだ。

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気に入ったのは「本を読む女」。

素晴らしいコレクションです。
是非どうぞ。

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